表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移は信じません!  作者: 璃依
~本編~
8/18

8.どうやって魔法を使えばいいんですか



クラウスとともに小屋に帰り、セレナはまずすりむいた傷を洗った。


「治癒魔法、かける?」


「ううん、いいの。───ありがとう」


魔法で治すのではなく、自然に治るのを待ちたいと、そう思った。

それから、中断された食事を再開する。


「・・・美味しい」


微笑んで言うと、クラウスは嬉しそうに笑った。


───温もりが、セレナの心を満たしていた。




翌日から、セレナは『この世界』について学び始めた。

魔法について。魔獣の知識。生き物の生態。

何もかもが違う中、セレナは順調に吸収していった。

ただ、唯一上手くいかなかったのは───


「ヒュドール!」


セレナの手のひらに現れた水の球、それは揺らぎ、形が崩れ───


セレナは全身水をかぶっていた。


だいぶここに馴染んできて、知っていることも増えたが。

───魔法だけは何故か使えないのだ。



この世界の魔法はイメージと詠唱さえ出来れば誰でも使えるらしい。

個人に属性などは存在せず、あらゆる魔法を使える。

火の『イグニス』。水の『ヒュドール』。風の『ヴィエーチル』。土の『ティエーラ』。

氷の『スティーリア』に、雷の『トネール』。

光の『スヴィエート』と闇の『フィンスターニス』。

これらを唱え、想像することで、魔法を行使する、のだが。


セレナの場合、詠唱は完璧だ。しかし、肝心の『イメージ』が足りないせいで、失敗に終わる。


「こんなことなら、もっとアニメとか見ておけばよかった・・・」


セレナはあまりそういったものに興味がなく、見てこなかった。ここにきて、そんな後悔をすることになるとは。


「・・・はぁ」


セレナは濡れた服を着替えるために、小屋の中に戻ったのだった。



脱いだ服を籠の中に放り込む。あとで、洗濯するためだ。

クラウスは服に浄化魔法をかけていて、「セレナの服にもかけてあげようか?」と提案してくれたが、丁重にお断りした。衣類を弄られるくらいなら、自分で洗った方がましだ。

とはいえ、小川で洗うのは結構大変だ。

早く魔法を習得して、浄化魔法をかけようと思うセレナなのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ