第十四話 白銀の龍
ドスンッ ドスンッ ドスンッ
ものすごい足音を出して何かがこっちまで向かってきている。なんだ...!?すると、茂みをかき分けてその巨体をさらけ出した。
ガサガサ ガサガサ
その姿は何と...白銀に輝く鱗に、鋭いかぎ爪を生やす四肢、長い首を持つ...そして極めつけは背中に生える一対の美しい銀翼!!これって...!!
「龍が、まさかこんなところに出るだなんて...困ったわね。これじゃあ、そうやすやすとニオイ草に近づけないな...」
まさかあの伝説の生物である龍!まあ、ここは神様の世界だから居て当然か...あとなんか、不死鳥とかも出てきちゃいそう...
「こりゃ弱ったねー...こうなるんだったら、お兄ちゃんも着いてきてくれればよかったのになー...」
確かに、あれだけ強いお兄ちゃんいたら結構頼りになるな。
もしかしてさっき物騒なこと言ってたけど、龍ってそんなに危ないのかな?だとしたら、今って結構私たちピンチなのかしら?
「あの、立樹お姉ちゃん、龍ってもしかして危なかったりするの?」
「まあ、それなりに危ないよ。人間の世界で言ったらなんだろうね...熊と鰐と虎と猛禽類を足したみたいなもんだしね」
なるほど分かりやすい例え...それじゃあ、結構危険だなあ...
「小さい子が森の中で遊んでるときに、ついうっかり遭遇して食べられるなんてことよくあるんだよ。龍は別に神じゃないから超能力とかは扱えないけど、普通になめてかかると食べられちゃうんだよ」
「まあ、命は一番大事だからね。今日のところはひと先ず引いて、明日は私、一柱でここまで取りに行くから安心して」
そう言ってどうやらお姉ちゃんは帰ってしまうようであった。だがしかし、私は帰りたくなかった。というか、諦めたくなかった。
せっかくここまで来たのに...!目の前に欲しい物があるのに...!それに何よりも私を奮起させるものは...
『この香水、内の人気商品なんだよね』という言葉である。
もしかしたら今、店に香水目的で買いに来てくださるお客さんが居るかもしれない。もしここで帰ったら、香水を提供できる日が一日遅れてしまう!
それぐらいだったら私は、危険を冒してでも進む意味があると思った。何よりも第二の神生のモットーは諦めないことである。心機一転やり直したんだ!何を恐れる必要がある!
その思いが私を動かした。私は、お姉ちゃんの手から離れてそおっとそおっと抜き足差し足忍び足で、龍にバレないようにニオイ草のところまで向かった。
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