第4話 「部活」
恥ずかしくなり、下を向いていると授業の終わりのチャイムが鳴った。
「これで、初めての国語の授業を終わります。」
前で先生が終わりを告げると、クラスのみんなが各々教科書などを片付け始める。そんな中、斉木さんの方を向くと、まだ恥ずかしいのか顔を赤らめたまま下を向き教科書を片付けていた。
「先生に注意されて恥ずかしかったね」
「……そうだね、ごめんね、私が話し掛けたから…」
「うん…いや、ごめん」
斉木さんに話し掛けると少し話しにくそうに謝られ、それをフォローできそうな言葉が見つからなくその後も2時間目に数学、3時間目に理科、4時間目に社会と授業と名のオリエンテーションを受け、昼になり給食後の昼休憩になった。
学校では、これと言って得意なことも好きなこともなく、友達すらまともに居ないので、昼休憩と言っても何もすることがなく、教室内を見渡していると同じ小学校で割りと仲の良かった上山凌弥が話し掛けてきた。
「お前、入る部活決まった?」
「まだ、初日だし決まってる訳ないじゃん、運動は嫌いだしだからといって文化部もなぁ~」
「俺、卓球部が気になってるから一緒に体験入部に行かん?」
「行っても良いけど、多分入らんよ」
「おけおけ!一緒に行ってくれるだけでありがたいから」
何を言って来るのかと思ったら、体験入部の誘いだった。この学校は、何かしらの部活に必ず入らないといけない。まだ入部まで1週間あるといえど内心、憂鬱で仕方ない。
そんなことを考えていると、何処かに行っていた斉木さんが教室に戻ってきたので、部活のことを聞いてみる。
「斉木さんは入りたい部活、見つかった?」
「うん!友達と吹奏楽部に入ろうかなって思ってる。女の子っぽいしね!」
「熊谷くんは、決まってるの?」
「全然、決まってないし入りたいと思う部活がないんだよね」
「それはそうと部活、楽しみなの?」
「そうだよ!めっちゃ楽しみ!友達と同じことするのが初めてだからね」
「良いなぁ…楽しみなことがあって、羨ましいよ」
「まだ入部まで1週間あるしゆっくり決めたら良いと思うよ!」
どうやら斉木さんは、友達と吹奏楽部に入ろうと思ってるようで余程、友達と同じ部活に入るということが嬉しいのか、こちらを向きながら笑顔を見せて、少しテンションも高いようだ。そんな斉木さんを見てなんだか俺まで笑顔になりそうになる。
あと1週間、それまでに入りたいと思う部活を見つけないといけない。最悪、友達の上山が誘ってくれた卓球部に入れば良いかなと思い、午後の授業の準備をする。
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