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6月2週 火曜日

村34 町27

ダ26 討伐1 フ8

人1 犯1

魔100 中12 上1

剣100 剣中12 剣上1

回復9

治療38

採取68

草15 花5 実33

料理7

石工2

木工10

漁1

歌2

体55

女7

 ダンジョンの魔物は、階を追うごとに強くなる。

 しかし、特に10階毎に大きく強くなる。


 まずは数。

 1階から10階では、1匹しか出てこないが、11階から20階では、下一桁の数字の割合で、2匹出てくるようになる。そのため21階では1割の確率で3匹出現する。


 次に攻撃パターン。

 1階から10階では、1パターンの攻撃方法しか持たない。例えば突進して噛み付きなら、それ1つしかない、ということだ。

 しかし11階から20階では、2パターンの攻撃方法を持つ。突進して噛み付きと、もう1つ飛び上がって噛み付きをしてくるようになる。その厄介さはかなりのものだ。

 なお、それらに下一桁階での違いはない。


 そして攻撃回数。

 連続攻撃は一切なかった1階から10階と違って、11階から20階は2連続攻撃が混じってくる。単純に考えれば、ダメージが2倍になる。もちろん2撃目は防御できたり避けられたりできることもあるが、それでも尋常ならざる強化と言える。

 一応11階や12階では2連撃の確率は高くないが、かといって低いわけでもない。楽観視していれば、間違いなく死に繋がる。


 それから飛行高度。

 1階から10階の魔物は、飛ぶことはおろかジャンプすることもできない。縦の移動が完全に禁止されているのだ。飛行がメインの鳥魔物などは、お腹を擦りながら飛んでいる。可哀相。

 ただし11階から20階では、1mの飛行、1mのジャンプが可能になる。足先など、体の一番下が1mの高さを上回らないなら、自由自在に移動ができるのだ。

 また、21階から30階では2mまで飛ぶようになるため、上から攻撃されることが増えてくる。


 10階刻みで、ダンジョンの魔物は、莫大な成長を遂げる。

 例え、順調に階を上がってきた者でも、その成長にはついていけない。


 だから、ダンジョンは10階や20階が一番混雑していて、結果的に11階や21階で一番多くの人が死ぬ。


 まあ、考えれば納得だ。

 魔物が急に強くなるのだから、人が多く死ぬのは当然。

 だから行きたくない人が増えるし、通用しなかった人も増える。つまり一つ下の階が混雑する。

 混雑すれば、1パーティーあたりの魔物との遭遇回数が減る。

 回数が減れば、稼ぎも下がる。

 稼ぎが下がれば上に行こうと思う人が増える。


 特に、9階や19階から上がってきてすぐの人は、もっと上でも通用すると根拠のない自信を持っているだろう。

 そしてロクに10階20階で出てくる魔物の対策ができないまま、ATKDEFが4上がり思考回路も良くなって、10階毎の強化が行われた11階や21階の魔物に、挑んでいくのだ。そりゃあ死ぬ。当たり前だ。


 だから、ダンジョンでは、死人がどうしても出る。

 避けることはできない。


 カルモーダンジョンのように、入っている人が10人いないようなダンジョンなら良いが、このテトン町には2000人近くの人が住んでいて、その内の1割、200人の冒険者がいるのだ。そりゃあ死ぬ。ちょいちょい死ぬ。


 俺がダンジョンに入ろうとした際、昨日から出て来ていない奴がいる、という話が上がっていた。

 基本的に、ダンジョンには泊まらない。疲れるし、寝たいし。


 だから、出て来ない場合は、大抵死んでいる。

 見張りの騎士は、数時間で交代するため、ダンジョンに出入りした人物を、あまり正確に把握できないが、まあ、ダンジョンに入っている曜日のはずなのに出てこなくて、夕食の場にいなかったという話があって、いつもダンジョンに入りに来る時間帯なのに来なければ、それは確定だ。


 その人は、パーティーを作らず1人でダンジョンに入っている人で、普段は9階か10階で戦っている人だった。

 10階では1日に銀貨4枚稼げる。

 2人でそれだから、1人というリスクを背負ったその人は、もしかすると銀貨5枚くらいは稼げていたかもしれない。だから、生きていくだけならばなんの問題もなく、本人は、今の生活でも十分だと言っていたそうだ。


 しかし最近、1人でも15階に入る同年代の男が現れ、対抗意識を燃やしたらしい。

 そうして俺もと武器防具をツケで買って挑み、たった1日で死んだ。そんなことを、俺はそいつの友人から聞いた。


 馬鹿だと思う。


 他人の才能を見る才能がないのだ。

 自分の才能を見つめる才能がないのだ。

 努力をする才能がないのだ。

 何の努力をするかを判別する才能がないのだ。


 だから、同じ人数とか、同じ年齢とか、同じ経験年数とか、同じ部活だとか、同じクラスだとか、そういった自分にも見える分かり易い基準だけを見て、自分にもできるはずだと驕り高ぶる。そんなはずないのに。

 才能の差は、見え辛いが何よりも大きいのだから。


 まあ、凡人はそんなもんだ。

 これが部活とか、そんな話だったら、死ぬことはなかったんだろうけど、命がけの戦いの中での話だからね、生まれた世界が悪かった。


 そして、優秀な俺は今日も、自分の才能に見合った15階で戦った。


「はい、確認しました。ファイヤーストーンの石が1、ファイヤーウルフの牙が1、毛皮が1、ファイアーフロッグの油が3つですね。合計で銀貨5枚と銅貨35枚になります。手数料を差し引きまして、銀貨4枚と銅貨81枚になります」

 俺はカウンターに出された銀色と銅色の硬貨を受け取り、サイフとして使っている布袋に入れる。


「あ、それとポーション5個下さい」

「HPポーションでよろしいですか? かしこまりました。銀貨1枚と銅貨50枚になります。この間も5つか6つ購入してらっしゃいましたよね? もう使いきっちゃったんですか?」

「あー、まあ、そうですね」

「頑張ってますもんね。はい、どうぞ」

「ありがとうございます」


 俺は言われた価格に銅貨を数枚プラスして、騎士団の詰所を後にした。


 稼ぎはいつもの半分だった。

 しかし、残っていた5つのポーションを全部使ってしまうくらいに、今日はダメージを受けた。全然集中できていなかった。


「あー、くそー、なんで知らないやつにそんな風に思われなくちゃいけないんだよ! 思ってたとしても俺に伝えんなよ! 俺のせいみたいに言うなよ!」

 俺は食事を半分ほど残し、一杯だけ注文したお酒を飲み、道端で吐いて、借りている部屋で眠った。


「ぎもぢわるい……」そんなことを言いながら。

お読みいただきありがとうございます。


話はよく停滞します。毎日読んでいると退屈かもしれません。数日分まとめて読む方法をオススメします。本当は1話1話面白い方が絶対に良いので、こんな方法をオススメするのは良くないと思うのですが、すみません。

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