4月3週 月曜日
村15
ダ8 フ1
魔99 中6
剣99 剣中6
採取28
草11 花5 実12
料理1
ダンジョンの魔物は、階によって、能力が全て同じである。
それは、ATKやDEFだけでなく、攻撃方法や、思考方法なども含めた全て。
だから、攻撃される行動を取れば、必ず攻撃を仕掛けてくる。
攻撃と攻撃の間の秒数も、変わらない。
同じ避け方をすれば、次の日でも次の週でも同じ追いかけ方をしてくる。
そんな風に、こちらの行動に合わせて、決まった行動を決まった力で行う。まるで昔作られたゲームのように。
それらのパターンは、階を上がるごとに増えていくものの、5階6階でも2つ3つ。
だから、覚えるのも簡単で、対処するのも簡単だ。
月曜日。
俺は、今日もダンジョンで戦っている。
アタックツヨクナールスコーシを再び使用し、3日間ATK+5でATKは15。
早朝から5階へ入り、10匹の魔物を全て倒して、今は6階。
目の前にはブラウンスパイダー。
いつもと同じ。
いや、いつもと同じではないな。
いつもより、そう、圧倒的だ。
『ブラウンスパイダー
ジョブ:毒蜘蛛
HP:58 MP:100
ATK12 DEF:12
CO:--』
なぜなら、既に全てのパターンは出つくし、完璧に覚えてしまった。
ブラウンスパイダーは、HPが半分近くの時に、5m以上離れるとスキルを使ってくる。
だから距離は3m。
3mなら、ブラウンスパイダーは、必ず通常攻撃を選択する。
それも、対象の後ろにある足に対して。その外側に回り込むように。
予想通り赤い線は、少々の膨らみを持って、俺の後ろに引いた足、右足へ。
この微妙な膨らみのせいで、昨日までは時々失敗することもあった。
攻撃を止めるためには、怯ませるために一定威力以上威力の攻撃が必要になる。
しかし、疲れている際などに、剣の振り下ろしが真下に対してでなくなってしまうと、たまに威力が足りなくなる。攻撃を止められず食らってしまうのだ。
だが今日は1度もない。きっとこれからもない。
俺は余裕をもって体の向きを変え、赤い線を正面に捉える。そして真下へと来たブラウンスパイダーを剣で叩いた。
手の平の上、というのは、まさにこんな感じだろうか。
行動が手に取るように分かるし、むしろさせたい行動をさせている、俺が操っているような感覚すらある。
ブラウンスパイダーが怯む硬直は、大体3秒。
思い切り攻撃しても、怯むギリギリの威力の攻撃でも、硬直時間は同じ3秒。
だからやることは決まっていて、2度攻撃して、今度は踏みつけでさらに怯ませる。
硬直時間は、今度は2秒。
連続する硬直は、威力に関わらず2秒に短縮される。ちなみに3度目は1秒で、4度目は3秒に戻る。
4度目の3秒は魅力的。
しかしそこまで行ったら、都合10秒近く動かなくてはならない。
短い時間に間髪いれず動くと、こっちも疲れる。というわけで、俺は2秒間の硬直で全力を出す派である。
軽い5発の連続攻撃。
徐々に5発分のダメージを入れられる確率も上がっている。
攻撃後、ブラウンスパイダーの硬直が解けた。
今、俺との距離は、たった30cm。
攻撃は避け辛い。
なんてことも、もちろんない。
距離が30cmの場合、近い方の足を目掛けて、ジャンプするくらいの勢いで飛び込んでくる。
普段の追尾攻撃と違って、怯ませて止めることはできず、引いて逃げても間に合わない。しかし代わりに、横にずらせば、簡単に避けられる。
俺はタイミングを見計らって、足を横にひょいとずらした。
するとブラウンスパイダーは一瞬の後に、そこを勢いよく通りすぎ、勢い余ったのか、おっとっと、とでも言うようによろけた。
予めそうなると予測していたので、すかさず軽い攻撃。
『ブラウンスパイダー
ジョブ:毒蜘蛛
HP:0 MP:100
ATK12 DEF:12
CO:死亡』
そうして、ブラウンスパイダーが振り向く前に、全てを終わらせた。
控えめに言っても、完全勝利である。
「ふう」
俺は息を吐いて、剣を壁に立てかけ、腕をだらけさせる。
そして俺も壁にもたれかかって、腰につけた竹筒? か何かの水筒を手に取って水を飲んだ。
今日の戦闘は、ずっとこんな感じだ。
上手を取っているというか、思うように戦いが進むというか。
今、もしかしたら俺はにやけているかもしれない。
でもそのくらいに、今日はダンジョンが楽しい。
昨日練習した成果が存分に出ている。
魔物の行動を覚え見極め、そして的確に攻撃できている。
魔物がしてくる行動が分かれば、対処を手早く行える。
そもそも、対処しやすい行動だけをさせている。
また、来る場所が分かれば防御も容易く、いる場所が分かれば攻撃も容易い。
攻撃再開までの時間が分かれば、時間目一杯使って、攻撃できる。数多くという意味もあるが、丁寧に、という意味でも。
攻撃モーションの成功判定時にしか、HPにダメージは与えられないので、丁寧さは必須だ。
おかげで戦闘がとても早く、スムーズ。
戦闘時間もハッキリと短くなっている。
それは労力にも現れていて、6階の魔物の半分を倒したというのに、まだそこまで疲れてもいない。
水だって大分余っている。
いつもこの辺りになったら、水がなくなっているのに。
もうちょっと大きな水筒を買うべきだったと後悔しているのに。……いや確かに水筒はもうちょっと大きいのが欲しいけど。
ともかく、どうやら俺は強くなったらしい。
強くなった、というより、上手くなった、か?
こちらに来た初日の俺と喧嘩して勝てるか、と問われれば、筋力と体力は大分ついたが、どうだろう。
分からない。
まあ、なんでも良い。
とにかく今は、ちょっと楽しい。
異世界生活16日目が過ぎていく。貯蓄は、銀貨10枚になった。
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また、ブックマークありがとうございます。
実際に日にちに追いつけるよう頑張ります。




