第十話 千里の道も一歩から
ゴシ!ゴシ!ゴシッ!
「自分の体は自分で拭くからいいよ!お母さんは自分の体を拭いて」
「良いの良いの!赤ちゃんなんて久しぶりなんだから、少しの間でいいからこうさせてよ」
どうやら私は母さんの母性本能を刺激する存在である様だ。過保護が過ぎて逆に怖いくらいかも...体を拭き終わると、母さんは何かを持ってきて私の体に吹きかけた。
「くすぐったいよ!お母さん!なにこれ...すっごいいい匂いするけど...」
「これは、香水よ。私オリジナルで、これであんたの体から出る人間の匂いを搔き消すのよ。神の持っている神通力は身体機能を強化するからね。あんたみたいに人間の匂いプンプンする子が街に出たら大騒ぎになる」
「この前みたいにロクでもない奴に狙われることだってあるし、事情を知らない神があなたを勝手に人間の世界に帰してしまうかもしれないからね」
こうして私はいい匂いに包まれながら一晩ぐっすりと眠った。
明日から私も家族の一員として一緒に万屋で働くことになったので、仕事を教えてもらうらしい。心機一転頑張るぞーー!!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
コケコッコーー!
鶏の声で私は目が覚めた。こっちの世界にも鶏っているんだ...なんだか安心する声だ。
ガタ ガタ ガタ
私は階段を下っていくと、みんながもう既に朝ごはんを作っていてほぼ完成していた。
「あっ!ごめん!寝坊しちゃったかな?」
「あっ、祷おはよーー!良い寝顔だったから起こせなかったよーー。別に簡単な物しか作ってないから大丈夫だよ」
私は申し訳程度にみんなの橋や茶わん、小皿などを用意した。
「それじゃあ、手を合わせて。頂きます!」
どうやらこっちの世界であっても食前に手を合わせて、命に感謝をすることは共通しているらしい。なんだか考え方は繋がっているみたいでうれしいな...
「ごちそうさまでした!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
食べ終わった後の食器の片づけが終わり、いよいよ私は仕事の説明をしてもらうことになった。
「まずはこれ、祷にあげるわ」
「服?ありがとう!」
それは何かというと、この店の従業員用の服であった。巫女服の次はここ万屋の服であった。私は早速それを着てみる。
「どう...かな?似合ってる?」
「おう!ばっちりじゃん!メッチャ似合ってるよ、祷!」
やっぱりこういう仕事服着るとやる気って上がるな~~!早く仕事を覚えてみんなと一緒に働きたい!
私は全く新しい場所で、全くやったことない仕事であるが千里の道も一歩から、という気持ちで頑張るのであった。
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