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都市圏のファンタジア  作者: 恥目司
都市圏〜開闢〜
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幕間 竜のいる東京

東京は、転生者が多い。

同じようにモンスターも多い。


例えば、この東京のどこかには人知れず魔王がいて、東京のどこかでは人知れず異能バトルが始まっていて。


どこかの偉い神様がセブンでおにぎりを買って、伝説の勇者一行がサイゼで駄弁ったりして。


ただ、その密度が高いのが東京なだけである。



 ある書店にて。

「ドラゴン、ですか?」

「そうだ。それもただのドラゴンじゃない。原初——つまり全てのドラゴンの始祖の一匹だ」

「そんなヤツがなぜ東京に?まさか迷い込んだなんて、まさか——」

「その、まさかなんだよ」



 ある穴場のバー。

「近々、戦争が起きますわね」 

「ええ、姐様」

「燃え上がる竜の姿がありますわ。これは……原初の?」

「赤き竜を求めて、幾許いくばくの命が天に昇るのでしょう」

「転生者達の運命《行く末》は…どうなるのでしょうか…」



「ストラトス。ストラトス。ストラトス」

 巨大な錨がその身を揺らしながら叫ぶ。

 錨が叫ぶ事などは無いのだが、この錨は違った。

 しかし、男も特に驚く様子もなく、低い声で答える。

「三度も唱えるべきではない。その口を閉じろ」

「原初の竜が、竜が。竜が!」

 “原初の竜”というワードに食いつく大男。

「原初の竜——厄災の事か?」

「覚める、醒める。終わる!!」

 錨だから表情は分からないものの、その声は焦りが大きく現れている。

 しかし、男はただ冷静にサングラスをかけ直す。

「いやいい、アンカー。俺らは見守るだけでいいんだ」

「見る、視る。観る?」

「そうだ、俺たちは…ただ、終末《《転生者達の終わり》》を見たいだけなんだ」

「ストラトス、ストラトス。ストラトス!!」

 喜びの色に染まる声。

「だから、その名を言うんじゃない……ただな」

「ただ?」

「街は破壊されたくないから、出向くかもしれん。その為の用意はするぞ」



東京には、転生者が多い。

東京には、モンスターもいて、神もいる。

そして、人知れずひっそりと、転生者の終わりを眺める者もいる。


どこにもそんなヤツらはいる。

ただその密度が高いだけで。




原初の竜の力を求める者、転生者の終わりを観測する者はそれなりにいる。

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