三 一歩目から躓いた
【攻略】絶望的状況から頑張って姉君を落とそうとする弟君を応援しよう!【不可能?】
24:忍者に憧れた狼男
それでは満場一致で、バイト吸血鬼は置いてきたのだが( ´艸`)ププッ
25:花屋のバイト吸血鬼
おい、何でだよ!俺も連れてけよ!!
26:凡夫な弟君
ごめんね、今日は寝袋持ってきてないんだ
夜は体育座りをしてると温かいよ?
27:綺麗な真っ黒人形
弟君wやったことあるの?ww
28:凡夫な弟君
昔に姉ちゃんと張り合ってて……気付いたら
姉ちゃんはベッドで寝てた(´・ω・`)
29:淫魔(笑)な糖分女
夜中に一人で体育座りwww
しかも競争相手の姉君は忘れてベッドとかwww
30:闇堕ちした元王女
弟君w姉君の口車に乗せられてるでしょwwx
31:忍者に憧れた狼男
アホすぎるww何故そんなことしたしwww
32:凡夫な弟君
負けず嫌いな年頃の少年だったんだよ…。仕方ないじゃないか……
33:花屋のバイト吸血鬼
先ずはそれが下らないことに気付けwww
34:淫魔(笑)な糖分女
>>33も今の状況は人のこと言えないでしょw
大の男が夜中に一人街の外で体育座りですかww
35:忍者に憧れた狼男
ままー、あのお兄ちゃん何やってるのー?
36:綺麗な真っ黒人形
しっ、見ちゃいけません!
37:闇堕ちした元王女
そして子ども達からお菓子を恵んでもらって暮らす……
>>33
凄い似合ってるww
38:花屋のバイト吸血鬼
お前らどれだけ人のこと放置するつもりだ?!
39:凡夫な弟君
入ってきた門とは逆の方角から出ようか(・∀・)
40:忍者に憧れた狼男
>>39
自分が標的じゃないととことん攻めるでござるなw
41:花屋のバイト吸血鬼
(゜◇゜)ガーン
>>39
俺とお前の仲だろう?
42:淫魔(笑)な糖分女
>>41
kwsk
43:闇堕ちした元王女
>>42
食いつきすぎww
44:花屋のバイト吸血鬼
>>42
重病だな
45:綺麗な真っ黒人形
>>44
NDK?NDK?
46:花屋のバイト吸血鬼
一人とか寂しすぎて死んじゃいそう( ノω-、)クスン
47:忍者に憧れた狼男
吸血鬼が夜に一人が寂しいとかww
48:花屋のバイト吸血鬼
皆旅行に行ったのに自分だけ風邪で行けなかった時の気分
49:淫魔(笑)な糖分女
そして話に着いていけなくなると…
50:凡夫な弟君
やめたげてよぉ(´;ω;`)ブワッ
51:闇堕ちした元王女
そう言えば弟君が経験してたねww
52:忍者に憧れた狼男
大丈夫でござるよ
拙者は弟君を蔑ろにしないでござるよ(・∀・)人(・∀・)ナカーマ
53:淫魔(笑)な糖分女
やはり弟君×狼男…wktk
54:綺麗な真っ黒人形
弟君が汚されていくww
55:忍者に憧れた狼男
拙者の心配もして欲しいでござる
56:闇堕ちした元王女
そう言えば前に、狼男の春画の噂を聞いたんだけど
57:忍者に憧れた狼男
えっ
58:綺麗な真っ黒人形
えっ
59:花屋のバイト吸血鬼
えっ
60:凡夫な弟君
えっ
61:淫魔(笑)な糖分女
キタ━(*゜∀゜(゜∀゜*)゜∀゜*)━ッ!!
62:花屋のバイト吸血鬼
それ初耳なんですけど…
63:闇堕ちした元王女
女子会での話題で出たよww
64:凡夫な弟君
女子会と言うより腐会だね…w
65:綺麗な真っ黒人形
女子会が腐ってるとか嫌すぎるww
67:花屋のバイト吸血鬼
俺もうこれからどうやって生きていけばいいんだよ……orz
68:忍者に憧れた狼男
職が増えたと思うでござるよ
69:花屋のバイト吸血鬼
嫌すぎるよww
70:凡夫な弟君
あ、目的の場所に着いたから、そろそろ戻るね
71:綺麗な真っ黒人形
私も
72:闇堕ちした元王女
頑張って~
73:花屋のバイト吸血鬼
え、なに?今バラバラなの?
74:淫魔(笑)な糖分女
そ、結構広いから、3、2で別れて歩いてるの
75:花屋のバイト吸血鬼
ほ~
「よし、それじゃあ行こうか」
「…ん」
僕は隣にいるユイの手を引くと、人で賑わう酒場の中へと入っていく。
僕たち魔族は、人間界にいる種族たちにとって敵だ。どんなに姿が人間に近くても、僕たち魔族はたった一つだけ、人間と違うことがある。
それは瞳の色。僕たち魔族は夜になると金色の瞳へと変わるのだ。それが、魔族と見分ける唯一の方法。その為、人間界にいるときは瞳を隠すか、何らかの方法で瞳の色を変えなくてはいけない。
フランケンシュタインのユイは、厳密には魔族でない為、僕の様に瞳を変える必要はない。僕的に少し羨ましいけど、彼女的には疎外感を感じるのかもしれない。あ、ちなみに僕は魔法で瞳の色を変えている。服は皆の妨害によって着替えることが出来なかったけど…。
「すみません」
「あ?ガキがこんな所に何のようだ?迷子にでもなったか?」
酒場の店主の言葉に、客が笑い出す。こういう所は結構苦手だ。何というか、非常に話しづらい。
「…ガキじゃない。それより、聞きたいことがある」
上手く話せない僕に代わって、ユイが店主に質問を始める。男としては情けなく感じてしまうが、少しだけほっとしてしまう自分がいる。そのことに嫌気が差しながら、僕は二人の会話に意識を向けた。
「俺は可愛い子達の頼みには弱くてな。何でも聞きなぁ!」
そう言って豪快に笑う店主。思ったより良い人らしい。
店主の台詞に客の何人かがナンパかよ、とヤジを飛ばす。というか、この人今可愛い子"達"って言ったよね?やっぱり僕は女の子に見えるのだろうか……地味にショックだ。
「此処はーーー」
「ああ、そこに行くんだったらこの道を通ると良い」
「…把握。じょあ、この魔物は何処でーーー」
「こいつは寒冷地にしかいねえからなぁ。此処からは相当遠いぞ?それにそこいらの戦士じゃ歯が立たねえ」
「…なる程。ありがと」
そう言ってメモに書き足していくユイ。なんか僕、ホントに役に立ってないな。
「あの、勇者…って言う人のことについて何か知りませんか?」
「知ってるぜ。俺も噂でしか聞いたことはねえから、役に立つかどうかは分からねえが…何でも化け物じみた強さらしいな」
魔族最強なので。
「山一つ消し飛ばしたらしいぞ?」
すいません。姉が迷惑をかけて。
「あんなのと戦える魔王ってのは相当な強さなんだろうよ」
すいません、ただのヘタレな男です。殺すことも出来ないヘタレ魔族なんです。
僕は静かに、ありがとうございますと言ってそれ以上の質問はしなかった。
ユイも必要最低限のことたけを聞いて終わり、僕達は酒場を出て行った。
「どう思う、ユイ?」
先程の酒場の店主の話。魔族である筈の姉ちゃんが、どうして人間のために身を張るのかが、僕には分からなかった。僕に鬱憤を晴らしたいだけなら、特に人間に味方する必要もない。まぁ、気分と言われてしまえばそれで終わりなのだが……。
「…分からない。もしかしたら、何か目的があるのかも」
どうやら僕と同じ考えらしい。どれだけ経っても、姉ちゃんの考えは分からない。
「取り敢えず、皆と合流しようか」
「…ん」
僕の言葉に頷くユイ。先に皆に連絡しておこうと、僕は携帯端末から何時もの板へと飛ぶ。
82:花屋のバイト吸血鬼
緊急事態、人間に見つかった
83:忍者に憧れた狼男
>>82
マジでござるか
拙者らも情報が集まったら脱出するでござる
先に逃げるでござるよ
84:花屋のバイト吸血鬼
了解
後でまたこっちに来る
「……え?」
アルカードからの報告に、思わずその場に立ち止まる。それを怪訝に思い、ユイが僕の携帯端末を覗き見た。
「…ドジ。弟君、私達もすぐにこの街を出よう」
「大丈夫かな?今出て行くと逆に不審に思われると思うんだけど…」
「…大丈夫。顔が見られなければ良いから。それに弟君の魔法もある」
「分かったよ」
85:凡夫な弟君
情報は手に入れたから僕達も脱出するね
僕はそれだけ書き込むとユイと共に早足でその場から去っていく。
「門からでない方が良いね」
「…ん。外壁から一気に外に出る」
大通りから外れ、裏道を通って外壁の前にでる僕達。
「"加速"」
僕が使える中で最も得意としている魔法。文字通り、ただ速くなるだけの魔法。いや、便利なんだよ?大体逃げきれるからね?
僕は助走を付けると、一気に外壁を駆け上る。そしてそのまま、外壁の外へと身を投げた。
「……っ!?やっば無理!怖い、凄い怖い!!」
強風に顔を叩かれながら、僕は空中で叫ぶ。思った以上に外壁が高かったらしい。凄い怖い、マジで怖いです。
「スカート!スカートが!?」
当たり前のように、風でスカートが捲れてしまう。それを防ぐには手を使うしかないが、それに集中してたら上手く着地出来ない。
「え!ユイ、どうやってるのそれ!?」
ユイは一体どうしてるのかと隣を見れば、ユイのスカートは手で押さえていないのに、全く捲れていなかった。ていうか、ホントにどうやってるのそれ!?凄い教えて欲しい。
「…スペックの違い」
「ぐふっ!?」
凄い心に深く刺さった。何か、もうあれだよ。諦めて死ねる気がする。
「……っ!ゆ、ユイ!助けて、ヘルプ!凄いヘルプ!!」
ごめんやっば無理。死ぬとか無理。ヘタレにはこんなの出来ないよ!
「…予想してた」
もう皆の僕への印象が情けない男にされてる気がする。
ユイは地面に先に着地すると落ちていた僕をキャッチした。う、嬉しいけど恥ずかしい……。女の子にお姫様だっこをされるとか一生物の恥だよ。
「…軽い……っ!」
ユイは何か驚嘆した様子で僕をみる。え、僕また何かやっちゃった?
ユイは僕をお姫様だっこしたまま、何か思案する。と、取り敢えず恥ずかしいから降ろして欲しいんだけど…。
「…あ、女の子だから」
「違うよ?!僕は女の子じゃないよ!!」
皆どれだけ僕のことを女の子にしたいんだ。ユイは僕の言葉を無視し、一人納得したように頷くだけだ。
「ゆ、ユイ!そんなことより早く行こう!」
これ以上変なことを言われないためにも、僕はユイの手を引いて走る。
ユイと共に隠れながら、なるべく速く夜の闇の中を駆けていく。
85:綺麗な真っ黒人形
脱出成功
「…報告しといた」
「了解」
ユイの言葉を聞いて頷く僕。あの街からは大分離れたし、そろそろ速度を緩めても良いかもしれない。
「…あ」
「なにかあったの?」
ユイの呆けた声に僕はユイへと顔を向ける。ユイは少し待って、と言うと携帯端末を取り出した。
86:綺麗な真っ黒人形
弟君、凄い軽かった。女の子疑惑急上昇!
「何やってんの」
携帯端末の画面を覗いた僕はユイの頭を小突く。何やってんのこの子。
87:花屋のバイト吸血鬼
kwsk
89:忍者に憧れた狼男
kwsk
90:淫魔(笑)な糖分女
kwsk
91:闇堕ちした元王女
kwsk
92:凡夫な弟君
食いつくの早いよ!て言うか、君ら絶対余裕でしょ!!?
何でこんな時に限って……。皆緊急事態とか言っておいて、絶対お遊び感覚だろ。何か僕だけ焦ってたみたいで凄い恥ずかしいよ!
「…弟君、皆はもう先に行ってるって」
「はぁ!?」
そりゃ余裕があるわけだ。とっくに逃げおおせてるなんて聞いてないよ。
「…何やってるの?早く行こう?」
「分かってるよ!」
「…?」
何で怒ってるの分からない。そう言いたげに小首を傾げるユイ。僕は早く追いつこう、と催促して闇の中へと再び駆けていった。
大体こんな形式で進んでいく……かも?