表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/27

生活保護者は幸せな老後の夢を見るか4

これはフィクションです。

「あのね、11地区はね、要するにね、駅の南なのよ! ぷしゅう」


なぜか声の高いオークが説明する。

なぜそんなに声が高い。

もしかしてオークハイとかに進化して、声もハイになったのだろうか。

くそ、自分で考えたのに、とてもくだらん考えで、すこしイライラする。

いや違う、このイライラはこのイライラではなく、狭い軽バンに、オークと2人で乗っていることからくるイライラだ。

きっとそうだ。

そういうことにしよう。


「それにしても、車、ボロいですねぇ・・・今時、ミッションですか?」


どうもオーク相手には、口調が軽くなる。

つまりオークという人物を軽く見てる他ならない。

ふっふっふ。

・・・人ではないか。


「ぷしゅう。入札だからね。オートマにすると高くなるからね」

「・・・管財課がオートマにさせてくれないということですか?」

「そうみたいよ。ぷしゅう」

「・・・さすが、公務員・・・しかし、買い替えの時期じゃないっすか?」


明らかにボロボロの軽自動車のバン。

ギアチェンジのときに、がりがり聞こえるのが気になる。

クラッチ盤大丈夫か?


「いろんな人がのるからね。クラッチがすぐにいかれるのよ! ミッション大丈夫?」

「あ、はい、大丈夫っす」

「よかった。トグサ、オートマしか乗れないから、困っててね」

「・・・えぇ」


何がどう困っているのかさっぱりわからなないが、とりあえず民間の営業経験者としては、相槌を打っておくことにする。

車は市役所から、駅へ向かい、駅を通り過ぎて、そのまま南下。

いわゆる港湾地区と私が認識しているゾーンへ向かう。

実は通勤路だ。

私の住んでいる地区は、駅を更に南にいった地区だ。

駅の南に港湾機能や工場が立地する場所があり、すなわち、海に近いのだが、その部分を抜けて更に南に住んでいる。

車は私の通勤路を走る。

このまま家に帰ってもよいぞ。

などとくだらないことを思う。

車は駅を抜け、港湾地区へ。

そして、白い巨大なビルの前に路駐する。

道路も広く、駐車禁止ではないのだろう。

オークが、丸っこい指で、白い巨大なビルを指さす。


「あそこが、陸奥改良住宅。別名、九龍城」

「九龍城・・・」


踵のない獣人を、巫術で倒さないといけないのだろうか。

車を降りて白いビルを見上げる。

工場地帯特有の巨大な何かを打ち付けるような音がする。

頭に焼き付いているシーンと、見ている方向は違うが、九龍城という呼称よりも、巨大人型決戦兵器に乗る少女が住んでいる場所のほうが、イメージとしてはぴったりのような気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ