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告白-楽屋落ちシーン&NGシーン-

~楽屋落ちシーン~


先輩が僕のベッドの横で雑誌を読んでいる。

すると、とたんに大声で笑いだした。


「?先輩どうしたんですか?」


必死に果物を食べている僕は、口をもごもご言わせながら、先輩に尋ねた。


「お前、よく「天涯孤独のアイドル」って書かれるじゃない。」

「あー…あんまりそう呼ばれるの、好きじゃないですけど…」


僕は「はい、先輩」と言って、百合さんが切ってくれたリンゴを先輩の口に放り込んだ。

先輩は「もう果物は飽きたよ。」と言いながら、リンゴをかみ砕いている。


「で、何を笑っていたんですか?」

「あ、そうそう。今、お前なんて呼ばれていると思う?」

「??わかりません。…なんて書いてあるんですか?」


先輩はくすくすと笑いながら、雑誌の1部を指で指し示した。僕は、そこを覗き込んだ。


「病院の似合うアイドル?」


先輩が再び大声で笑い出した。僕は不機嫌になった。


「…すっごく、嫌い…」


そう呟くと、先輩はお腹をかかえて、なおも笑い続けた。

…しばらく、黙ってくれそうもない。



~NGシーン~


明良と明良の姉のキスシーン

固定カメラでの録画。

スタッフが位置を確認して、その場を離れる。

川辺のセットにすわっている明良と姉。明良は両膝をこすったりして落ち着かない様子。

姉がそんな明良の背中を叩いて、励ましている。


明良「あー…緊張する…。」

姉「(笑って)大丈夫、大丈夫。」


スタッフの声「はい、行きます!」


明良、ひとつ息を吐いて、姉に向く。

姉、真面目な表情になって、明良に向く。


カメラの前にシーン番号のかかれたスケッチブックが映り「よーいスタート!」という声とともに消える。


姉、目を閉じる。

明良、姉の背に手を乗せる。2人の顔が近付く。


明良「(唇が触れる直前)姉さん…ずっと…」


「へーーくしょん!!」


明良「!?」


明良と姉が目を見開いて、固まる。

スタッフの遠慮がちな笑い声がする。


明良が振り返って「誰?今の誰?」と笑いながら言う。

姉も明良の後ろから顔を出すが「えー!?勘弁してよー!」と言って笑っている。


明良「監督?監督なの?」


明良そう言って、手を叩いて大笑いする。

スタッフの笑い声が続いている。


姉「明良君、行こ。(笑いながら明良の手を取って立ち上がる。)」

明良「え?」

姉「(笑いながら)静かな所に行こう。(明良の手を引っ張る。)2人きりでやろう。」

明良「(手を引かれて立ち上がりながら笑う)」


2人の姿が、カメラから消える。

スタッフの笑い声が更に大きくなる。

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