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自由気ままに生きてみる  作者: 紅龍
ギルドの利用方法?
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状況変化

流石に優秀な人員で固めているのか、動揺は一瞬。

視界のきかない闇を晴らすべく魔道具の一種であろう青い炎が上空へと打ちあがる。

「前方に敵! 鑑定士! 戦力想定は!」

後方に位置し、こちらを眺める外套の一団に騎士どもは声を投げ掛け、外套の一団はそれに対して言葉を放つ。

「強力なスキルは確認出来ず! 脅威度は低!」

「ならば良し! 隊列を崩すな! 奴等はただの狂信者に過ぎず! 怖気ずに圧殺せよ!」

部隊の隊長と思しき騎士がそんな事を部隊に命令を下すのだが、こちらとしては首を傾げてしまうのだが・・・・。

「あぁ・・・・スキルでのみ確認しているのですね」

クロ様との稽古で身に着けたのはスキルに頼らぬ神技と呼ぶべき技術体系。

彼等が身に着けている神からの恩恵としてのスキルとはまるで別。

レギオンという魂に刻まれた技術である為、鑑定などでは映る事は無く、それ故に脅威度は低く見積もられたのでしょう。

また、身体能力についてもスキル依存の彼等と違い、シロ様譲りの肉体改造によって強化済み。肉体強化スキルなどに頼る事無く、敵を屠れるのですが、こちらもスキル由来では無い為、察知が不可能という事でしょうか。

「つくづく恐ろしい主君に仕えたものです」

こうした状況を切り取っても、明確な意図を感じてしまい、シロ様とクロ様の見据えた高みを思い知らされてしまう。

まるで神の如き威光を感じ、その場でひれ伏しそうになるが、今はただ戦う事が第一目標。斥候部隊である我々は敵を殲滅するだけ。

「・・・・・・・・なっ!?」

急激に速度を増した我等に対し、低度の脅威として対処していた隊長とやらは間の抜けた声だけを残し、喉元からナイフを生やす。

「首級一つ目」

ナイフによって切り裂かれた隊長の頭部がボトリと地に転がるのを見て、副隊長と思しき人物が悲鳴にも近い叱責の声を上げた。

「・・・・・・鑑定士ども! 裏切ったのか!」

当然、そう批判するのだろうが、こちらからしてみれば次の標的を見つけたに過ぎず、分裂した一体がそちらまで迫るなり、隊長と同じ道を辿る。

「・・・・・鑑定士ども! 許さんぞ!」

隊長、副隊長共に人望があったのか、怒りの矛先は運よく鑑定士とやらに向いた様子。こちらとしてもその嘘を本当に変える為に、鑑定士までの道を遮り、守る様に動いてみると、面白い事に彼等の顔は沸騰し、邪魔だとばかりにこちらを払いのけた。

「奴等は間者だ! 潰せ!」

「おぉおおおおおおお!」

高揚した戦場の匂いというものか。理性の外れた騎士達の動きに迷いは無く、手にした武器でもって鑑定士という戦う術を持たぬ者達を蹂躙していく。

「や、止めて・・・・止めてください!」

「あっ・・・・・い、痛い・・・痛い痛い痛い痛い!」

「ち、違います! 我等はただ言われた通りに!」

「死ね! 死ね! 死ね! 死ね!」

「裏切り者が! 恥を知れ!」

愚かな三文芝居というものなのだろうが、存外に悪くない。

手間も掛からずに最大効率を上げるこの手法もクロ様に学んだ事ではあるのだが、やはりスキルというのは身に着けない方が応用が利くのだと再認識した上で、混乱の最中にある陣営を遠くで眺めていた一体が、本営であろう場の動きを察知する。

「勇者一行が天幕に・・・・成程、守備は厚いと・・・・・確か公爵とやらもこの戦に参陣している様子。聖女とやらと関係があるのであれば、そちらから切り崩すのも悪くは無いか」

騒動を聞きつけ、天幕から抜け出した勇者達の姿を見て、そんな考えがわき出してくるのだが、総体として再考してみても悪くない考えであると答えは同じ。

ならば、もう一つ仕掛けをしておくべきかと大将が居座る陣幕へと向けて駆けていく。


「・・・・・何者だ!」

大将を守るべく眼前に勇者と呼ばれる少年が姿を表すが、問題は無い。

「何者かと問われて答える者は居りますまい。まぁ、強いて言うなれば貴方達の事を疎ましく思う者・・・・と言うべきでしょうか」

「・・・・何の話だ!」

多少、思い浮かぶ人物が脳裏をかすめたのか、勇者が苦虫を噛み潰した様な顔をするのを見て、疑心暗鬼の種は芽吹きそうだと内心笑みを浮かべてしまう。

「風の噂では、ダンジョン攻略にも失敗なさった様子。勇者という称号が時代に一人という事は・・・・そう考える者達が出てくるのも当然と言えば当然の事。心中御察し致しますよ、勇者殿」

「・・・・貴様っ!!」

勇者は当然の報復行為として全力の一撃をこちらに放つ。

流石は勇者と言うべきか、全力の一撃はこちらを殺し切るには十分な威力であり、駒の一つは真っ二つに胴体を切り離されたが・・・・・。

「・・・・っははははははは。図星を指されてお怒りですか?」

「ぐっがぁあああ! 黙れぇぇぇええ!」

嘲る分身の口を閉じる為に剣を振るい、聖剣と呼ばれる剣は血みどろになるまで我が分身を切り刻む。遠目から確認しても人と呼べぬ程に切り刻まれた辺りで勇者も我に返ったのか、肩で息をしつつ聖女とやらに回復を受けていたが、まったくもって脆い精神だという他は無い。

更に追い込むべく他の分身を向かわせようかとも思ったが、レイスの一団も紛れていた様で、分身を操作していた感覚は全て断ち切られており、今回の作戦としてはこれが引き際なのだろう。

「・・・・弱点も見えましたし、傀儡にすべき公爵とやらの陣も把握しましたので、上々と言っても良さそうですね」

戦場を一望していた分身の目から状況を把握し、主様へ情報を伝達すべく新たな分身をダンジョンに捕らえた苗床達より産み出すのだった。


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