表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/144

4月2週 土曜日

村13

ダ8 フ1

魔99 中6

剣99 剣中6

採取28

草11 花5 実12

料理1

 状態異常には様々なものがある。


 流血、骨折、欠損。

 火傷、病気、混乱、睡眠、麻痺、毒。などなど。


 そして、そのどれもが、肉体だけでなく、HPMP、ATKDEFなどに、影響を及ぼす。


 以前、流血の状態異常を受けたことがある。

 初日にクレーアントと戦った時のことだ。噛みつかれ、牙によって実際に流血したからだろう。


 その際は、DEFが減っていた。

 本来は20であるはずなのに、18になっていたのだ。


 また、骨折したなら、ATKが低下する。


『ブラウンスパイダー

  ジョブ:毒蜘蛛

  HP:57 MP:87

  ATK8 DEF:12

  CO:骨折』


 このように。


 ダンジョンでは、ATKDEF共に、階数の2倍であるため、6階ではどちらも12でなければならない。事実先ほどまではそうだった。

 しかし骨折した瞬間、ATKは低下。

 4減ったと見るか、3分の2になったかと見るかは置いておいて、ついでに蜘蛛に骨があるのかどうかも置いておいて。


 肉体だけでなく、HPMP、ATKDEFなどに影響を及ぼす、とはこのことだ。


 流血はDEFが減少する。

 骨折はATKが減少する。

 欠損は、予想でしかないが、攻撃のモーションの判定が厳しくなる。

 冒険者や騎士の間では、体を欠損した者は魔物を倒すのに時間がかかると言われている。常識だそうだ。

 ATKが下がっているわけではないので、きっとそういうことだろう。


 火傷は、最大HPが減少する。

 病気は、最大MPが減少する。


 混乱、というか意識朦朧、例えば酒に酔ったりなどすれば、MPが時間単位で減っていく。

 睡眠は、プラスの効果。時間単位でHPとMPが回復していく。


 麻痺は、まだ見たことがなく、また、欠損のように永続的なものでないため、聞いても分からなかった。


 そして最後、毒だが……。


『キジョウ・エト

  ジョブ:異世界民

  HP:84 MP:100

  ATK:10+5 DEF:20

  CO:毒』


 時間単位による、HPの減少である。


『キジョウ・エト

  ジョブ:異世界民

  HP:83 MP:100

  ATK:10+5 DEF:20

  CO:毒』


 まさか、自ら実証してしまうなんて……。


 現在のブラウンスパイダーとの戦闘において、ブラウンスパイダーがスキルを使用してきた。

 ダンジョン生活はもう10日目になろうとしていると思うが、初めて使われた。


 スキルはMPを使用して行う、特別な攻撃のこと。

 だからMP表示が突如として減少した。


 知識にはあったが、初めてのことだったので、スキル攻撃だ、一体どんな攻撃がくるんだ! と身構えた。

 結果、いつも通りの突進からの噛みつきを、普通に食らう。


 スキルと言っても、なにか不可思議な動きをしてくるわけではなかった。

 おそらく、牙に毒状態にする効果を持たせる、とかのスキルだったのだろう。

 だから、何の変哲もなく、こうなってしまったわけだ。


『キジョウ・エト

  ジョブ:異世界民

  HP:82 MP:100

  ATK:10+5 DEF:20

  CO:--』


 まあ、毒と言っても、別に大したもんじゃない。


 HPを単位時間によって減らす、と言っても、減らす最大値は、攻撃で与えたダメージと同値のようだ。

 したがって、ATK8ならば、DEF20の相手に、2しか減らせない。

 それが終われば、自然に回復もする。


 毒を与えた噛み付きと合わせ、合計4のダメージを俺は受けたが、たった4だ。

 本当に、大したもんじゃない。


 いやあ、死ぬと焦って損した。

 どうして毒消しを買わなかったんだ、と心底した後悔を返して欲しい。

 せっかく新しい戦い方を身につけたと言うのに、幸先が悪いな。


 俺は落ち着いた心でブラウンスパイダーに向き直る。

 貴様には、もう1度、俺の新技の餌食になってもらう必要があるようだな。


 ブラウンスパイダーは、その俺の心の呟きを見計らったわけではないだろうが、まるで応えるように攻撃を仕掛けてきた。

 赤い線、青い線。

 俺は、俺だけに見えるその線にタイミングを合わせ、ブラウンスパイダーの顔と体を剣で叩きつける。


「よっと」


『ブラウンスパイダー

  ジョブ:毒蜘蛛

  HP:50 MP:87

  ATK8 DEF:12

  CO:骨折』


 ブラウンスパイダーは、その衝撃に、思わず攻撃を中止する。

 ここまでは、以前と同じだ。そして軽い攻撃で追撃を加えるのも同じ。


 しかしいつもなら、軽い攻撃を3度行なうが、今回は2度のみ。代わりに最後、軽い攻撃ではない、強烈な攻撃を1度お見舞いする。


 ただし、用いる武器は剣ではなく、足。

 そして狙う場所は、頭ではなく、8本の脚の内の1本。もっと細かく言えば関節部分。

 俺はその辺り目掛け、体重を重いきりかけ、強い言葉にするのなら踏み砕くように、踏みつけた。


『ブラウンスパイダー

  ジョブ:毒蜘蛛

  HP:39 MP:87

  ATK8 DEF:12

  CO:骨折』


 素手での攻撃は、HPへのダメージにならないため、最後の踏みつけはダメージと判別はされない。

 しかし、身体へのダメージにはなる。

 証拠に、ブラウンスパイダーは大きく怯んでいた。


 俺はすかさずそこに追撃を行う。

 強烈な攻撃ではなく、軽い攻撃を。それも、5度。


『ブラウンスパイダー

  ジョブ:毒蜘蛛

  HP:14 MP:87

  ATK8 DEF:12

  CO:骨折』


「ふう」


 ダメージになったのは4度だったが、大ダメージだ。

 1度の攻防で、2度の攻防分のダメージを与えられている。


 これが新たな戦い方。


 剣だけでなく、蹴りを使う。

 サイドビートルを倒す際には、毎度そうしていたが、他の魔物ではイマイチ効果を見出せず、使うことは少なかった。

 しかし、要は使い方だ。何事も。


 蹴りを、簡易な威力ではなく、全力で使えば良い。

 人が行える攻撃の中で、最も強いのは、おそらく踏み付け。体重の全てに、加速度を加えられるのだから、壮絶な威力になる。


 青い線が見えるおかげで、俺は予備動作の大きい攻撃でも当てられる。

 この戦い方を閃き、実践して結果を得られた際は、最高の気分だった。


 俺の時代が来た!

 と、そこまで思ってしまったくらいだ。


 5階6階と戦えば、大体6階の魔物を半分ほど倒した段階で疲労困憊になるのだが、今日は違う。

 発見できたのこそ、6階で戦っている今が最初だが、しかし、これで今日は6階の魔物を全て倒すまで体力も持つだろう。


 むしろ来週からは、7階まで行けるかもしれない。

 1度の攻防における与ダメージも上がるのだから、5階に入らず、6階と7階だけに入っていても良いかもしれない。

 それでも十分稼げる気がする。


 俺は、ブラウンスパイダーの残るHPも全て削り、6階の魔物達を順調に倒して行く。


 鼻歌混じりに。

 傍から見ても、自分から見ても、テンション高く。


 どうしてこんなにゴキゲンなのか、これは……、おそらく俺以外の人に言っても分かり辛いのだろうが、成長した瞬間、そんなようなもので、本当に嬉しかったからだ。


 今まで俺は、努力する、ということをしなかった。

 いや、小さな頃はやっていた。小学校4年生の時、野球を始めた辺りだろうか。


 周囲の同級生より始めた時期は2年も3年も遅く、また体も小さかったため、俺は一番下手であった。だから、その時は努力していた。

 毎日上手くなる実感を得て、純粋な気持ちで。本当にあの頃は楽しかった。


 そして俺は、4年生の夏の大会で、既にレギュラーになっていた。

 つまり並み居る同級生や、上級生をあっと言う間に追い抜いたのだ。


 それから、努力という努力はしていない。


 だから、この感覚は久しぶりだ。

 誰に気兼ねすることもなく、自身からも否定的な意見の出ない努力と成長。


 冒険者として、戦う職の従事者として、俺はまだ他の人達の実力を見ていない。

 天才しか届かぬ領域を、俺はまだ知らない。だから、なんだかどこまでも行けるような気がする。本当に、本当にどこまでも行ける気がする。


 だから、喜び勇んで当然だ。


 まあ、喜びすぎて、代わりに毒を食らったわけだが、それは置いといて。


 ……しかし、虫に骨ってあるんだなあ。知らなかった。やっぱり気持ち悪いな虫は。

 7階に行ったら、新しい虫が出てくる。それを考えるとやっぱり行きたくないね。8階に行けばあのゴキブリが待っている。まだ、全然虫の異質さに慣れていない。


 才能がなかったら、7階8階に上がるのにも、もうちょっと時間がかかるだろうに。自分の才能がうらめしいぜ。


 異世界生活14日目。

 2週間が終わって、中々良い展望が見えてきた気がする。


「いっってえ!」


『キジョウ・エト

  ジョブ:異世界民

  HP:79 MP:100

  ATK:10+5 DEF:20

  CO:毒』


 油断が、少なくできれば、なお良いな。


 本日の稼ぎは、最高記録。

 銀貨8枚と銅貨20枚だった。手数料を引くと、銀貨7枚と銅貨38枚。


お読みいただきましてありがとうございます。


今からちょっと強くなります。


今後ともよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ