夜戦に備えて食糧調達~
夜戦の前におやつを調達したりするのってドキドキしたなぁ
「お邪魔ん坊~」
「へ~い蟹」
ゴリが休日に俺の家に遊びにきた。気の抜けた挨拶と気の抜けた返事が俺たちらしい。前の飲みで約束した泊りにいくるということを有言実行しに来た。にしてもあの日から3日しか経ってないので、滅茶苦茶早い。ゴリから荷物を受け取り、それをテキトーなところに置いておく。そして、ゴリは勝手知ったる我が家のように俺の家のソファーに座り込んだ。
「はぁ~今日は疲れた~」
「お疲れさん。そんなんで夜通し狩りに行けんのか?」
「とりあえず、夜勤が終わってから7時間くらいは寝たから、最後まで持つと思うよ~」
「なら、大丈夫か」
大変だな、社会人。特にゴリの仕事、警察なんて言うのは24時間お勤めになるのだ。体力がお化けじゃないと身体が持たんだろうなぁ。事件があれば駆り出され、なくても退屈な待機を命じられる。国の治安を守っているんだからもっと給料を上げてやってほしいよ。
そんなことを考えているとゴリがおもむろに、
「にしてもここが伊織の家なんだねぇ~」
「そうだけど、どうかしたか?」
「いやぁ~伊織の匂いが充満していてね。実家の方の伊織の部屋と変わらないなぁってさ」
「それはいい匂いなのか、悪い匂いなのか?」
「ん~なんかイカくさ「ファブリ―●カモン!」
ゴリが来ると聞いてから滅茶苦茶掃除したのに、まだ臭うのか!?あるあるだと思うんだけど、マジで自分の臭いとか寝癖とか、後は声とかさ、自分じゃ気が付けないことが多すぎると思う。他人のことだとすぐに気が付けるのになぁ・・・塾の先生をやっているとつくづく良く思う。結局他人よりも自分のことについて理解するのが一番難しいんだろうなぁ。
「それじゃぁどうしようか。すぐにでも始める?」
ゴリがそう言って提案してくるが、俺は大げさにため息をついて、
「ハア~ゴリさん、あなた戦場で一番重要なことを忘れてませんかぁ?」
「ぶん殴んぞ☆」
「はい、ごめんなさい許してください」
俺はゴリを煽ったが、笑顔で恐ろしいことを言われたので、すぐさま謝罪のポーズをとる。謝罪選手権やったら俺は同期の中でトップクラスな気がする。最近謝ってばかりだしな。しかも女に。
「それで、何が足りないって?」
ハアとため息をついてゴリは言ってくる。俺は待ってましたと言わんばかりに、
「夜戦と言ったら、ジャンクフードと酒だろ!」
「あっ」
ゴリもようやく気が付いた。昔は酒は飲めなかったが、俺たちは今20歳を超えている。だから、夜戦にお酒を飲むことができるのだ!
「ああ!こんな大事なことを忘れれるなんて・・・完全に不覚!!!ごめん、伊織!殴るなんて言って!!」
「いいんだよ!わかってくれればよ」
悔しがるゴリに優しく声をかける。なるべく教会の神父さんのように優しくな。すべての罪は俺が許す!なんちゃって(てへぺろ)
「お詫びになんでもする!!」
「なんでもかぁ~」
『なんでもする』はエロゲ業界では頻出熟語だ。よく覚えておくように。だから俺はノリを合わせようと思ったのだが、
「ああ~伊織にエッチなことをされちゃう~♡」
「ごめんゴリ、それは解釈違い」
「なんでよ!ゴリが好きそうなお姉さんたちが凌辱される動画を見てきたのに!」
「その努力は涙ぐましいんだが、『なんでもする』っていったら俺から『ん?なんでもするって言ったか?』っていう一言を引き出さなければならないんだよ。だから、エロいことを期待しちゃって、そういうことを言っちゃった時点でもう終わー」
「ああ~はいはい、キモイキモイ」
「ゴリから振って来た話だよな!?」
ゴリは俺の説明を柳に風と受け流して、スマホをいじり始めてしまった。理不尽だなぁ。せっかく礼儀作法を教えてやろうと思ったのによぉ。
「それより、もう夜戦の準備をしようよ~」
「おけぃ。それならイオ●に行こうぜ。一番近いスーパーだしな」
「り~」
俺とゴリは外出する準備をする。といっても財布とエコバックくらいだけどな。マジでスーパーのレジ袋の有料化いらねぇ。無駄なことをしやがって。
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「鍵は持った?」
「持った持った」
「よっしゃぁ~なら行こう~」
ゴリが元気よさげに号令をするが、俺はそんなことより気になることがあった。
「お~、てかゴリ・・・お前その格好で行くん?」
「ん?そうだよぉ、伊織から奪、ゲフンゲフン、もらったTシャツ着やすいんだよねぇ~」
「前半に奪ったって言ってるよね?それと、俺は貧にゅー」
「それ以上言ったら、潰すぞ?」
「は・・・はい」
俺が貧乳Tシャツと言おうと思ったが、発しようとした瞬間に、ゴールデンボールのすぐそこに寸止めされたゴリの足があった。一瞬でドバっと冷や汗が出てきた。
今日のゴリの恰好は、ブランドの・・・なんて言ったけなぁ~とにかく前にカラオケに行った日に奪われた俺のTシャツ、そして、ダメージジーンズを履いている。何度でも言うが自分の所持品を身に付けられたときの萌えと言うべきものは経験しないと分からないんだろうな。
「それで燃やしたんだろうなぁ?」
ドスが利いた声で言ってくる。
「いや、捨ててー「捨てろ、いや、燃やせ」ひゃい!」
本日2回目の寸止め。正直漏れそう。なんでこんなところで珍寒を味わわねければならないんだよぉ~
そうこうしている間に目的地であるイオ●に着いた。
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俺はゴリを待たせて、買い物かごを取りに行った。いらないかと思ったが、
『余っても、また伊織の家に言ったとき用だと思えば買いすぎて損はないと思うよ』
とのことだった。てか、ゴリさん、また家に来る気満々なんですね・・・入口のところで待っているゴリに声をかけて、店内に入る。
「さて、まずは何から買いますかぁ?お兄さぁん?」
「それじゃあ酒から行きましょうかぁ」
「いえーい!ドンドンパフパフ~!」
「パフパフ~!」
「お・さ・け!お・さ・け!」
テンションマックスでお酒コーナーに行く。俺はゴリに相槌を打つだけだった。俺もゴリもまだ酔ってないのに滅茶苦茶楽しくなってしまっていた。
「さ~てお酒コーナーに着きましたぁ~まずは何から行こうかなぁ」
「まずはビールだろぉ~俺たちの選抜投手だぜぇ?」
「いいねぇ~流石わかってるぅ~それなら私はこれかなぁ」
「おお~!燻製さきいかかぁ~!ゴリさんも流石のチョイスですなぁ」
「いえいえ、あっ、『とろ酔い』がある!全種類入れちゃおっと♡」
「いいぞ~ガンガンやれぇ!」
全く阿呆なことで盛り上がっているもんだな。これじゃあ大学生どころか小学生だって言っても怪しいくらいだよ・・・ま、そんな馬鹿なことが嫌いじゃないんだから救いがないんだよなぁ。
俺はクスリと笑った。
「ん?どうかした伊織?」
「いや、何でもないぞ」
ゴリは満面の笑みで俺の方を見てきたが、俺はなんでもないよと誤魔化した。そして、
「それより酒はこれくらいにして、食い物を調達しに行こうぜ」
「おっとぉ、完全にうっかりしていたぜぇ!イカだけじゃ足りんもんね。流石、伊織ぃ部屋をイカ臭くしているだけあるねぇ~」
「それほどでもぉ~///じゃねぇんだわぁ。なぜ最後に余計な一言を付けるのゴリさん?」
ゴリは俺の脇腹をウリウリしながら余計な一言をこぼした。周囲の視線が俺に刺さる。たまたまお酒コーナーに子連れで来ていた親子はお子さんに『イカ臭いって何?』と聞かれている。頑張れお母さん!ファイトだぞ!そして、元凶のゴリは俺の言葉を無視して、おやつコーナーに向かいやがった。
「♪~」
ゴリは鼻歌まじりで歩く歩く。俺は買い物かごに、『とろ酔い』をすべていれてからゴリを追った。
「待てやぁ~ゴリぃ!!」
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「やっぱり『ジャガイモチップス』は外せないなぁ~、それと、チョコレートもでしょぉ、それからー」
「ようやく追いついたぞ、おてんば娘」
「あっ、パパ!」
「俺に娘はいないんよ」
おかしコーナーに着くと、ゴリは手に持てるだけおやつを持っていた。俺も選ぼうと思ったのだが、ほとんどゴリが俺のほしいものを集めていた
「流石だなゴリ。俺が買おうとしたもの全部揃えちまうなんて」
「えへへぇ、でしょぉ?あっ、カルパスもつまみで必須だよね伊織!ね!?」
「だな」
可愛いなおい!今日のゴリはテンションがいつも以上に高い。子供に逆行している感じだ。再会した当初の美人だという印象は変わらないが、会うたびに幼くっているゴリを見て安心感みたいなものがある。なんというか、本当に昔に戻った気分になるのだ。
「とりあえず、こんなもんかね~」
「いいんじゃない?私もこれ以上は食べられなさそう」
俺たちは買い物かご一杯に詰めたお酒とおやつとつまみを入れて俺たちはレジに行く、が、
「ゴリ、レジ頼んでもいいか?お金は後で払うから」
「いいけど、どしたん?」
ゴリは俺に対して至極当然の疑問を投げかけてくる。でも俺にとってはここ最近、毎日トラブっている場所だった。
「最近、俺の周りの店員がクレイジーピーポーばっかりでわりとトラウマになってる」
「ああ・・・それなら納得・・・行ってくるよ」
「悪いな」
「あいあい」
俺はゴリにレジを任せて、向こう側で待機していた。ゴリがレジを通して持ってきてくれたので、エコバックにいれていく作業は俺がやった。量があるだけあって、思った以上に重かった。下手したら、エコバックの底が抜けるのではとも思った。
そんな俺の様子を見て、
「半分にした方がよくない?店員さんにレジ袋をもらってこようか?」
「いやいい。下の部分を支えて持てばそんなに重くはないしな」
嘘。結構重い。だが、なんとなく俺のプライドがゴリに持たせることを拒否した。ゴリはそんな俺の心情を見透かして、口元を3の字にして、
「格好つけちゃって」
「・・・んなわけ」
「いやいやいいと思うよぉ~そういうのは女の子からポイントが高いと思うよ(-ω-)」
「うるさいなぁ~」
俺はゴリに内心をバッチリ当てられたので、目線を逸らす。そんな俺の様子を見てゴリはとても楽しそうだ。こんなことなら、ゴリに持ってもらった方が良かったか・・・?両手がふさがって、かつ、もう店の外にまで出てしまったから、後悔先に立たずってやつだけどな。
「それじゃあ帰ろうか」
「だな」
「社会人になってから、友達と夜通しゲームなんてやってなかったから物凄く楽しみだなぁ!オラわくわくすっぞ!」
「どこぞのサイ●人みたいなこと言うなっての(笑)」
「えへへぇ」
ゴリは遠足前の小学生だ。俺も最近、夜通しゲームはやったことが・・・あるな。普通に。
「とりあえず古龍を100は狩りたい」
「そんなに行けるかな。昔ほどPSないぞ?」
「大丈夫だって!すぐに勘なんて取り戻せるからさ!」
「能天気だなぁ(笑)」
「うるさい(笑)」
そのまま談笑していたら、家が目の前に迫っていた。アパートの自分の部屋に上がるときに、空を見上げると、今夜の月はとても綺麗だった。
『重要なお願い』
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