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自由気ままに生きてみる  作者: 紅龍
ギルドの利用方法?
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奪取

「・・・・・・権能を取得可能?」

剣を握ったことが何かしらの要因になったのか、何やら空中に奇妙な文言が浮かんでおり、そこには女神とやらの権能を取得可能とだけ記載されていた。

「さてさてどうするか?」

思考を加速させ、静止にも似たゆったりとした世界の中で、更に思考するという馬鹿げた行為に頭も痛くなるが、この状態もノーリスクな訳が無いので、早々に決断するべきかと権能とやらを取得する事にしてみる。

「・・・・・ぬっ!?」

意識的に奪うという意思を示しただけだったが、感じた痛みは肉体では無く魂への痛みか? スキルで軽減できるものでは無いらしく、今までに感じたことも無い魂の痛みに体は自然と変調をきたし、冷や汗と痙攣が止まらない様だ。

「・・・・・お、俺の剣を何処へやった!?」

突然に消失した己の剣に対し、ギルドのリーダーと思しき男が吠えるが、勘弁して欲しい。

「気持ち悪い・・・・」

前世の感覚を参照すればこの感じは重度の二日酔いみたいなものだ。

世界はぐるぐる回るし、胃の中もぐるぐる回る。

音は脳を刺激して気持ち悪い。匂いも当然に吐き気をもよおす。

最低最悪なバッドステータスのオンパレード。

早々に切り上げてふて寝を決め込みたいのだが、よくわからない奴等はなんだか怒鳴り散らして気持ちが悪い。

「何処にやったんだと聞いてるんだ!」

耳元で怒鳴るのを止めろと怒鳴りたくなったが、そんな事をしたら吐きそうなので、何となく感覚で理解している事だけを絞り出して伝えてやった。

「・・・・・多分、食べたんじゃないか?」

「はぁ・・・・・?」

男は納得が出来ない様子で困惑した顔を浮かべていたが、俺だって分からない。ただただ手に取ったら権能とやらを取得可能と出ていただけの事。感覚として取得した後に魂の容量みたいなのが拡張された気がするので、多分これが権能を得たという事なのだろうが、それ以外は何も分からん。

本来この世界において魂の容量を上げる術なんてものは聞いた事が無いし、この不調の原因はきっとそれなんだろうと何となくは理解できるのだが、今はまともに思考できる気がしない。

「・・・・返せ! 俺の神器をかえっ──」

尚も男が俺に縋りついていたが、残念ながら時間切れ。

剣を吸収したせいか、剣に付与されていた能力も理解したのだが、そこには手にした者のステータスを向上させる能力も付与されていた。

当然、自身の能力を超えた力を発動すれば反動は計り知れないものであり、発動後に剣を所持していなければ受け止め切れるものでは無く、結果目の前の男は肉の爆ぜた肉片へと変貌したらしい。

「・・・・・元から消耗品か」

人が使うには魂の消費もベースとなる基礎値も足りていない。

規格外に大きなエンジンを無理やり積んだようなもので、車体が耐えれない事は最初から想定内。人に対する脅威を殺せればそれで良いというトレードオフで成立しているであろう産物を扱った者の末路としてはまっとうな最後なのだろうが、人を守護する女神とやらの本性が垣間見えた。

「げん・・・・かい・・・・かも」

気持ちの悪さはまだまだ胸の内に燻っており、歪んだ視界は気持ちの悪さを助長させる。肉体が休息を欲しているのか眠気もピークに達しているらしく視界は次第に閉じてゆく。



「流石は我が主。ただの駒である筈も無いと思ったが、正しく王者となられる御方であったか」

この世界において破壊不能である筈の神器を取り込んだ事で予想は明確な確信へと変わった。

「そもそも神だなんだと上から見下ろす奴等は気に喰わない。高位の存在だとかは知らんが、自分の手を汚さないのであれば得たものに価値はなかろうに・・・・・上から下を見るのが楽しいのだろうが、我が主を甘くみていると痛い目をみる事になると認識を改めるべきだな」

数千年程度では届かなかった神への反逆。

この星の代弁者たる精霊の一種として生を受けたにも関わらず、侵略者たる神に抗する力を持たぬ己が非力さに何度屈辱にまみれたことか。

「だが、それも今日までの事。この世界を汚染する神などと呼ばれる外なる世界の侵略者共、一方的に虐げられる者達の怒りを知る時だ」

背筋を駆け巡る高揚感に生の実感を感じて吐息すら熱くなるのを感じてしまうが、邪魔者にとっては隙に見えたのか、不躾な輩の一撃は命を断つべく振るわれる。

「くたばれ化け物!」

速度は遅く、避けるだけならば何のことは無い一撃。

こちらも又、己の分を超えた力に振り回されて死ぬ寸前であり、必死な形相は間抜けを通り越して悲惨な有様。そこそこに身を据えてほそぼそと生きていれば殺される可能性も無かったものを、分別も無くこちらを害するからそうもなるのだが、馬鹿だからこそ今まで生きてこられたのもまた事実。

「・・・・・だがそれにしてもつまらない」

力だけの一撃をかわす事など造作もない。

左に右にと避けるだけで男は血を流し、視線すらもあやふや。

相手をするまでも無く男は倒れて二度と起き上がる事は無く、残りの一匹に関しても同様。最後ぐらいは抵抗するかと残る曲芸師と思しき鞭を携えた女を見るが、正気は既に失われており、何時の間にか戦いと呼べる高揚は綺麗さっぱり消失していた。

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