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自由気ままに生きてみる  作者: 紅龍
ギルドの利用方法?
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ギルドの利用方法

「そろそろ魔石の種類を増やしていきたいなぁ」

ダンジョン内に作った倉庫を見て、そんな言葉が漏れてしまった。

何とも虚しい独り言だが、研究が停滞しているのもこれが原因。

さすがにゴブリン、オーク、ミノタウロスにコカトリスの魔石だけでは不十分だったのか、新しい研究は遅々として進まず、暗礁に乗り上げていた。

「次の街からはそろそろ別の手を考えるしか無いか」

さてさてどうしたものかと考えながら、ダンジョン内を歩いていると、何時もの癖か中央の大通りへと向かっていたようで、目の前には忙しそうに働くゴブリン達の姿が。

「やあやあ、どんな感じ?」

軽く手を振り、声をかけると理性的な言葉が返って来る。

「おぉ、王様、野菜いっぱい取れましたよ。他の皆はチーズ作りに挑戦してます」

「おぉ、素晴らしいね。これで料理の種類も増えるってもんだ」

「美味しい増える喜びです」

笑みを浮かべて飛び回る様はまるで子供のようで、見る者が見れば警戒するだろうが、今の俺からしてみれば日常の一風景。

「ゴブリンの王になっておいてよかったなあ」

なんて事をしみじみと実感してしまう。

「まったくです。シロ様には驚かされるばかり、クラスは皆ひとつの筈なのですが、おかしな話です」

背後から向けられた声に振り向いてみるとそこには腰まで伸びた艶やかな黒髪の淫靡な美女の姿が。美に関するステータスがカンストしているせいか、動きの一つ一つが妖艶で息を飲むほど。

元から容姿の優れるエルフだったことも要因なのだろうが、新人類とでも言うべき存在になった今ではそれにプラス豊満な物体が凶悪な武器となって備わっており、歩く風紀違反とでも言う様な存在とかしている事をクロだけは自覚していなかった。

「・・・・・ま、まぁこれに関しては魂に刻むのとは違うから、色々と抜け道があるってことだね。きっかけに関してはあのぐうたら紅葉ってのが癪に障るけど」

直視すれば鼻から血でも出てしまいそうなので、視線の先をクロの顔からややそらしつつも、平静を装い会話を返しておく。

「確かにそれはそうですが、何やら視線が定まっていないご様子。やましい事があるのでは御座いませんか? ちゃんとわたくしを見てお応え下さい」

こちらの気もしらないで無茶を言う。

視線を顔から外したところで、男の性なのか視線は柔らかな物体に向かう事はごくごく当たり前の行為。弾むそれらを見て、幸せな気持ちになりつつも、このままでは尊厳が失われるので早々に別の話を振ってみる。

「いやいや、やましい事なんてなにもないよ。紅葉のダンジョンの主っていうクラスを解析したら含まれていたデータにあっただけだからね。まだまだゴブリン単体にしか効かないけどゴブリンの王は今のところ問題も無いしね。いや、問題どころかゴブリンの言葉が分かったり、彼等が強化されたりもするし、優遇され過ぎて弊害があるんじゃないかって思ってはいるけど、今は何も感じないし、良いかなって・・・・」

「・・・・・はぁ。それはその通りなのですが、そもそもそれは魔物の特殊クラスですから当たり前です。人であれば王や聖王などは存在しますが、ゴブリンの王にはなれないのですよ」

この世界の常識を知らない俺をそうやって諭してくれるが、便利なものを使わないでおくのは勿体ない。『鑑定』にしても二つ目のクラスは想定していないのか、見えるのは一つ目の錬金術師というクラスのみ。二つ目にゴブリンの王を付けておけば問題は無いので、便利な支配者シリーズを付けておくのは、RPG脳としては至極まっとうな結論だろう。

「それはそうだけど、紅葉も色々煩いから仕方ないし」

「・・・・そうでした」

話を何とかそらす事に成功した俺は、生贄であるダンジョンの主に向き直る。

「何食べてんの?」

「・・・・・・こ、これはチーズとやらが出来たと聞いたので、パンに挟んで焼いただけなのだなぁ」

リスっぽい魔獣のような小動物はそう言うと、手にしたパンをもちゃもちゃと頬張りつつ呑気な表情。

見た目だけならそこらに居る小動物だが、これでクロを超える程に強いのには納得できない。

「試作の筈なんだが・・・・今更、何でそれを食べているのか聞かないけど、美味いよな?」

「・・・・美味しいのだなぁ」

まだまだ作りたてだが、見た感じ味はそこそこ。

作り方を思金神からゴブリンの王というクラス経由で情報伝達したところ、ゴブリンが生産しだした試作品。

前世と比べればまだまだだが、ミノタウロスから乳牛へと変化させた魔獣の乳は濃厚で、出来上がるチーズも素材パワーでそこそこな完成度なのだろう。

俺としても食べてみたいところだが、どうやら紅葉のお気に入りになったようで、こちらの口に入るのはまだまだ先のようだ。

需要と供給のバランスが崩壊している現状を、どうにかするべく考えてはいたが、結局のところ必要なのは数。

解決の為にはミノタウロス牛とでも呼ぶべき種を増やすしかないのだが、やはりと言うか悩みどころは魔石の少なさ。

これを解消するには行動を起こすしかないので、紅葉も抱きこむかと言葉を投げ掛ける。

「なら、もっと食べたいだろ?」

「それは勿論、一杯食べたいのだなぁ!」

満面の笑みを見せる小動物に、言質はとったと内心ほくそ笑む。

「なら、近くの街へ行くぞ」

「・・・・街なのだなぁ?」

今更、街に何の用があるのかと首を傾げていたが、問題は無い。


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