不覚!!
いつも読んでくださってありがとうございます!
今回はゴリと翔子と宅飲みです。
俺は先日で完全に和葉さんへの未練を断ち切ることができた・・・わけがではないが、少なくとも後悔はなかった。やれることはすべてやったし、やったことに後悔はない。ただし、復活するのに2日かかったけどな。その間は実家で屍のようになっていた。俺が勉強とエロゲをやることができないくらいと言ったらいいだろうか・・・ライフワークをすらできなくなっていたが、ようやく動けるようになっていた。
バイトもあるので、俺は実家から今のアパートに戻った。
清々しさなどあるわけではないが、俺はようやく前を向けるようになったのだ。まあ人生なんとかなるだろと考えられるくらいには回復していた。それにしても、
「暑い・・・」
時期は8月に入った。エアコンを使いすぎると電気代が持ったいない・・・今年は電気の供給量が足りないとかで死ぬほど電気代が高い・・・だから、俺はなるべく使わないようにしていたのだが、ゆでガエルのようになっていたので、そろそろ拘泥していたら死ぬのでは?という疑問が浮かんできた。
「ん?」
俺のスマホが鳴った。差出人を見ると、ゴリだった。
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『ヤッホー』
『どしたん?』
『今さ、翔子ちゃんと伊織の家の近くで遊んでるんだけど、これから寄ってもいい?』
『いいけど、何もないぞ?』
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てかいつの間に遊びに行くほど仲が良くなったんだよ・・・なぜか疎外感を感じた。
すると、ゴリ、俺、翔子のグループに招待された。俺はグループに入ると、
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『かまってあげられなくごめんなさい、せ~んせい♡ by 先生の愛しの翔子』
『かまってあげなくてごめんねぇ~寂しがり屋の伊織く~ん by 莉奈』
『俺の心を読まないで。ってかベ、別に寂しくなんかないんだからね!!』
『『キモイ』』
『LIN●でハモるな』
『まあまあ先生~お土産は買っていくので楽しみにしててください』
『お土産?ああ酒か』
『さっすが伊織ぃ~分かってるねぇ。今日は伊織の家で宅飲みじゃ(≧▽≦)』
『イエーイ(*^▽^*)』
『テンション高いね。君ら』
『そんなわけだから、16時くらいに伊織の家に行くわ』
『オーケイ』
『イカ臭さは消しておいてくださいね♡』
『ベべべ別に、イカ臭くねえええし』
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俺はLIN●を閉じて、現状の部屋を見回す。コンビニで買ってきた飯のトレイや洗っていない食器、脱ぎ散らかされた服、そして、さっきの警告。これは本腰入れて、掃除しないと不味そうだ。俺は掃除機を片手に、部屋を片付け始めた。
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ピンポーン
「あいよぉ~」
時間は16時ピッタリ。そろそろ夕方だが、まだまだ働きまっせと自己主張してくる太陽は沈む気配が全く見られなかった。俺は2人が来る前になんとか部屋の掃除を終わらせて、クーラーの効かせた。
「私だよ~」
「こんにちはぁ」
「お疲れさん~」
ゴリがインタホーン越しに言ってきた。翔子も隣で大荷物を持っていた。俺はドアを開けて翔子たちから荷物を預かる。ってか酒がいっぱいだ・・・うちの冷蔵庫そんなに大きくないんだがな・・・
つまみも含めて、今日はこいつらは帰る気がないってことがよく分かった。
「はあ~あちぃ~もう無理。太陽死ね!」
「本当ですぅ。はぁ生き返る~」
二人は俺の部屋のソファーに勝手に座ってだらけていた。汗で服が体に張り付いてしまっていて、中々扇情的な雰囲気を醸し出していたが、ゴリの殺害予告ですべて台無しだった。
「太陽だって生きてるんだぞ?」
「真夏の太陽は働きすぎですぅ~、余計なことしかしてこない伊織先生みたいですぅ」
「そこで俺をdisるなや」
「熱中症というパンデミックを引き起こしている時点で有罪なんだよ。逮捕令状でないかなぁ」
「太陽に対して、逮捕とか使う人間初めて聞いたわ」
それだけ外は暑かったのだろう。とりあえず二人とも急激に冷えた部屋に入ったら風邪を引くからとタオルを渡す。
「ありがとぉ」
「気が利きますねぇ~40点あげます」
「残りの60点は?」
「私の頭をわしゃわしゃと拭いてくれれば満点でした」
「俺にそんな甲斐性を求められても困るぞ」
「そうだよ、翔子。だからエロゲをやってるんだから」
「ああ~納得。一人でしこしこするしかやることがない悲しい人種ですもんね・・・すいませんでした」
「悪意がたっぷりな謝罪をありがとう、後、ゴリ、エロゲは関係ない」
俺たちはいつものノリで話す。俺は床に座布団をしいて座った。俺が家主のはずなんだが、二人の女王様に俺の定位置は奪われてしまったしな。
「それじゃあかんぱ~い!!」
「「かんぱ~い」」
ゴリの音頭に合わせてグイっと行く。俺とゴリはビール、翔子は『とろ酔い』のカシスオレンジを飲む。
「「かあ~~~~この一杯のために生きてる!!」」
俺とゴリは声が揃った。そのままなぜか目が合ってもう一度乾杯した。
「よっ!日本一!」
翔子が合いの手を入れてくれる。こいつもカシスオレンジをぐびぐびと飲んでいる。よほど気に入っちゃったんだろうな。そんな様子を見てゴリが、
「あっ」
「ん?どしたん?」
ゴリが思いついたように声を上げた。なんだなんだと思ってみていると、カシスオレンジを美味しそうに飲んでいる翔子を見た。
「んみゅ?」
「「かわええな」」
翔子はカシスオレンジを飲みながら俺たちの方を見る。その姿に俺とゴリは心からの一言を発した。
「翔子ちゃんさんぁ~君いくつぅ?」
「!!!!」
ゴリからの追及が始まった。そういえば、逆誕以来、普通に一緒に飲んでたけどこいつ未成年だったような・・・翔子は不味いと思ったのか、顔を逸らして、
「逆誕は迎えたので」
「それが通じるのは俺だけだぞ?」
「伊織先生ぇ~」
「こればっかりはなぁ」
「そんなぁ~・・・」
「・・・」
さっきからゴリが黙っている。しかも腕を組みながら、目を瞑っている。翔子の処罰を考えているのだろうか。本職が警察官だしな・・・今回は許してもらえるように頼んでやるか・・・
「おい、ゴリー」
バン!!
「「ヒぃ」」
俺と翔子は突然机をたたいたゴリに二人して怯えた。よく見ると、その手には警察手帳が収まっていた。俺と翔子は何が起きるんだとビクビクしながら、ゴリの行動に注意した。そして、警察手帳を裏返しにして、
「私は何も見ていないし聞いていない。そして、これから伊織の家で飲む分には警察官としての私は休業するって決めちゃった☆」
さっきまでの真剣な雰囲気と違っておちゃらけた雰囲気でゴリはそういった。つまりは見て見ぬふりをするってことだろう。
「相変わらずカッコつけるなぁゴリは」
「うるさい、伊織の中2の頃に比べたらましでしょ?」
「封印しているんだから、目覚めさせないでださいお願いします」
「莉奈さぁ~ん愛してますぅ」
「こらこら(笑)抱き着くなっての」
翔子は隣に座っているゴリに抱き着いた。2人で百合百合していると、姉と妹みたいだ。眼福がんbぷく。そのまま俺たちは酒とつまみで大いに盛り上がった。
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「それにしても莉奈さんってスタイルいいですよねぇ」
「それほど「え?どこが」おいコラ」
宴も楽しくなってきたころに、翔子はゴリに対して、スタイルが良いと言った。俺は全く意味が分からなかったので、ゴリのセリフに全力で介入することにした。
「わかってないですねぇ、巨乳好きの童貞先生はぁ」
ちっちっちっと指で俺を挑発してくる。普通にイラっと☆したが、俺は観音様の心で続きを促した。
「いいですか?女性にとって大事なのは胸の大きさではありません。バランスなんです!」
「よく聞く話だな」
俺は既に話の興味を失っていた。バランスよりも俺は一点が突き抜けている方が圧倒的に好きだからだ。バランスなんて言うのは平々凡々な雑魚が言う言葉だ。全く、翔子の口からそんな言葉が出てくるなんてな。やれやれ('ω')
「そのムカつく顔をぶん殴りたい(#^.^#)」
ゴリが拳を握って俺を威嚇した。持たざる者を馬鹿にした罪だから甘んじて受け入れようと思う。自分の運命を達観していると、
「莉奈さんはとにかく手足が長くて無駄な脂肪が一切ないんですよ。顔も小顔で美人だし、服だってどんな服を着ても似合える最高のモデル体型です。私からすると物凄く羨ましいです!」
「翔子ちゃん大好き!!!」
ゴリが感動して、翔子に抱き着く。まぁた百合百合してらぁ。俺はビールに口を付けてそのまますべて飲み干した。いい眺めだ。ここに桃源郷があったのかと思ってしまう光景ではあった。しかし、ゴリが困ったような顔をして、
「まぁでも、どんな服でも似合うっていうのは流石に言い過ぎだと思うよ。翔子ちゃんみたいな可愛い服は流石に着れないなぁ」
「確かに、ゴリはカッコいい系以外に似合う感じがしないな」
「でしょ?」
俺とゴリは各々の意見を述べる。この辺りは俺とゴリの共通見解のようだ。
「そうですかねぇ・・・あっ、なら!こんなのどうですか?」
翔子が喜色満面な笑みで良いアイデアを思い付いたという顔をしていた。
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「伊織先生~?準備はいいですかぁ?」
「ええよぉ」
「じゃーん!!!」
風呂場の扉から翔子がモデルのようなポーズをとって登場した。
野球帽と半そでの黒いシャツとグレーのラフなズボンを履いていた。翔子が着ない動きやすさやカッコよさを重視した服装。つまりは、ゴリの服を着ていた
翔子はゴリにかわいい系の服が似合うと証明するために、自分の服を貸すと言い出したのだ。ならそのついでに自分も普段着ないようなカッコいい服を着てみたいとのことで、急遽ファッションショーが行われた。審査員は俺のみ。
「どうですかぁ?カッコいいでしょぉ?」
翔子がくるくると回ってゴリの服装を見せびらかしてくる。上背はゴリとの差が若干あるため、少し袖の部分が長くなって7分袖でぶかぶかになっていた。ズボンもダボっとしているため、足の袖が床について、靴下が少しだけ出ている。正直、
「カッコ良くはないな」
「え?」
翔子は俺の感想にめちゃくちゃショックを受けていた。ショボーンとしていて庇護欲をそそられるその姿はカッコよさなど微塵も感じられなかった。
「そうですか・・・じゃあ、莉奈さんに返しまs「でも死ぬほど可愛すぎる」え?」
「あ」
俺は言葉を被せて言った。てか、普通に身体の意思に反して、勝手に口が動いた。翔子と俺が固まる。言ってしまったものは仕方がないかぁ。照れ臭いがここは勢いだ!
「まず、上下のサイズが合っていなくて着られている感が物凄く背伸びしている子供みたいで可愛い・・・後は、その、翔子はどんな服を着ても可愛くなるな///お前はやっぱり世界一だよ///」
ポカーンとしていた翔子は俺の言葉を聞いて浴室に戻ろうと後ろを向く。俺の内心は臭っさいセリフを言っちまったなぁ。もっといいほめ言葉はなかったんかなぁという後悔で埋め尽くされた。
「20点・・・」
「え?」
「今のはズルいです。落としてあげるなんて・・・童貞彼女なしの先生のクセに生意気です」
マジかぁ自己最低得点を取っちまったかぁ・・・てか難易度高すぎんのよ。このテスト。
「ただ」
「ん」
帽子で目を隠しながらこっちを向いて、
「ただおまけのおまけで+39点差し上げます。その嬉しかったので///」
翔帽子で目の部分を隠していたが、隠れていない部分が真っ赤になっていた。
「マジかよ・・・赤点回避の1点はなんなんだ?」
「そこは自分で考えてください♡」
翔子は帽子を取り上げて、いつもの挑発的な笑顔でそう言った。
「へいへい、精進しま~す」
「頑張ってくださいねぇ~」
俺はいつの日か満点を取れるようになれるのかね。まあ気長に考えよう。それより、
「じゃあ次はゴリか」
「そうですねぇ、ほらほら莉奈さん!早く先生に見せましょうよぉ」
「ちょっと///やっぱりやめようよ」
「何言ってんですかぁ!先生を悩殺しようって意気込んでいたじゃないですかぁ」
「で、でもぉ///」
何やらゴリはごねているらしい。正直ゴリが翔子の恰好をしたところであまり期待などしていない。あいつは根っからの勝気な態度だからなぁ。いつも通りからかって遊んでやるかな。
「ほれほれ、ゴリさぁん、何を恥ずかしがっているのかねぇ」
俺は挑発した。そうすればいつも通り殴りかかりに出てくるだろう。
「けどぉ///」
これで出てこないとは・・・いつも通りなら、扉を蹴破ってでも出てきそうなものだが躊躇っているような。翔子はゴリのそんな煮え切らない態度にイライラしたのか、
「ああ!!もう行きますよ!3・2・1ハイドーン!」
「キャっちょっと待って!!」
「え?」
ゴリが風呂場から出てきた。いつも通りからかってやろうと思ったのだが、言葉を失った。
「み、見るなぁ////」
フリルのブラウスに、デニムのハーフパンツ。黒髪ロングを薄めのピンクのシュシュでまとめていた。そこに相まって普段着ない服に戸惑ってもじもじしているゴリを見て、
「めっちゃ似合ってるな、莉奈」
「え?」
「ん?」
「今、莉奈って///」
「あっその///」
俺は緊張しすぎてゴリのことを名前で呼んでしまった。久しく名前を呼んでいなかったので、妙なむずがゆさがあった。
「ええ~と、どう///?」
俺の一言で自信が付いたのか、ポーズをとって俺に感想を求めてくる。クッソぉ不覚だ。ゴリに対してこんな感情を抱くなんて!だけど、早く早くと感想を急かしてくるその瞳を見て、真面目に答えることにした。
「すっげぇ可愛い。御見それしたわ。絶対に似合わないと思ったのに///」
「そ、そう///」
俺はゴリとなるべく目を合わせないまま感想を言った。今目が合うと変な気分にさせられる。俺たち幼馴染の間に妙な沈黙が支配するが、
「でしょぉ?先生、バランスが大事っていうこととが分かりましたぁ?」
「ああ・・・悔しいが完全に負けたわ・・・ゴリがここまで破壊力を持つとは思わなかった」
「もうやめろっての///ああ~もう!///翔子!早く服を返して!」
「莉奈さん!そんなに引っ張らないでくださぁい!」
不思議と仕草まで可愛くなっていやがる。それにしても可愛い女の子と美人のファッションショーの審査員をやるとか人生何があるか分からんな・・・
俺は空になっているとわかっていてもビール缶に口を付けずにはいられなかった。
「あっ、そうだ!伊織先生~」
「ん?」
「今度は伊織先生のファッションショーをやりましょぉ!」
「は?」
俺は意味が分からなかった。誰得だよそれ。
「あっ、それいいねぇ!私たちだけじゃ不公平だし、伊織もやりなよ!」
「んな馬鹿な」
「拒否するなら姉貴に『義姉のススメ』をバラす」
「やらせていただきます!!」
ちくしょう!この流れは久々だぁ!
俺は何が面白くて、自分の部屋でファッションショーをやらなきゃいけないのか・・・
まだまだ夜は長そうだ。
ちなみに一着目に花見将に選んでもらったコーデを着たら、ゴリと翔子は感情と言葉をなくした。その後、あまりにもファッションセンスが酷すぎるとのことで、俺は朝までファッションセンスを磨く勉強をさせられた。
『重要なお願い』
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