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自由気ままに生きてみる  作者: 紅龍
ギルドの利用方法?
32/53

召喚

「精神的に辛いところがあるな」

愚痴も漏れてしまうが、肉体的にはなんら問題は無いので気力を振り絞り、ギルドへ向かってみる・・・・。

「やっぱり増えてる・・・・」

すると案の定の展開。落胆半分、魔石が貰えるという思い半分の微妙な感じではあるが、増えた高難度依頼を見て回る。

「・・・・何々、オーガの集落を潰すのと、小規模ダンジョンの破壊、盗賊団の壊滅・・・・グリフォン討伐? いきなり出たなぁ」

どれも難易度で言うと金以上のミスリル級。人間相手の盗賊団の壊滅か、小規模ダンジョン辺りが難易度的にはまだましなのだろうが、紙の劣化具合からみて数年は経っているのではないかと思われた。

当然、そうなればダンジョンも成長している筈だし、盗賊団も同じく。

難易度的にはどれもこれも跳ね上がっていそうなのが何とも馬鹿げている。

「酷いもんだなぁ」

「足の引っ張り合いというものなのかも知れません」

「奪ったところで解決できなければ意味ないだろうに」

無駄な足の取り合いもあったもんだと思ってしまうが、困っている人がいるのも確か。魔石収集の片手間に人を助けられるならそれも良いかと、こちらで担当する依頼をオモイカネに情報伝達、後にそれ以外をクロのカグツチへとデータ転送しておいた。

「それじゃあ、そっちは任せたよ」

「畏まりました。お気をつけて」

「了解」

軽く言葉を返すと、目的の場所へと歩み出す。


ギルドを出てから一時間程すぎた頃。

うっそうとした森の中に、ひっそりと口を開くダンジョンの入口が見えてきた。

遠方からでは詳細は分からなかったが、入口から漏れ出すのはワーウルフと呼ばれる二足歩行の狼人間。

知性もかなり高いようで冒険者達から奪ったであろう武器を持つ者もおり、警戒する様子はまるで門番のよう。

低級冒険者では駆逐されるだけなのは見るからに明らか。

周囲から立ち上る血と肉の匂いからは人固有のものが混じっており、人を常食としているのは疑いようも無い。

「・・・・ダンジョンは小型だろうけど、中はワーウルフで一杯だろうな」

ダンジョンが育つ為に餌を求めての行動だろうが、恐らくは近隣の村は壊滅状態。本来であれば国が動く事態に発展するのだろうが、これこそが知性を有する証拠。ゴブリンやオークなどであれば早々に退治されていたのだろうが、こいつらは深夜にでも村人ごと喰い散らかしているのか、街に緊迫した様子も無い。

「だからこそ、旨味もある・・・・か」

遠くで眺めている金魚の糞どももダンジョンの中に入れば見られることも無い。

ならば早々に行動あるのみかと、ダンジョンへと歩を進め、手を振りほほ笑む。

「・・・・・こんにちわ、素材の皆さん。そしてさようなら」

『オォオオオオオッ!!』

『ガゥッ!』

止まる事無く歩む俺に対して弱虫どもがスキル『遠吠え』を使い、制止せよと訴えるが、利くわけがない。それは弱者を止める為のスキルに過ぎない。

馬鹿な行動に終始する愚か者へ中指に魔力を集中させ、吠える。

「風よ!」

横薙ぎに魔力を集中させた右腕を払うと、横一文字に風の鎌が吠える犬どもの首を跳ね飛ばす。

『ギャッ!』

十匹程の雑魚共の首が舞うが、悲鳴を上げられたのは被害を免れた毛色の違う犬のみ。どうやらそこらの雑魚とは違うのか、体色によって強さが変わるらしく、風の鎌を受けても片手が飛んだ程度。怒りに燃える瞳で此方を見つめるが、俺にとっては等しく雑魚に過ぎない。

「炎よ、風よ、舞え!」

人差し指と中指に魔力を集中させ、怒りに身を震わせる馬鹿に向けて大気のマナへと命令を下す。

『ッガォ・・・・・・・・』

狼頭が吠えたのはそこまで。身の内側から焼かれる痛みにのた打ち回る。

生物である以上、酸素が無ければ死ぬだけ、数秒ほど意地汚く動き回った後、静かにそれは黒い灰へと変化していった。

「さてと、進むか」

背後に冒険者達の気配を感じるが、進むか退くかでどの程度かは分かるだろうと、捨て置いた。


ダンジョンに侵入して数分程。

さすがにそろそろ雑魚狩りも面倒になってきた。

「・・・・・強くはないんだけど、数が多いな」

索敵を使用すれば奇襲は防げるし、夜目で視界も良好。

敵の強さも風魔法で容易に殺せるのだが、相手も警戒しだしたのかタイミングを見計らって攻撃を仕掛けるようになり、鬱陶しい。

「ダンジョンじゃなければ火の魔法で酸欠にすれば一瞬なんだが」

生憎とここはダンジョン。不可思議な現象が起こる摩訶不思議な場所。

紅葉のダンジョンも同じく、酸素やら太陽の光やらあり得ない現象を発生させる事ができるせいか、一見して洞窟に見えても現実とは結びつかない。

「・・・・となると、呼ぶのが楽か」

面倒事は早めに処理するべきかと、気持ちを切り替えオモイカネへ命令を下す。

「オモイカネ、レギオン以下戦士級ゴブリン30体召喚」

『・・・・召喚サークル起動』

命令を下したは良いものの、何やら意味不明な幾何学模様を地面へと書き込まれていった。何なんだろこれ? 素直にそんな感想が思い浮かぶが、オモイカネは止まる事無く幾何学模様は増していき。

『レギオンへ命令伝達』

謎にレギオンへと命令を下し、模様は白熱化していく。

う~~~ん。今更ながらオモイカネも色々と危ない進化をしているものだと思ってしまうが、指摘したところで立場が悪くなるので口を閉じて静観しておく。

『周囲のマナを掌握・・・・・召喚陣へのリソースへ転化・・・・・成功』

不意に体の負荷が楽になったのを感じるが、きっと何かしたんだろうな~。

『・・・・・主の元へと至れ従僕』

オモイカネが命令を下すと、光を発していた召喚陣は光を失い、入れ替わるように数十体ものゴブリン達が目の前に現れた。

「・・・・何なりとご命令を主様」

何時もの違う空気を纏ったレギオン君の返答に俺も『オホン!』と喉を整え、命令を下す。

「立ちはだかる全てを駆逐せよ!」

「・・・・・はっ」

一度は言ってみたかった台詞をレギオン達へと投げ掛けるなり、彼等は軍隊の様に小隊に分かれると四方八方へと散っていく。

レギオン達の一糸乱れぬ見事な動きに関心してしまう・・・・が。

「・・・・・あれ? 何か忘れてる気がするけど・・・・まぁ、いいか」

面倒ごとは任せるに限る。雑魚処理は任せて奥へ奥へと進んでいった。


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