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宛兎磨学園の日常  作者: onmayuko1119
第1章 宛兎磨学園の恐怖
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第5話 怪しい雲行き





(…ふふ、懐かしいわ。出会ったばかりの頃は、彼の態度の悪さにびっくりしてたっけ。

冷静で、合理主義。そんな人だと思っていたけれど…、本当は________)


ガタンッ

道路に窪みでもあったのか、低めの車体が大きく揺れる。


「きゃっ、」

「申し訳ございませんお嬢様…!お怪我はございませんか?」

「びっくりしただけだから平気よ。心配しないで。」

「お怪我がないようで安心いたしました。具合が悪くなられましたらお申し付けください。」

「ふふ、ええ。ありがとう。」


(もう、過保護なんだから……いいえ、心配性なんだわ。いつかザビエルが増えそう…。)

なんてことを考えて、1人でくすくすと笑っているとふと鏡に映る自分と目が合った。


(……っは!?やばい、髪の毛ぐしゃぐしゃ!!こんなのを蓮くんに見られたら…!)


-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

〜頭の中の蓮〜

「はぁ、君がそんなにだらしない人だとは思わなかった…。俺たち、別れよう。」

《※付き合ってません。》

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(いやぁぁ!?!?!?蓮くんに幻滅されて……捨てられちゃう!!!!)

《※付き合ってません。》



3分ほどで着くはずの距離だからすぐに着くのだが……、


「…、あと何分くらいで着くの?」

「……道が混雑しておりますので、あと3分くらいでしょうか。」

「そう……ありがとう。」


少し困ったように眉を下げた冨樫に告げられた時間に少しもどかしさを感じるが、落ち着きを取り戻すために背もたれに身を任せる。


それから少し、車に揺られていると、今までよりわずかに大きい車の振動を感じた。


______着いたの…!?


早く行きたいという気持ちを我慢できず、勢いよく起き上がる。


「着いた!?」


「えっ?……えぇ、着きましたよ。」


困惑する冨樫をよそに、急いで車を降りる。


「送ってくれてありがとう!!行ってくるわ!」


萌仁香が、急ぎつつも美しい姿勢で去ってゆくのをポカン…として見つめていた彼だが、次第にハッとして、挨拶を返す。


「ええ。行ってらっしゃいませ、百仁華お嬢様。」


(あんな事件が起きたのに…、お嬢様は元気で励ましてくださる。此方も切り替えて、犯人を見つけ出さねば。もう、同じ轍を踏むものか。)


冨樫が、いや、氷刃家に仕える者全員が復讐の炎に燃えていることを、百仁華はまだ知らない。










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