暖冬への不信
背中に陽が当たって
すっと肌寒さを覚える
その場限りのことを
分かち合いたかった
言ってしまえばそれだけのこと
それを忘れることはない
思い出したように暑くなったが
もう夏の名残はどこにもないと信じる
これはただ秋の気まぐれ
鼻が垂れてパーカーを羽織ったのだから
夏は過ぎたのだ
終わりにしていいと思える
焦りはない
もう二度と訪れないように
君のために時計を止めた
風船葛を見に行こう
来る終わりを近づけても
終わる今と君を結びつける
朝顔は気付けば枯れていた
良く眠れた朝のように
目を開ける間も無く
微笑みが先に来て愛を知る
そんな一日であるようにと
魂は宙に浮かぶ
君に出会った日
初めて窓から注ぎ込み
カーテンを揺らした風
涙を掬ってくれた
あの夏の日の風に乗せて