表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/144

4月4週 土曜日 その1

村26

ダ18 フ1

魔100 中11

剣100 剣中11

採取28

草11 花5 実12

料理1

 どこかの悟ったような大人は、神様の言葉を代弁して言う。


 あなた自身が乗り越えられない試練は与えない。

 全ての不幸は、乗り越えられるもの。


 そんなことを。


 それは、たわけた、あまりにもふざけた言葉だ。

 無責任で、あまりにも救いのない言葉だ。


 その人は、世界中の誰もが、幸せな人生を送っていると思っているのだろうか。

 今この瞬間も、生きたいという、そんな、息をするだけで叶うような些細な願い事ですらも、息をするように踏み躙られてしまう人がいることを、頭の片隅にも思い浮かべないのだろうか。


 世界は理不尽と不条理に満ちている。


 異世界は不条理と理不尽に満ちている。


 当人の能力も、襲いかかる不幸も、全ては、運否天賦。


 運が悪ければただそれだけで、死にたいという、そんな、息をしないだけで叶うような些細な願い事すらも、息をするように踏み躙られる。


 4月4週、土曜日。

 異世界生活、28日目。

 俺は朝から大忙しだった。


「少しでも戦力アップするために、課金をしておくべきだな」

 俺はそう思い立ち、課金リストからいくつものアイテムを購入する。


『キジョウ・エト

  ジョブ:異世界民

  HP:100+20 MP:100

  ATK:18+10 DEF:20+5

  CO:--』


 案外たくさんあるものだ。


 HPの限界値を向上させる課金アイテム。それから、DEFを上げるアイテムも使用した。


 HPの方は、飲み薬。

 飲めばたちまち、実感は湧かないがHPが20増える。


 DEFの方は、ATKと同じくスプレー。

 防具に振りかければ、やはり実感は湧かないがDEFが5増える。


 もちろんどちらも、スコーシだとか、無印だとか、スゴークだとか、色々+の幅があった。

 HPの方は不明だが、DEFは無印なら+10だろう。

 そちらの方が絶対的に良かった。しかしそっちは高い。


 俺1人に使うのならそちらでも金銭的に問題ないが、俺は自分1人に使うつもりなどない。

 ケビンさん達、パーティー全員に使うつもりである。


 だから、高い物は無理。安い物を買う。

 そして、本当に大忙し。


 朝食をとりに定食屋へ行き、そして、「皆さんの飲み物美味しそうっすね、はははー」と言いながら近寄り、隙を見て飲み薬を投入。

 事前に、水に溶けることは確認していたので、隙を見せている間に溶かしきる。


 さらには、ダンジョンまで行く道すがら、最後尾に立って後ろから、武器防具に対しスプレーする。


 シューっと。


「な、なんだ? なんの音だ?」

「え? 何か音しました?」


『ケビン

  ジョブ:剣士

  HP:100+20 MP:100

  ATK:28+5 DEF:28+5

  CO:--』


「うわ、なんだシューって」

「え? シュー?」


『ライアス

  ジョブ:戦士

  HP:100+20 MP:100

  ATK:27+5 DEF:28+5

  CO:--』


「ほんとだ、なんか変な音したぞ。なあ」

「た、確かに。なんですかねこの音」


『ホロード

  ジョブ:冒険者

  HP:100+20 MP:100

  ATK:26+5 DEF:26+5

  CO:--』


「するわ。今まで聞いたことない……」

「俺もです……、こわい……」


『ヨランダ

  ジョブ:僧侶

  HP:100+20 MP:100

  ATK:54+5 DEF:22+5

  CO:--』


 手を替え品を替え、巧みに全員を順番に最後尾に誘導しては、スプレーした。


 さらには、


『HPヘラナクナールスコーシ 銀貨5枚』

『カラダケイカイナールスコーシ 銀貨1枚』×5。

『レアドロップカクリツアガールスコーシ 銀貨2枚』


 こういったものも購入した。


 HP減らなくなるものは、タブレット錠剤。

 医者で貰う、よくある薬のような形態で、4錠分。

 説明書によると、食べると一時的にHPが減らなくなるのだとか。ただし減らない時間は1分で、連続使用は不可能。

 ピンチになったら食べてと、ケビンさんライアスさんホロードさんに渡した。少しの間力が漲る秘伝の薬、と言ったら信じてくれたっぽいので、きっと食べてくれるだろう。


 ……もし俺が、秘伝の薬と言って何かしらを渡されても、それは絶対に食べないけどね。


 体が軽くなるものは、水。

 缶ジュースのような水。1杯で3日間体が軽くなるらしいが、1人分しか入っていない。

 5つ購入し、ボス部屋前の、通路で一緒に飲んだ。


 そしてレアドロップ確率が上がるものは、ボール。

 投げつけて当てれば、レアドロップ確率が1%上昇するらしいボールだ。ただし銀貨2枚でボール1つ。

 確率計算を無視して100%になる数、つまり100匹倒してレアドロップが出るとすれば、それまでに銀貨200枚を消費する。割に合うのか、合わないのか。


 HP増量、ATKDEF上昇、そしてそれらを購入したら、今まで貯めた貯蓄が吹っ飛んでしまった。

 また一文なしに逆戻りで、今日逃げ帰るような結果になれば、俺は宿屋にも泊まれないし、夕食もない。


 それどころか、明日の休日分の食料も宿賃も、明後日からの月末の休日2日分の食料も宿賃もない。

 3日間、飯抜き、宿無しだ。


 死ぬんじゃないか?


 ともかく、酷い有様である。


 しかし、後悔はない。

 力が足りず、ケビンさん達を死なせてしまうよりは絶対に良い。


 俺がこの中で一番強い。

 才能がある。

 だから、守る。


「じゃあ、行くぞ。皆、名を残すぞ」

「おお!」

「楽しみだな」

「そうね」

「はい!」


 俺達は、ボス部屋へと足を踏み入れた。


『ブルーマンティス

  ジョブ:青蟷螂

  HP:100 MP:100

  ATK:32 DEF:32

  CO:--』


『アクアマンティス

  ジョブ:青石蟷螂

  HP:100 MP:100

  ATK:64 DEF:64

  CO:--』


『サファイアマンティス

  ジョブ:青宝石蟷螂

  HP:100 MP:100

  ATK:96 DEF:96

  CO:--』


「3び――」


「ケビンさん、ライアスさん、ホロードさん、横の2匹は頼みます。倒したら加勢して下さい! 俺は、真ん中のサファイアマンティスを引き付けます!」


 そして、予想外のような、予想内のような、そんな3匹との戦いが、カルモーダンジョンで最強の敵との戦いが始まった。

お読み頂きありがとうございます。

おそらく今日中に土曜日全部は書けませんが、もう1話分くらいは投稿したいと思います。


よろしくおねがいします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ