表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/144

5月3週 木曜日

村33 町9

ダ19 討伐1 フ6

人1 犯1

魔100 中11 上1

剣100 剣中11 剣上1

回復20

採取41

草14 花5 実17

料理3

石工2

木工5

漁1

体10

女2

 車に長時間揺られれば、腰などが痛くなる。


 しかし馬車に長時間揺られたなら、痛みはその比ではない。

 腰、首、体の至るところが痛むだろう。


 それどころかあまりの揺れに、臓器の機能不全などを引き起こす可能性とてある。

 地球では馬車に長時間乗る際など、コルセットのような物の着用が必須だったのだとか。

 異世界でも、1週間以上馬車での移動を連続して行うことは、その危険ゆえに推奨されていない。


 つまり、目的の町であるテトンまで3,4日かかるのだから、5月に入ってからずっと移動続きだった俺が、ここで1週間程度の休養を求めるのは、健康面から見て当然のことである。


「つーわけで来週なんだけどよ、コイツ乗っけて。良いかい?」

「良いとも。テトンなら毎月2回も行ってるからね。いつも土曜の市場で仕入れてから行くから、土曜の夕方くらいに出るけど、大丈夫かい?」

「お願いします」


 俺は、この町まで乗せてきてくれた行商人のお兄さんに、来週テトン町に行く人を紹介してもらった。

 その人は60歳を過ぎたおじいさんだが、とても気の良さそうな人。


「それじゃあ、来週にね。門のところで待っててね」

「はい」


 おじいさんは快く受け入れてくれ、俺は、テトン町まで行くための足を獲得した。


「それじゃあな、エト。俺は川んとこに戻るぜ」

「はい、本当にありがとうございました」

「いやいや、楽しかったぜ。……また、いつかな」

「……また、いつか」


 そうして、長い間一緒にいたような感覚もあるお兄さんと、案外涙を零してしまいそうになりながら別れた。


 俺は最近、一期一会という言葉の意味を、随分考えるようになったと思う。


 地球からいきなり異世界に来て、家族も友人も全て失い、そして新たに出会った人は死に、今こうして出会いと別れを繰り返すのだから、本当に真剣に。

 俺は今一度、お兄さんが去っていった方向を見て、その姿が見えないことにまたも胸が込み上げるも、逆方向を向いて歩き出した。

 そちらは門とは逆の向き。町の中。


「……さて。じゃあ」

 俺は進む。


「娼館行くか」

 娼館へ向けて。


 これもまた一期一会。致し方ないことである。

 諸行無常、色即是空。

 いや色欲絶好。


 まだ夕方にもなっていない時間帯だが、昨日行った娼館は昼間から空いていると聞いた。

 俺はるんるんと跳ねるような足取りで、店の前に立つ店員に声をかけて店に入ろうとする。


 が、しかし、


「あ、おい、あんた、あんた昨日も来たよな。あんたは出禁だ」

「え?」

 店に入る前に、ガッ、と腕を掴まれ止められてしまった。


「なんでです?」

「自分の胸に聞いてみろ! 昨日、とんだ変態プレイをしてくれたらしいな」

「へ、変態?」

「フェ、フェ……、なんだったか、そんな聞いたこともねえ変態プレイをしたらしいじゃねえか! それも当然だからみてえな顔して、無知な女によ。汚職にまみれたお貴族様だろうとそこまではやらねえだろうよ」


 そう言うおっさんは、信じられないものを見るかのような目をしていた。


「いや、あの、僕の国では普通で」

「そんな普通があってたまるか! 女はてめえのモノじゃねえんだぞ。こんなところで働いてる奴だってなあ、1人の人間なんだよ! てめえらに見下されることも、ましてやてめえらのおもちゃなんかじゃねえ! 2度とこの店に来るんじゃねえぞ!」


 そうして、俺は異世界娼館を再び出禁となってしまった。

 もうあの娘には会えない。一期一会とはこういうことか。


 トボトボと、俺は再び町を歩く。

「しかしどうしてこうも出禁になる。俺は普通にやっているだけなのに」

 一体どんなプレイが異世界の普通なんだろうか。やっぱり一旦ヘルプで詳しく調べるべきだろうか。……しかし。


「エロサイトを見るみたいでなんだか気恥ずかしいんだよなあ」俺は呟く。

 それに、そういったものを調べるというのは、単に虚しい。


「もっと単純なことしかしないってことか? でもそれだと……」

 気持ち良いと思ってもらえないんじゃないだろうか。

 一期一会とは言え、下手糞と思われるのは嫌だ……。


「自信がないから、そういうテクニックに頼るのか? つまりもっと、もっと俺に自信があれば」

 出禁になることはない。


 自信、自信とはつまり……。


『チンコデカクナールスコーシ 金貨1枚』


 俺は自分に自信をつけた。


「いらっしゃいませ」

 そして別の娼館へ赴く。そこでは、その自信を裏付ける結果を、この目で見ることに成功した。

お読みいただきありがとうございます。

予想外に投稿までの時間が空いてしまいました。すみません。ペースを戻せるよう頑張ります。

これからもお付き合い下さりますよう、どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ