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異世界転移は信じません!  作者: 璃依
~本編~
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15/18

15.覚悟はありますか



声が聞こえる。

うるさいだけの雑音がだんだんと意味をもち、クラウスはもがいて───


「───ス!クラウス、起きろ!」


目を開け、こめかみを指で押さえながらクラウスはゆっくり起き上がる。

クラウスのわきには、焦った様子の初老の男性がいた。


「・・・ハイレン?なんで・・・」


眉をひそめるクラウスに、


「話はあとだ!嬢ちゃんが・・・セレナが危ない!」


「なっ・・・⁉」


慌てて見れば、ベッドの上にセレナが横たわっているのが見えた。シーツは赤く染まり、顔色が悪い。


「どうして、セレナが・・・いや、治せないのか⁉」


「・・・傷自体は、致命的じゃない」


「なら・・・」


ハイレンは息を吸い、言った。


「・・・呪いだ」


「───」


「『出血の呪い』・・・。一部の魔獣に傷つけられるとかかる、延々と血が流れ続ける呪いだ」


頭の中が真っ白になった。


「う、嘘だろ、セレナ・・・」


「───解呪はできる。ただ、時間がかかるんだ。今やっても失血死するほうがはやい」


ハイレンの肩をつかみ、がくがくと揺らす。


「なにか・・・何か、出来ることは───ぁ」


「ひとつだけ、ある。───それをする覚悟はあるか?」


クラウスは真っ直ぐハイレンを見つめ、躊躇わずに言った。


「セレナが助かるなら、後でどれだけ(なじ)られても構わないよ。───やってくれ」

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