6月2週 月曜日
村34 町26
ダ25 討伐1 フ8
人1 犯1
魔100 中12 上1
剣100 剣中12 剣上1
回復6
治療38
採取68
草15 花5 実33
料理7
石工2
木工10
漁1
歌2
体55
女7
冒険者の1日の稼ぎというのは、冒険する階によってほとんどが決まる。
10階は銀貨4枚と銅貨50枚。
15階は銀貨9枚と銅貨45枚。
20階は銀貨13枚。
25階は銀貨22枚。
どこのダンジョンで、誰が冒険しても、大体はその数字になってしまう。
それは、魔物を倒した際に手に入るドロップアイテムの売却価格が、ある程度決まっていること。
その階に挑む冒険者の武器防具のATKDEFや腕前が、ある程度決まっていること。それらのせいである。
ドロップアイテムの売却価格は、10階では平均すると銅貨50枚、15階では銅貨90枚、20階では銀貨1.6枚、25階では銀貨2.4枚となっている。
ATKとDEFは、魔物と同値。10階ならATKDEF20、15階なら30、20階なら40、25階なら50。
腕前は比べ辛いが、ATKDEFの値も含めて、魔物を倒すまでの戦闘時間とみなして換算すると、10階なら10分、15階なら15分、20階なら20分、25階なら25分となる。
つまり魔物が一度に1匹しか出て来ない10階では、10分で銅貨50枚が稼げるということ。
しかし基本的に10階は2人で冒険することが推奨され、実際にそういう人が多いため、稼ぎは半分。銅貨25枚。
ゆえに、3回戦うと30分かかって、銅貨75枚が稼げる。
6回戦うと1時間かかり、銀貨1枚と銅貨50枚が稼げる。12回戦うと2時間かかるが、銀貨3枚が稼げることになる。
銀貨4枚と銅貨50枚を稼ごうと思ったのならそれにプラス5回。合計17回、戦闘時間は述べ、2時間と50分にもなる。
ダンジョン内にいる時間は、その2時間50分と、次の魔物を探す時間、そして休憩する時間も合わせると、おおよそ6時間ほど。
それだけいたならば、もう間違いなく体力の限界が訪れる。
人によって体力に違いはあるし、その階に慣れている慣れていないという問題もあって、絶対にではないが、しかし結局10階にいる冒険者は、9階の魔物には勝てるが、11階の魔物には勝てないから10階で戦っている。
体力の量も、消費する体力も、やはり似たり寄ったりの域を出ない。
ゆえに、稼ぎもやはり似たり寄ったりになってしまうのだ。
15階以降も同様。
俺がいる15階も、2人で冒険が基本で、銅貨90枚なので1匹あたり銅貨45枚。ただし5割の確率で魔物は2匹出てくるため、1回の戦闘で稼げる金額を平均すると銅貨68枚ほど。
戦闘時間は平均15分なので、15分で銅貨68枚稼げる。10階よりは随分高い数字だ。
銀貨9枚と銅貨45枚を稼ぐためには、21匹。すなわち14チーム倒せばいい。
だが14チーム倒すために必要な時間は、×15分なので、210分。つまり3時間と30分。魔物を探す時間や休憩時間も含めれば、やはり6時間を越えてくる。
10階にいた頃よりも集中力が持続するようになり、体力も増えただろうが、そこが限界だろう。
冒険者の稼ぎは、階によってほとんどが決まる。
確かに色々な冒険者を見てみて、その意見にも得心がいった。
「けど、そう考えると俺ってやっぱ優秀だな。15階を1人で戦って、銀貨10枚稼いでるわけだから」
まあ、多分、死ぬリスクを冒せば、誰でもできるんだろうけど。
「いや、HPが見えるからできてる部分もあるし、できるのは俺だけかもしれないな」
課金で何が一番凄いって、やっぱり初心者パックだ。
赤い線、青い線。
それからHPの把握。1年間の期限付きだが、効果は凄まじい。
金貨10枚で買える課金アイテムには、アイテムボックスが他種族の分まで入るや、一歳若返るなど、そうそうたるものが揃っているが、その中でもぶっちぎりで約に立つ。
無くなる時期が恐ろしいな。
初心者パックの次は、中級者パックとか出てきてくれないだろうか。
『キジョウ・エト
ジョブ:異世界民
HP:20 MP:100
ATK:27+5 DEF:29+5
CO:--』
「というか金貨10枚って、一般的な稼ぎから考えて、課金ってレベルじゃないよな……。年収くらいあるんじゃねーか?」
年収分課金は流石に……。
『キジョウ・エト
ジョブ:異世界民
HP:25 MP:100
ATK:27+5 DEF:29+5
CO:--』
俺はダンジョンでの休憩中、そんなことを考えながらポーションを飲んでいた。
「残りHP25。一回の攻撃で5ダメージ、そこそこ2連続攻撃してくるから10ダメージ。もう1本……は飲まなくて良いか」
さらに続けて2本目を飲もうとしたが、俺はそう考え、ポーションを持つ手を下ろした。
『HPポーション下
ランク:1
回復量:5』
ポーションとは、正式にはHPポーション下、という名称。その名の通り、HPを回復する。回復量は下なら5。
見た目は、丸い玉。野球ボールよりも少し大きい程度なので、ガッシ掴める。
材質は不明、半透明で指で弾くと、チーンやらキーンやら高い音が鳴る。やり過ぎるとすぐに割れる。1回割った。
使い方は、飲むか浴びるか。
中には液体が入っており、指で穴を開けて飲むか、割って液体を浴びるかすると、HPが回復するのだ。なお、割って浴びる方だと、4しか回復しない。手の中で割れて、手にしかかからなければ3くらいだ。
戦闘中にわざわざ飲むのは難しいため、割って使いたいが、どう使うかは悩みどころだ。
HPやMPを回復するポーションは全て、ドロップアイテムから作るようで、アイテムボックスの中に入れることができる。
飲んだり割れたりすると、アイテムだと認識されず入らなくなるが、アイテムボックスの中ならば割れる心配はない。賞味期限はあるそうなので、気をつけなければいけないが。
ちなみに、中の液体を飲み干すと、殻はいつのまにか消えて行く。材質がますます不明だ。怖い。
まあそれを言うなら、中に入っている液体も意味が分からないが。なぜHPが回復する。怖い。
なんにせよ使わなければいけないので、使うが。
「○○○○○アイテムボックス」
俺は使わなかったポーションをアイテムボックスに戻した。アイテムボックスの中には、今戻したのを含め、6つのHPポーション下が入っている。
最近、ポーションを使うことが増えた。というかこの間初めて使ってから、毎日使っている。
ダメージを受けることが多くなったせいと、2連続攻撃のダメージが大きく怖いせいと、ネガティブな要因もあるが、使っても、元が十分とれるようになったからが大きい。
1つあたり銅貨30枚もするため、あまり使いたくないのだが、ドロップアイテムの売却価格の平均が銅貨90枚のここでは、1匹倒せるなら使った方が絶対に良い。
先ほどのようにHPが20だと、挑戦するかしないか悩む。
今日は魔物を11匹倒して、HPが20になっている。80減っているので、1匹あたりに7も減らされている計算だ。
しかしダメージのほとんどは、魔物が2匹出てきた際、特にファイヤーウルフを含む2匹チームが出てきた際に受けたものなので、そういう時は1匹7ダメージでは済まない。1匹10ダメージ。合計20ダメージほど食らうこともあるのだ。
だから、HPが20だと、ちょっと怖い。魔物を探して歩いていて、逃げられない距離でそんな2匹と出会えば、死ぬ可能性が結構高い。その日は諦める方が無難だ。
そこでポーションの出番。
HPが25なら、20ダメージ食らってもまだ5残る。
だから、そんな魔物と出会っても安心だ。落ち着いて魔物を探し、1匹と戦いノーダメージで勝てればもう1匹探し、もし食らっていればそこで帰る、とできるので稼ぎが増える。
今まで使わなかったポーションだが、1回使ってみると、あまりにも便利なものだった。
今はもう手放せない。冒険の終盤では使う必要が薄くても、ついつい使ってしまう。
まるで中毒だ。
やっぱりやばいもんでも入ってんだろうか。
「あ、魔物発見。2匹か、嫌だなー。でも、片方バンペストか。ファイアーフロッグとバンペスト、なら、行くか」
しかしまあ、ただただ魔物を倒すだけでは、やはり冒険者は務まらないようだ。俺はそう思う。
自分のHPがどのくらい減るのかを計算し、回復が必要なのか、その消費に対する稼ぎは、武器防具の費用対効果も計算しなければならないし、むしろ頭を使う。
おかげでロマンが少なく見える。
「はい、確認しました。ファイヤーストーンの石が2、ファイヤーウルフの牙が3、毛皮が1、バンペストの髪が2つにファイアーフロッグの油が4、それから足が1本ですね。合計で銀貨10枚と銅貨10枚になります。手数料を差し引きまして、銀貨9枚と銅貨9枚になります」
手数料抜きなら、15階で稼げる額をちょっと越えた。
命の危険は、もちろん感じていない。やはり俺は優秀だ。
15階で戦う冒険者は、毎日の生活に銀貨2枚ではなく、銀貨3枚と銅貨50枚を使うらしい。
俺もそれに倣って、ちょっと贅沢な食事をした。ただ、これを俺は贅沢だと思っているのか、と、ふと我に返って泣きたくなったのは秘密だ。
お読み頂きありがとうございます。
ブックマークや評価、ありがとうございます。どの辺りのお話がお気に召されたかは分かりませんが、現在はダンジョンでの活動が続いております。ヒロインが出てきて、ひとしきり説明を終えるまで続きます、少々お待ち下さい。
よろしくお願いします。




