属七の猫【詩】
セメントに残された
猫のあしあとを踏んで
こちょこちょと走ってく帰りみち
ドレミの音階
駆けあがり
ツンとくる鼻の痛みをこらえた
カレンダーに印はない
そう、何でもない日なんだ
ぼくにとってどんなに劇的ないちにちでも
世間さまには何でもない日なんだ
属七の和音、
ぼくを家まで連れてってくれるかい
はやく帰りたい
帰ろう、すぐに
かためられた足跡が動かなくても
マイナーコードのまんまでも
耳の奥の音楽は鳴りやまない
この音楽に折り合いをつけて
家についたら
さあ、布団をかぶって寝てしまおう




