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自由気ままに生きてみる  作者: 紅龍
ギルドの利用方法?
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命運

「それで、何の土産も無くよくも顔を出せたものだな」

「・・・・・これは手厳しい。私と公爵様との仲では御座いませんか」

勝手に上がりこんで何様なのかと口に出そうになったが、厳重な警備を突破する実力は本物。現にこの屋敷で一番厳重な書斎へと踏み込まれている時点で力の証明としては十分。仕事を任せる相手としても不足は無いのだが、それだけに対応には気を使う。

「お前との仲など口にするだけで気持ち悪いが、ヨロズヤ・・・・・だったか、あのギルドが何故にあれ程儲けているのか、そして国に対してどの様な立場なのかを明確にするとお前は俺に言ったのだが、忘れてはおるまい?」

「勿論、それにつきましては調査済み。結論を申しますと・・・・あれは敵ですな。儲けのからくりにつきましては純粋に良い物を安い価格で売るという馬鹿な商売をしております。あれ程の品であれば引く手あまた、値段を倍に釣り上げても客は逃げないでしょうに、売り方が下手と言いますか・・・・儲け方を知らないといいますか・・・・・まぁ、馬鹿と言っておく方が的を射ている様な気もします」

書斎に備え付けたソファーに背中を預けて横柄な態度の割に報告は丁寧そのもので面食らう。自身の仕事についてはプライドもあるのだろうが、内面は壊滅的。王国に逆らう者には嬉々として女子供関係なく、手を下す快楽殺人者であり、仕事と趣味が完璧に合致した稀有な例と言えなくも無いが、些か殺人志向に傾倒しつつある近年は扱いずらさが目立ってきているのも事実。

こちらとしても面と向かって会話を続けたい人物では無いが、護衛を呼んだところで死体が増えるだけかと肺の空気を吐き出し、質問を続ける。

「敵であれば何故、お前は奴等を殲滅していない?」

「・・・・・・良いところを突きますね・・・・・結論はお分かりだと思いますが、あの場では負ける確率が高かったから・・・・と、だけ申しておきましょうか」

レイスという男の力は十二分に知っているからこそ、万屋という新興ギルドの力はどれ程のものか。

「それで、出来損ないの第一王子は?」

「それについては今頃ポン・・・・と、はじけ飛んでいる事でしょう。今日は薬も与えておりませんし、役目も終わりましたから」

王子の最後でも想像したのか笑みを深めてレイスがそんな事を言ってくるが、私としては想像するだけ気持ちが悪い。趣味の悪い話だと思うが、快楽殺人者の言動に同意できないだけまだましかと自身を慰めて話を進める。

「ならばこれ以上の問答は不要、国の敵となったのならば討たねば為らぬ。端から接収ありきの話、それが出来ない為の案として王国軍の用意は完了済み、あの街にしても万屋以外の価値は無し・・・・・人的資源についても居座るのはごろつき程度、更地にしても問題は無い」

「では、予定通り軍事演習想定で消しますか?」

「当然、勇者一行にしてもレベルを上げる為には民草の犠牲は必要なのだ。ダンジョンで上げようと思っていたが、そのダンジョンが消失したのだから補填せねばなるまい?」

「確かに・・・・そこらの村人程度でも数が集まれば上位の魔物と変わりませんから異論は無いのですが、何とも異例なもので」

レイスがいう事ももっともな話。ここ数十年の中では無かったこと。

私が公爵家を治めてから初めての事であり、統治者としては民を減らすのは頭の痛い事柄だが、防衛力という観点からも勇者一行の成長は急務。

ついでに我が娘についた悪い虫である万屋とやらも消せる一石二鳥の策なのだから。

「貴様は我等の命令に従っておれば良い。そうすればこれまでの様に貴様の起こした犯罪は不問となるのだ・・・・・悪くは無いだろう」

「・・・・・・それはその通りで・・・・・ではでは、私は王様へ報告にあがりましょうかね、軍へ命令を出してもらわにゃなりませんし」

レイスはそれだけ語る気配ごと忽然と姿を掻き消した。

まるで夢の様に存在感の無い光景に独り言でも呟いていたのかとさえ思うが、あけ放たれた窓だけが、確かにそこに存在したのだと告げていた。

「・・・・・・レイスが警戒する万屋の戦力・・・・か」

軽口の類だったのかも知れないが、警戒したのは本当なのだろう。

何とも気になる言葉を残して去るものだと憂鬱になるが、どうにも気が滅入る。

「・・・・・この選択が命運とならなければいいが」


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