第5話 「嫌いな教科」
午後の授業の準備が終わった頃、昼休憩の終わり告げるチャイムが鳴り、校庭や体育館、他教室に行っていたクラスメイト達がゾロゾロと戻ってきて、授業の準備を始める。そうしていると、授業開始のチャイムとほぼ同時に教室のドアが開き、5時間目の英語の先生とALTの先生が入ってきた。
「皆さん、こんにちは。英語を担当する田中淳とALTでイギリスから来られているレオリオ・アーロ先生です。」
「これから、レオリオ・アーロ先生と私の2人で授業を行っていきます。」
これまでの教科と同じで最初の今日は、オリエンテーションのようで、担当の先生とALTの先生の紹介から始まり、授業の進め方などを説明しているが、なんだかクラスの雰囲気がこれまでの授業と少し違っていて、先生の話しなど全く聞いていない様子だと思っていると、斉木さんから小声で話し掛けられた。
「あの、ALTの先生めっちゃカッコよくない?」
「すごいイケメンだと思うよ」
「そうだよね!他の人も多分、同じこと思ってるよね、さっきから先生の話し上の空だし」
クラスの様子が違う原因は、ALTの先生だった。控えめに言ってもイケメンで、俳優をしていると言われても全く疑わないだろうと思う。
田中先生が話し終わり、配布物を配り終わったタイミングで授業の終わりを告げるチャイムが鳴り英語の授業が終わった。先生達が教室から出て行くとクラスメイトみんながALTの先生のことを話しながら次の6時間目の音楽の準備をし、音楽室に移動する。
音楽は俺の嫌いな教科の1つだ。別に音楽、全てが嫌いな訳ではないが、小学校の頃からリコーダーも鍵盤ハーモニカも全くできず、歌も音痴過ぎて全然ダメで、そんな経験から逃げるように音楽という教科が嫌いになった。音楽室になど行きたくないが行くしかない為、音楽室に向かう。中に入ると新しい段ボールのような匂いがした。
音楽室に到着した順に椅子に座り、授業開始のチャイムを待ってから音楽の授業が始まったが、やはり最初はオリエンテーションのようだ。
「音楽を担当している小椋佳子と言います」
「余り、緊張せずゆっくりと、楽しく授業を行っていきましょう」
先生の自己紹介から始まり、扱うことになる楽器や楽曲の説明を受ける。楽器はピアノや琴、木琴や鉄琴などの名称や扱う上での注意事項などで、楽曲はベートーヴェンやショパンなどの有名な曲を丁寧に説明をされ、音楽の授業が終わり、音楽室から教室に戻った。
この後、帰りの学活をしてから誘われている卓球部の体験入部に行く予定だ。
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仕事の都合で、2日置きの投稿が多いと思いますが、完結に向けて頑張っていきます。
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