11 タイムトラベラーたち
「いや、何してんだ?カレン?」恭平はそう問いかける。
そこには恭平のお気に入りのキーホルダーをバラバラに砕くカレンの姿があった。
「あぁ、ごめんねぇ。これだけは壊さなきゃ…今回こそ…」
「いや説明してくれよ。どうして俺の…ん?」
恭平の目に大きく、そして壊れかけている機械が見えた。そいつはガガ…という音を出している。
「そいつは…?」恭平は問う。
「あぁ、説明しないとだね…。でもその前に…」
そう言ったカレンは武器を大きく振り上げ、そしてその得体のしれない機械に振り下ろした。
ガシャン、という大きな音を立てた後、その機械は爆発した。
不意に、恭平は違和感を覚えた。この光景、どこかで…。そう一瞬だが思った。
「あぁ…。まずは謝らないとね。ごめん、大事なもの壊しちゃってぇ…」
「いや、まぁそれはいいよ。それより何で…」
「あぁ…やっぱそこだよねぇ…。ちょっと説明長くなるけど、てかさっきちょっと説明したけどいいかなぁ…?」
「お願い。さっきはあんまり聞けてなかったから」
「わかった。さてぇ、どっから説明しようかねぇ…」
2,3回呼吸をした後、ゆっくりとカレンは話し始めた。
なんで壊したかの前にまずはあの大きい木について説明するねぇ。
まずはあの木に霊気があるって言ったけどその霊気には「天」の霊気と「魔」の霊気ってのがあるんだぁ。
基本的にガシャに紛れ込む霊気はいい方、つまり「天」の霊気なんだけどたまーに悪い方が紛れ込むんだぁ。
で、その悪い方が問題なんだけどその「魔」の霊気を持つガシャから出たものを長いこと持っているとよくない力に目覚めることがあるんだぁ。
まぁまだ1回しかそんなことはないんだけど。
で、その「魔」の霊気を持っているキーホルダーをなぜか君が持っていたから壊したってことだねぇ。
「…で、君はいつからあのキーホルダーを持っていたのぉ?」
カレンは問いかけてきた。
「…いつからだっけ?確か夏休みの前…」
何か頭の中に引っかかったものがあった。思い返してみると夏休みの前…つまり6月ぐらいの記憶がごっそり抜けていた。正確に言うとざっくりとは覚えているが何をしたか、どこか行ったかなどの記憶が抜けていた。
「ごめん。ちょっと思い出せないかも…」
「ふぅ〜ん、まぁいいかなぁ。で、持ってるキーホルダーはこれで全部なのかなぁ?」
「確かそれしか拾ってないはず」
「りょーかい!じゃ、私の部屋で一旦休もっか。暑いでしょぉ?ジュース入れたけるよぉ」
やはりまだ何か思い出せない。何か重大なことを忘れている気がする。
「ん〜?どうしたのぉ?恭平くん?」
思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。思い出せない。
「あれぇ〜?もしかして熱中症?ほら、早く行くよぉ」
思い出せない。思い出せない。
「ねぇ〜!生きてるぅ〜?からかってるのぉ〜?」
思い出せない。
「ねぇ〜!」
思い出せ。
「何か考え事してるの?なら部屋でゆっくりやればいいじゃん〜!とりあえず移動しようよぉ〜!」
「…思い出した。」
「へ?何を?」
なぜ、こんな大事なことを忘れていたんだろう。今までの俺はなぜこのことを思い出そうとしなかったんだろう。いや、今まで思い出せなかったならなぜ今この瞬間思い出せたんだろう。
そんなことはどうでもいいか
「ねぇ!恭平くん、いったいどうし…」
「戻れ。」
その瞬間、世界が黒に染まった。
その夏は、いつもの夏と比べてすこし肌寒いような、そんな夏だった。
いつものように蝉のけたたましい鳴き声が響き、いつも通りのゆったりとした時が流れる中、佐野恭平は山奥へと歩みを進めていた。
理由と聞けばそれらしい理由は無い。
ただ歩いている、それだけだった。
この辺りは山に囲まれた小さな町であり、恭平は昔からよくこうやって山へと足を運んでいた。
ゲームセンターやカラオケボックスといった遊び場は当然なく、唯一ある娯楽が自転車で30分かかる本屋といった具合だ。
もちろん公園はあるが、恭平は友達が少ない。
そんな恭平が山へと足を運ぶのはむしろ自然なこととも言えた。
恭平は歩むのをやめない。
恭平は水を一口、口へと運んでからまた歩みを進めた。
方向のあてはある。ただその方向へと進んでいった。
途中、何度か転びそうになっても歩みを止めず、そうしているうちにいつの間にか辺りは夕焼けの暖かな日差しに包まれていた。
そんな中、目的の地と思えるような光が一筋、恭平の目に止まった。
恭平はその方向へと走り出した。早く、その一心だった。
しかし、その歩みは期待に沿わない結果となった。
そこ一帯は円状に木々が無く、かわりにその真ん中に大きな木がたたずんでいた。
10メートルは優に超えているであろうその木の下に、何やら不思議な物が置いてあるように見えた。
そして、その不思議なものの近くには、天使の羽が生えた女が立っていた。
「…何をしたの?これは一体…?」
「記憶は消えなかったか…まぁいい。」
「ちょっと!恭平君、どうしちゃったの?そんな怖い顔しちゃって…」
「どうもないよ。ただ俺のやるべきことをやっと思い出したってだけだ」
「…もしかして、キーホルダーはもう1つあった?」
「まぁ、そうだろうな。」
「なんで?なんで!それを知らせてくれなかったの!知らせてくれれば…」
「さっきからゴチャゴチャうっせえなぁ!こっちはおしゃべりしに来てるんじゃねえんだよ!ほら、止めたいなら止めてみろよ。俺は今からお前を殺す。」
「あ、ふーん。そういう態度とっちゃうんだ。じゃあ、本気出してもいいってことだよねぇ?」
「お好きにどう…」
そう言い終わる前に恭平の腹に穴が空いた。
やった、カレンはそう思った。いや、それは事実だった。恭平はそのまま倒れた。
「ごめんねぇ、でも君が悪いんだよ?」
カレンはそのまま恭平のかばんを物色する。
「なにが原因だろ…原因さえ分かれば…」
そう言葉を発した刹那、カレンはついさっき立っていた場所に戻されていた。
「ふぇ!?へ?何?」
「奇襲とかやなことするじゃん」
「あ、そういう…めんどくさい物を紛れ込ますねぇ、このガシャとやらはぁ…」
「復元、再生」
恭平がそう言うとさっきのカレンが奇襲をしかけてきた場面に戻った。
恭平はその奇襲を見切り、打撃を入れる。
「なーるほどねぇ…。時間を操るって言うよりかは対象の時間だけを操っているわけねぇ…」
「いや、普通に時間も操れる。こうやってなぁ!」
カレンの背後に恭平が立っていた。そのまま不意を突かれカレンは恭平の攻撃を受ける。
かはっ、という声にならない声を出した。
「これチートだよなぁ、初めて使うはずの能力なのにもう自由が効くや」
「…何がしたいの?」
「あ?」
「私を倒して何がしたいの…?」
「腹いせ…とでも言いたいが、目的はお前が持ってるその鍵…そう、ぷいきゅあの限定生産のその鍵だ」
「…え?なんでそんなもの…」
「お前、まさか知らずに持っていたのか?あれは一見ただのおもちゃに見えるが天国と地獄の間の空間
『ムゲツ』に繋がる扉の鍵なんだよ」
「嘘…あれがぁ…?」
「あぁ、そうだ。だからお前を殺してそれを奪う。」
「ま、待って!それは…」
「じゃあな」
ドン、という鈍い音が響いた。
カレンはそこに倒れる。
「そ…うか…。君が…あの…脅威…だったん…だね…」
「まだ生きていたか」
どこからか生み出した鈍器を恭平は手に取る。
それを恭平は振り下ろした。何回も。何回も。
ただ辺りにはドン、ドンという鈍い音が響くだけだった。
失踪しました、新生茶んです。
方向性が死ぬほど変わったなぁ。
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