5月3週 木曜日
村33 町9
ダ19 討伐1 フ6
人1 犯1
魔100 中11 上1
剣100 剣中11 剣上1
回復20
採取41
草14 花5 実17
料理3
石工2
木工5
漁1
体10
女2
車に長時間揺られれば、腰などが痛くなる。
しかし馬車に長時間揺られたなら、痛みはその比ではない。
腰、首、体の至るところが痛むだろう。
それどころかあまりの揺れに、臓器の機能不全などを引き起こす可能性とてある。
地球では馬車に長時間乗る際など、コルセットのような物の着用が必須だったのだとか。
異世界でも、1週間以上馬車での移動を連続して行うことは、その危険ゆえに推奨されていない。
つまり、目的の町であるテトンまで3,4日かかるのだから、5月に入ってからずっと移動続きだった俺が、ここで1週間程度の休養を求めるのは、健康面から見て当然のことである。
「つーわけで来週なんだけどよ、コイツ乗っけて。良いかい?」
「良いとも。テトンなら毎月2回も行ってるからね。いつも土曜の市場で仕入れてから行くから、土曜の夕方くらいに出るけど、大丈夫かい?」
「お願いします」
俺は、この町まで乗せてきてくれた行商人のお兄さんに、来週テトン町に行く人を紹介してもらった。
その人は60歳を過ぎたおじいさんだが、とても気の良さそうな人。
「それじゃあ、来週にね。門のところで待っててね」
「はい」
おじいさんは快く受け入れてくれ、俺は、テトン町まで行くための足を獲得した。
「それじゃあな、エト。俺は川んとこに戻るぜ」
「はい、本当にありがとうございました」
「いやいや、楽しかったぜ。……また、いつかな」
「……また、いつか」
そうして、長い間一緒にいたような感覚もあるお兄さんと、案外涙を零してしまいそうになりながら別れた。
俺は最近、一期一会という言葉の意味を、随分考えるようになったと思う。
地球からいきなり異世界に来て、家族も友人も全て失い、そして新たに出会った人は死に、今こうして出会いと別れを繰り返すのだから、本当に真剣に。
俺は今一度、お兄さんが去っていった方向を見て、その姿が見えないことにまたも胸が込み上げるも、逆方向を向いて歩き出した。
そちらは門とは逆の向き。町の中。
「……さて。じゃあ」
俺は進む。
「娼館行くか」
娼館へ向けて。
これもまた一期一会。致し方ないことである。
諸行無常、色即是空。
いや色欲絶好。
まだ夕方にもなっていない時間帯だが、昨日行った娼館は昼間から空いていると聞いた。
俺はるんるんと跳ねるような足取りで、店の前に立つ店員に声をかけて店に入ろうとする。
が、しかし、
「あ、おい、あんた、あんた昨日も来たよな。あんたは出禁だ」
「え?」
店に入る前に、ガッ、と腕を掴まれ止められてしまった。
「なんでです?」
「自分の胸に聞いてみろ! 昨日、とんだ変態プレイをしてくれたらしいな」
「へ、変態?」
「フェ、フェ……、なんだったか、そんな聞いたこともねえ変態プレイをしたらしいじゃねえか! それも当然だからみてえな顔して、無知な女によ。汚職にまみれたお貴族様だろうとそこまではやらねえだろうよ」
そう言うおっさんは、信じられないものを見るかのような目をしていた。
「いや、あの、僕の国では普通で」
「そんな普通があってたまるか! 女はてめえのモノじゃねえんだぞ。こんなところで働いてる奴だってなあ、1人の人間なんだよ! てめえらに見下されることも、ましてやてめえらのおもちゃなんかじゃねえ! 2度とこの店に来るんじゃねえぞ!」
そうして、俺は異世界娼館を再び出禁となってしまった。
もうあの娘には会えない。一期一会とはこういうことか。
トボトボと、俺は再び町を歩く。
「しかしどうしてこうも出禁になる。俺は普通にやっているだけなのに」
一体どんなプレイが異世界の普通なんだろうか。やっぱり一旦ヘルプで詳しく調べるべきだろうか。……しかし。
「エロサイトを見るみたいでなんだか気恥ずかしいんだよなあ」俺は呟く。
それに、そういったものを調べるというのは、単に虚しい。
「もっと単純なことしかしないってことか? でもそれだと……」
気持ち良いと思ってもらえないんじゃないだろうか。
一期一会とは言え、下手糞と思われるのは嫌だ……。
「自信がないから、そういうテクニックに頼るのか? つまりもっと、もっと俺に自信があれば」
出禁になることはない。
自信、自信とはつまり……。
『チンコデカクナールスコーシ 金貨1枚』
俺は自分に自信をつけた。
「いらっしゃいませ」
そして別の娼館へ赴く。そこでは、その自信を裏付ける結果を、この目で見ることに成功した。
お読みいただきありがとうございます。
予想外に投稿までの時間が空いてしまいました。すみません。ペースを戻せるよう頑張ります。
これからもお付き合い下さりますよう、どうぞよろしくお願いします。




