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常識破りの異能者《レネゲイド》  作者: 凪
一章 未知ノ世界編
3/42

2話 遭遇

俺は爆音のした方向に振り向いた。

今までの平穏な街が一変、恐怖に包まれている。


「はあ...強敵登場イベント...こりゃまた...」

「ね、ねえ、どうしよ...?」

リーラが足を震わせながら肩にしがみついてくる。


「何びびってるのさ」

「いや、私乙女だし?戦えないし?」

女神じゃなかったのか。天罰やらでスパパパッとやってくれないかね。


「じゃあ、とりあえず見に行こうぜ。話し合いくらいは出来るかもよ?」

言い終わらないうちに、俺は歩き出していく。


「え、ちょ、ちょっと!」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「ЛЖДОБ♦ЖБИ」


「何言ってんだこいつ」

俺の前に立つのは、気持ち悪い...及び禍々しい見た目をした怪物。


「ИДЛДЖДДДЖ♦!?」

なんか訴えかけてるのは分かるが、伝わらん。うーむ、日本語が分からない外国人はこういう気持ちだったのか。

とりあえず、ふと思いつきで、『意識掌握』で話しかけてみる。


”もしもし、聞こえますかー”


”!?貴様、我の言葉が分かるのか...?”


”んあ、テレパシー中だけかもだが、まあ伝わる。”


成程、テレパシー中は意識を直接読み取るから、会話が成立するのか。


”...誠に無礼ながら、お主に一つ頼みがある。”

頼み?まあ、聞くだけ聞こうかな


”なんだ?”


”我、闇を司りし精霊なり。しかし、悪しき者どもの策略により、我の精神は蝕まれてしまった。現在、我が体に残るのは、強い破壊衝動と多少の意識のみ。だから頼む。名も知らぬ人よ。我の依代となってほしい。”

闇を司りし精霊?依代?ようわからんがつまり...


”このままだと暴走するから、その前に乗り移らせろと?”


”左様。無理強いはしない。だが、我は人類を愛している。傷つけたくは、無い。”


成程。まあ、悪い話かの区別はつかないが、悪い奴じゃなさそうだ。多分。...きっと。


”いいよ。引き受けた。...けど、どうすればいい?”


”ふむ、お主、『意思干渉系異能力』を持っているだろう?それを使い、魔力廻線を無理矢理こじつけるのだ。”


こじつけるのだ、て...また強引だな。...まあ、やるだけやってみよう。


”まず、魔力を全身に張り巡らせるのだ、出来るか?”


魔力を全身に...俺は、全身に血が流れる様なイメージをしてみた。すると、上手くいったのか、身体中が微かに痺れるような感覚に陥る。成程、コレが魔力か。

...ん?よくよく見ると、闇の精霊さんに幾つか紫の光のようなものが付いている。操り人形に付ける糸のような...


”見えた様だな。それが魔力廻線だ。我の魔力廻線を、自分の物に繋げるように意識してみろ。”

言われるがまま、そう意識した。紫の糸と、自分の白い糸が繋がった。

...刹那。

「う、ぐ、おおぉぉぉ...」

思わず嗚咽が漏れてしまうほどに強い衝撃が身体を襲う。なんというか、超巨大扇風機に最大出力で吹かれているかのような感覚に。


”一発で成功しよるか。やはり、我が目に狂いはなかったと捉える。後は託したぞ。名も知らぬ者よ。”


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「...っぐ、はぁ、はぁ......」

脱力し、堪らず地面に体を放り出す。


「速いわよ貴方...って、あれ、どうしたの?」


「なんだ、遅いぞリーラ...もう、全部終わった。」


「は?終わったって...っ!?」

突如としてリーラが息を呑む。


「あなた、何よその魔力...?」

「は?」

聞くと、闇だか光だか分からないぐちゃぐちゃの魔力が、俺の体を包んでいたという。成程、闇の精霊を取り込んだから、魔力も混ざった訳だ。


「いわば混沌カオスね...」


ぶつぶつと呟いたリーラだが、やがてその顔を上げ。途轍もない現実を俺に突き付けるのだった。


「貴方、学校は?」

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