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自由気ままに生きてみる  作者: 紅龍
ギルドの利用方法?
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神の武器

「・・・・・貴様ら! 裏切りの代償は高くつくぞ!」

促されるままに辿り着いた先では何やら争いが起きているようで、人に擬態したレギオンの死体が周囲に折り重なるように散乱していた。

「・・・・・・・・」

ますます意味の分からない光景に理解が追いつかない。

何故に戦っているのかも分からないし、レギオンがこれだけの人々を取り込んでいたのも分からない。そしてその極めつけは冒険者ギルドで有名な『神々の剣』とやらの上位メンバーを取り囲んでいる事がよく分からない。

当然、意味不明な状況なので黙ってみるしかないのだが、クロにとっては周知の事実なのか溜息混じりにこの光景を眺めつつも落胆なのか表情を曇らせてレギオンへ向き直る。

「奴等の武器と真正面から戦うとはまったくもって愚かですね」

クロのそうした発言に彼等の持つ武器を鑑定で眺めてみるが、一往に眺めてみるがそのどれもが鑑定不可らしく詳細は不明。

当然、それ程におかしい性能の武器など見た事は無いので性能は憶測でしか無いが、オリハルコンと呼ばれる魔法金属で出来ている事からも破格の性能。単純な硬度だけでもダイヤモンド以上であり、付与される能力によっては破壊耐性すら持つというのが鑑定で見れた材質的なオリハルコンの情報なのだが、それだけでも異常であり、付与可能な能力の受け皿としても優秀な素材らしく、それだけに初見で戦うのは避けたい部類だといえた。

「能力を暴く為に数手受けるのは問題ありませんが、それで死んでいては問題外。まっとうに剣と剣を合わせるからそうなるのです。相手の持つ剣は神の創作物であり、人が作り出した物とは全くの別物。切り結ぶなどと考えているから安易に両断されるのです。相手の剣を真正面から受けずに剣の腹を殴る程度は出来るでしょう?」

「・・・・・失念しておりました。返す言葉も御座いません」

レギオンがあっさりとそんな事を言うが、単純な話はそうなのだろうが、それにはどれだけの差が必要なのか見当もつかない。

相手が全力で振るう剣戟にこちらは武器を潰さないように立ち回るなど、大人と子供以上の差が無ければ到底不可能に思えるのだが、何時の間にかレギオンにはその能力があるようで、先程まで一刀ごとに切り捨てられ、烏合の衆と化していた処刑場めいた雰囲気は鳴りを潜め、やや不利な闘争の場へと姿を変えていた。

「こ、こいつら急に」

「一斉に変化するとかどうなってやがる!」

「狼狽えるな! この武器の真価はそんなもんじゃねえだろ」

個にして全であるレギオンを知らない彼等にとって急激に変化する状況に対応できる筈も無く、リーダーと思しき男の声に触発されて神の武器は光を放つ。

「奇跡ってやつを見せてやるさ」

宣言と共に突如として漏れだす光の奔流。

ギルドの中央を白く染める閃光。眩しさに目を閉じ・・・開いた頃には周囲に建物らしき物体は存在せず、爆発にも似た光と衝撃に巻き上げられた砂塵だけが生の実感を得る材料。

生きた心地がしないとはこうした事をいうのだろうが、詳細の分からない現状をどうにか認識するべく思考しようとするのだが、土煙の先、視界の中央に佇む神の武器を手にした6名ほどの存在がそれを許さない。

「・・・・・・耐えたか」

リーダーと思しき男がそんな言葉を投げ掛けてくるが、それにしても思い切りが良すぎる。いや、そもそもが自分達以外に価値を見出していないという事か。

「お前達のせいで街はメチャクチャだ。俺に人殺しをさせるなんて、最悪だな」

どの口がほざくのかと言いたくはなったが、彼等のギルドへ侵攻したのは事実なので俺としては部下の暴走を抑えられなかった手前、申し訳ない思いで一杯なのだが・・・。

「武器頼みの雑魚の癖に生意気ですね」

クロは退屈の中に少しの楽しさを見出したのか、先程の閃光を防ぐ為に構えた姿のまま欠伸をこらえつつも拳を握り、ゆったりと彼等に向けて歩き出した。

「成る程な、姿は変えているようだがその立ち振る舞い。冒険者ギルドに居たあの二人組という訳か・・・・・転生者などと言われている奴等だろうと思ったが、奇跡に耐えた理由も知れたな」

転生者? 急に出てきた話の内容に気になるフレーズが混じっているのだが、現状といえば死ぬか生きるかの二者択一。仲良く腹を割って会話を続けましょうという状況では無いようで、矢を番えた弓使いらしき男が不意の一撃とばかりにクロへと矢を放つ。音速を超えた一撃はクロを串刺しにする光景を幻視させるが、正真正銘の化け物には退屈な一撃か、呆気ないほどあっさりと捕まれていた。

「・・・・・・・えっ?」

射手が漏らした疑問の声はまったくもって正しい。

神の武器によって精製されたであろう奇跡の矢を人が受け止めるなど言語道断。今日、この時までそんな異常事態に出会った事が無かったであろう弓使いの男は間抜けずらを晒して現実を否定すべく第二射を射かけるが・・・・。

「あっ・・・・・・」

男が声に出せたのはそこまで。クロの手が霞んだかと思いきや手にしていた矢は消失し、次の瞬間には射手の男の眉間より生じて男の命はそこで掻き消えた。

「弓から放たれた後も奇跡とやらは機能しているようですね。やはり同格の武器同志であれば使い手の技量次第で差がうまれると・・・・・」

現状の理解を口にして周囲に言葉を漏らす。

俺としては黙ってた方が良い様なきもするなと思ってしまったのだが、彼等の表情を見れば苦虫を噛み潰したようであり、図星をつかれたという顔であったので、どうやらこれが狙いだったらしい。

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