第一話 物語の始まり
本作を見つけてくれてありがとうございます!
後書きの1番下に話の要約を書いておくので、もしエピソードが分かりずらかったらそこをご参照ください!
私の人生の全てが狂ったのは”あの日”のことであった…
いつも通りお茶の間に私、私を抱き抱えるお母さん、それに晩酌をつまむお父さんで楽しい日々を送っていたのであった。
しかし、その日私の家に突然、得体の知らない"化け物"が現れたのであった。危機を察したお母さんは急いで私を棚の中に隠した。
「実里、祷のことを棚の中に隠してくれ!」
「えぇ!分かったわ!祷ごめんね!中で大人しくしてるんだよ?」
ガチャン!!
私は棚に空いている小さな隙間から、お父さんとお母さんの居る茶の間を覗くのであったが...
そして、程なくしてお母さんとお父さんは、神社の中に入ってきたその化け物に無惨にも食い殺されてしまったのであった。
「ハア.........」
私は泣き叫びたかったが、体が震えて声一つ出せなかった…声を出したら殺されてしまうというのが本能的に分かっていたからである。私はこの化け物と比べたらあまりにも無力で、泣くことすらできなかったということだ...
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
私の名前は浅田祷、神社で巫女をしている十五歳である。両親は幼い時に目の前で"化け物"に殺されてしまって、それから今までずっと一人でこの神社を切り盛りしている。
しかし、そんな私も最近、この先どうやって生きていけばよいか分からず人生に絶望していた。小学校と中学校は頑張って通っていたが友達もできず、いつも教室の隅で本を読んで過ごす日常…
周りのみんなが高校進学に対して希望や期待を抱いているが、私にはそんな心の余裕はなかった。あの日のことがトラウマでそれっきりずっとこうであった…みんなのことが羨ましくてしょうがなかったのである。みんなが思っている当たり前というのが、私からしたら叶わない幸せなのであった...
なので私は進路指導の度に担当教員には進学はせずに実家の神社を継ぐと言った。家から出るのでさえも億劫になってしまっていたのと、神社に居るときは心が少し軽くなるからである。
私も両親さえ居てくれれば、こんな辛い思いをしなくて済むのに…だからと言って亡くなった両親を責めるなんてことはしないけど...生きていてほしかったと毎日思ってしまう...それが無理なら私もいっそのことその時に...
私はこのどうしようもない気持ちともう十年近くも戦ってきたのであった...忘れたくても忘れることができない。
だからもうそれは考えないって言ったじゃん…私は自分にそう言い聞かせていたのに、何度も辛い過去のことを思い出してしまってはそのたびに絶望してしまった。
そして、私の人生を180°変える出来事はある日突然起こるのであった。その日は進路指導習慣であり、結構早めに家に帰ってくることができたのだ。なので私は時間を潰すために、神社の仕事をしているのであった。
「みんな今頃はお父さん?それともお母さん?が面談に来てくれて一緒に将来の進路のことについて話し合っているころなのかな...それと比べたら私なんか...」
私は、自分とクラスのみんなを比べてしまったら突然として涙が溢れてきてしまった。他人と比べることはよくない、とは言うが私はどうしてもそれを考えてしまう...
「ハア......もうやめだやめだ!こんな時は早く寝て気持ちが沈まない様にしよう!」
私は気が散って仕事に専念できなくなってしまっていた。なので、こんな時はこれ以上考えることのないようにさっさと寝ようと思ったのである。
そして私が、箒掃除に使っていた箒を物置にしまって来ようとしたところ、突然として近くから轟音が聞こえてきた。私はその音にビックリして逆に眠気がなくなってしまった。
バゴーーン!!!
「ひえっ!!何今の音...」
私はその大きな音が聞こえた場所まで向かって様子を確かめることにした。熊とかじゃないわよね...
流石に今は秋だし、出て来ててもおかしくないかな...
だがしかし、物凄い音が聞こえてきたところに到着したが別にそこには熊が居たわけでもなんでもなく、なぜか知らないが変な穴のようなものが開いていたのであった。
「何この穴...?掘って穴...?いや、違そうだな。なんだか空間がバグっているみたいだ...」
亜空間へと繋がっているように向こう側が真っ黒で何もないようだ。この穴は一体どこへと繋がっているのだろうか...私はそこら辺に落ちてある軽石を拾って中に落とした。
ヒューーーーーーン.........
しかし、底に着いた時の音は聞こえなかった。やまびこみたいに音が反射するかも試したが、声が戻ってこない。底なし穴的な...
「この穴の中に飛び込んだら楽になれるかな...」
と、私は小声でつぶやいた。
ちょっと何言ってるの私…そんなことしたら天国に居るお母さんとお父さんを悲しませちゃう...私は今の弱気な自分を全力で否定はした。だが私もすでにもう精神的に限界であった。
この穴に飛び込んで楽になれるのであれば、私はいっそのこと飛び込んで楽になってしまいたい...私は今日だけは...とずっと自分に言い聞かせて何とか今日まで生きてきた。
だけどそれももう限界である。明日に希望を全く見出すことができない。どうせ私なんて失うものなんて何もないんだから、別にいいか...お母さん、お父さん...ごめん。
その瞬間、私はその大きな謎の穴の中へと身を投げてしまった。私は一体どうなってしまうんだろうか、それは神様ですらも知りえないだろう...
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もうストーリーは組んであるので、頑張って今年中に完結できるように頑張ります!
色々なアニメや漫画の影響を受けているので既視感があるかもしれませんが、そこも含めて楽しんでみてください!
※この話の要約
孤児として暮らす15歳の少女、浅田祷は突如として現れた謎の穴に身を投げ入れて自殺しようとする。だがしかし、この穴に飛び込んでしまったことにより祷は第二の人生を送ることになってしまうのであった…