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魔力が半端ないようだ

「挨拶が遅れたな。私は魔法使いのシリルだ。よろしく」


「よろしく。ユウだ。」


「俺はエルトン・ショーン・フィリップソン!! 弓使いだぜ。エルって呼んでくれよな」


 長いな。

 こいつだけフルネームか?


「あ、あぁ。よろしく。……結構長い名前だな」


「こいつはフィリップソン家の三男坊だからな」


「これでも実家は貴族なんだぜ!!」


 エルはウインクしてみせる。

 チャラい。


「そうなのか……」


 それにしても、この世界は貴族がいるのか。

 貴族ってもっと厳格なイメージだったけど違うようだ。

 それとも遊びすぎてこうなってしまったのだろうか。


「ねー!! それにしてもドラゴン全然切り分けれてないよ?!」


 たしかに、レイラの言う通り後ろのドラゴンはほぼそのままの状態だ。


「たしかに。なにか問題でもあったのか?」


「おう、それなんだが、どうにもこのドラゴンの鱗が硬くてな。斧もびくともしねーんだよ」


「私の魔法で切れないこともないが、魔力が先に突きそうだ」


「そんな感じで話し合ってたんだよな!!」


 シリルの魔法でもだめなのか。

 そういえばゲームでは回復ポーションとかがあるがこの世界にはないのだろうか?


「なぁ、魔力が回復する薬みたいなのはないのか?」


「ポーションのことか?」


 お、あるじゃないか。


「あぁ、そのポーションじゃだめなのか?」


「あれはだめだろ。全部解体するまでに何十本も飲まないといけない。君、そんなに飲めるのかい?」


 それは、腹のほうが限界になるな。

 それになんだか体にも悪そうだ。


「いや、無理だな」


「だけど、頼りは君しかいないんだ」


「……どういうことだ?」


「おいおい、君はドラゴンの頭を貫通させるほどの魔法が使えるじゃないか」


「いや待て。あれはたまたまだし、ポーションも何十本も飲めないじゃないか」


「多分だが、君の魔力の回復スピードは人の倍ありそうだ」


「ん? 魔力って自動で回復するのか?」


「あたりまえだろ。みんなどうやって回復するんだ。……ってもしかしてそれも忘れたのか?」


 色々不審がられてるな。

 案外、しばらくは記憶喪失のふりをしていたほうがいいのかもしれない。


「そ、そうなんだ。……すまない」


 あまり不自然にならないようにしないといけないな。


「よくそんな状態でこの森に居れたな!! ユウ、スゲーな!!」


 エルは騙せてそうだ。


「そうなんだよ!! ユウはすごいんだよ!!」


 だからレイラが……。

 まぁ、いいか。


「さっきの魔法も君の体が覚えてたってことか……」


 シリルはぶつぶつと言いながら考えこんでいる。


「じゃぁ、君の魔力量を計らせてくれないか? 手を貸してくれ」


「あぁ、わかった」


 シリルと再度握手をする。

 そうすると、手と手の間が光りだす。


「……!! 嘘だろ……」


 シリルは少々強引に手を離して、後ずさる。


「おい、どうした!!」


 変な緊張感がはしったせいで、カイルはシリルと俺の間に入り、今にも剣に抜こうとしている。


「いや、すまない。リーダー。あまりにもびっくりしたもので……」


「……そうか。すまなかったな。兄ちゃん」


 カイルは抜きかけの剣を戻し、ばつが悪そうに頭を掻いている。


「いや、いいんだ……。それで俺の魔力量はどうだったんだ? なにか問題でもあったのか?」


「……問題というか、君は人間なのか?」


 結構失礼だな。


「ちゃんとした人間だ」


「……魔力の回復スピードは人の3倍……いや、4倍はある」


「4倍だと!? 魔法師団長でも2倍程度じゃなかったか?」


 カイルも相当驚いている。


「あぁ、……まぁそこはいい。さらに問題は魔力の上限だ」


「おいおい、それも4倍とかいうんじゃないだろうな……」


「4倍ならいいさ。……今の私の力では上限が見えなかった」


「……!!」


 その場が凍り付くのがわかった。

 ただ、相変わらずレイラだけはふふんと勝ち誇った顔をしていた。


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