4月2週 休日
村14
ダ8 フ1
魔99
剣99
採取28
草11 花5 実12
料理1
テレビを見る。
漫画を読む。
ゲームをする。
動画探しに、カラオケ、SNS、色々。
そんな娯楽を、異世界に来てからは見かけない。そもそも存在しないのだろう。
娯楽とは、身も蓋もない言い方をすれば、暇つぶしである。
ゆえに暇がないのなら、娯楽も発展しない。
生きていく分の仕事でいっぱいいっぱいになる異世界に、娯楽があるはずがなかった。
スマホを常に手放せなかったあの頃の俺なら、苦でしかなかったと思う。
暇で暇で仕方なくて、死んでしまっていたかもしれない。
しかし幸い、異世界に来てから、暇だと感じたことはない。
そんなものを感じる暇もないほど、慌しい日々を送っているのだ。今のままなら娯楽がなくても問題ない。
……これが、本当に幸いなのかは置いといて。
今日は休日。
異世界生活2度目の休日である。
先週は辛かった……。
休日の仕様を知らずに、定食屋がやっていると思ったら、やっておらず食料は0。
ダンジョンでお金を稼ごうと思ったら、やっておらず稼ぎは0。
色々な人の恩情のおかげで生き延びることができたが、もう2度と味わいたくない。あの鍋の味は一生忘れられない。多分まずかった気がする。
もちろん今回の休日はそんなことがおきないよう、万全を期した。
食料は買い込んだし、宿代以上の小金も持っている。金に関しては、異世界に来て、今が一番金持ちなくらいに。
そのため今日は、しなければならないことがない1日でもあった。
食っちゃ寝していていい1日で、まあ、先ほどの暇とか暇じゃないとか、そんな話で言うなら、暇な1日になるわけだ。
しかし、今日もまた、俺は娯楽を必要としていない。
そんな暇を感じていない。
なぜなら俺は、切り株の多い林で、
「よっ、はっ」
トレーニングに勤しんでいる。
内容は素振り。
上から下へ、右から左へ、左から右へ、下から上へ。剣を振る。
フォームを確認することも多いので、常に動いているわけではないが、既に数時間。
「うーん、もっとシュッと振れないもんかなあ」
半裸の上半身から汗をたれ流すほどには懸命に励んでいる。
1人黙々と素振りを行うなんて、本当にいつ以来だろうか。
中学生になってからは適当にやっていたから、小学生以来かもしれない。もちろん剣ではなくバットの話だが。
練習中でもそんな風に素振りをしていなかったのだから、自主的な練習でなんて、ランニングすら本当にめっきりしていない。
俺はそれくらい努力という努力をしなかった。
けれど、今日朝起きて、練習をしようと思った。
なぜだか楽しみで、張りきっていた。
事実、今も楽しい。
1回の素振りの度に新たな発見がある。
「お、今のは良かったな。重心移動か、こう、斜めに移動して切るんだな。よしよし」
俺はそう言って、再び素振りを始める。
その振りは、先ほどのものとは比べ物にならないほど鋭く、剣はびゅんびゅんと風を切る。
蹴りなんかも、テレビで見たキックボクシングや、空手なんかの動きを思い返して、実践してみた。
最初の数回はイマイチだったが、何度か繰り返したなら良い感じになる。
威力もありそうで、剣とも組み合わせられないこともない。
俺は今、久しぶりの、成長していく感覚を味わっていた。
いや、久しぶりじゃないな。昨日もあった。
ブラウンスパイダーを楽に倒すために、踏み付けを有効活用した時だ。
一気に戦い方が広がって、ハッキリ強くなったと思えた、あの時。
ああ、だからか。
その時の、久しぶりの成長する感覚が楽しくて、もう1度味わいたくなったのか。
単純な奴だ。
1度、それで挫折を味わった言うのに。
俺は昼休憩と昼寝を挟んで、ほぼ丸1日練習に励んだ。
他人よりは随分恵まれた才能があったため、1日だけでも随分上達したと思う。今後の展望も開けた。
今回のように集中して練習しなくても、実戦の中でさらに強くなれるだろう。
……だから、今は努力しよう。
努力できる内は、努力しよう。
やらなきゃ生活は苦しいままなんだから、仕方ない。
ちなみに練習に熱中しすぎて、夜は激しい筋肉痛に襲われた。
お読み頂きありがとうございます。
タイトルを変更致しております。お気をつけ下さい。




