美しい文章の考察
正直な話「同じ助詞を多用しないように気を付けよう!」というだけの内容なのですが、それだと味気ないので考察交えて書きました。暇な時に読んで参考にして貰えたら幸いです。
タイトルから想像できるかと思いますが筆者は理系出身なので、詩的な表現や効果的な文構成などというようなものは分かりません。
ここで話に挙げる美しい文章とは「語呂の良い文章」のことです。
本内容的に言い換えれば「内容を誤認させることなく、直ぐに理解できるような文章」になります。
私はこれを執筆するまで多くの作品を読んできましたが、語呂が悪いなと思うことが度々ありました。それは単純に内容が前後して理解しづらくなっている場合だけでなく「~だが、~だが」などといった同じ接続助詞の多用や、同じ文章内に「が」「は」が多用され主語すら区別出来なくなっていた場合もあります。特に後者は連載物に多い印象ですね。
何故このようなことが起きるのかと言うと、それは「日常会話で使用する回数の多い単語である」ということが大きいのだと思います。……もちろん現実世界での話ですよ?
咄嗟に口を衝く単語が文章内にも現れてしまうということです。
もちろん、全部が全部理解しづらくするわけではありません。先の文章で挙げるなら「咄嗟に口にする単語~」という表現もできますが、この文章を理解しづらいと考える人は少ないと思います。それは副詞となる「咄嗟に」が複雑な表現ではないためです。
単純な表現における助詞の重複は、日本語にとっても違和感の少ない表現なのです。
ここで読者の皆さんに考えて貰いたいのは日本語の利点とは一体何なのかということです。
日本語といえば漢字交じりの表現がほとんどですから、「意味が理解しやすい」ことを挙げる方が大半だと思います。しかし私が推察するに、日本語の文章で特筆すべきなのは助詞の多様性と相互補完性とにこそあるように思われます。
日本語の助詞は非常に優秀です。「に」と「には」のように細かな表現の違いを表すことができます。それでいて「に」は様々な用途が存在しますし、その一部は「へ」でも代用できます。他にも多用されることの多い一部の助詞は同じ内容を含む助詞が別にあります。それはまるで主語同士、目的語同士を区別するために存在するかのようです。
日本語の助詞は微に入る表現が出来るだけでなく、誤認を避けるために助詞を取り替えることも出来る助詞なのです。
この利点は有効活用すべきだと思います。「1つの文章内に同じ助詞は1つに抑える」ことを意識するだけで文章が遥かに読みやすくなるのですから、活用しない手はありません。見直す際も「同じ助詞」をパッと見返すだけですからそれほど手間にはならないと思います。
(慣れない頃に手直しをする際は結構な手間が掛かるかもしれませんが……)
最後に、本作品は「助詞の重複を出来るだけ避ける」ことを意識して作りました。本内容の参考にして下さい。
Wikipediaの助詞の項目に詳しい説明がありますので「同じ助詞を1つに抑えるとかそんな咄嗟に思いつかないぞ」と言う方は一度覗いてみて下さい。正直私は「こんなにあったかな?」とか「知ってる用法がないぞ……(『~が一人』のような『〔名詞〕が〔名詞〕』の用法は連体詞の項目に載ってた)」とか思いました(汗)
また本内容は、助詞の使い方を意図的に崩すことをより効果的にもすると思います。普段気を付けることで強調表現として中々有効な手立てになるかと。