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宛兎磨学園の日常  作者: onmayuko1119
第1章 宛兎磨学園の恐怖
3/6

第2話 氷刃百仁華の朝




 ________チュン、チュピチュピ__________ウッキャァァーー!!!


 さわやかな春のそよ風と、かわいらしい小鳥の囀り(?)で目を覚ます。


 ぅぅうん。もう朝?……きっとまだ大丈夫よね。そうとくれば二度寝を…



 _________________ウッキョェェェェーー!!!!!! コケッコケェェェェェェ!!!!



 いや、うるせぇわ!!嘘でしょ、!?こんなうるっっさい鳥なんているの!?


 _____コォォォォケコッッッッッッッッッッッッコォォオォォォォォォ!!!



 あぁぁぁぁ、頭痛が痛い……………。一体どうなってるのよ…、

 もぉ…、こんなにうるさい中で寝られるわけないわ、二度寝は無しね。


 それで………ここは保健室、、ではないわよね…。どう見ても、私の部屋だもの…。

 それにしてもおかしいわ…私、昨日どうやって帰ってきたのかしら?


 昨日、入学式と始業式の打ち合わせをして、生徒会室の戸締りをして…、それから……?



「……そうだわ、意味のわからない、…あの…アレよ。あの…、アレを見たの、アレよ。」


「…お化けじゃないですかね、お嬢様が見たの。」


「そう!お化けよ!そうそう、それそれ。スッキリしたわー。はっ、もしかして宛兎磨学園の七不思議ってほんとの話だったの?!

 ……ってきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


「はぁ…、おはようございます、百仁華お嬢様。お元気そうで何よりです。」


「お、おはよう…。急に話しかけるのやめてもらえるかしら???」


「そろそろ慣れていただきたいです、もう12年の付き合いなんですから。」


「無理よ、私が怖がりなの知っているでしょう?」


「そう、ですね。…もう12年の付き合いですから。」


「ね?私のこれはもう治せないのよ!」


「はぁ、自慢げに言わないでもらえますか?誇れるところではございません。」


「むぅ、腑に落ちない……。ところで、お元気そうで何よりってどういうこと?

 私、どうやって帰ってきたの?……昨日のこと、ほとんど覚えていないの。」


「切り替えの速度がえげつないっすね、お嬢様。

 ……お嬢様は昨日学校で倒れていたんですよ、びっくりしました。もう。

 ですから、あれほど夜の学校にはお気をつけくださいと、何度も言いましたのに。」


「むむむ、だって、あんなお化けが出てくると思わないじゃない!あり得ないわ!」


「まぁ、お嬢様のいいところですよね。……その能天気なところ。

 愛すべきバカとはよく言ったものです。」


「はぁ?貴方ねぇ、誰のおかげでここにいると思っているの?

 この私が能天気ですって……?……………、あながち間違いではないわね。」


「あ、認めるんですね。能天気お嬢様?」


「………。」


「ゴフッッッ」


「愛の鞭、よ。喜びなさい。」


「うぐ……。み、鳩尾に拳を入れるとは…少々愛が足りないのでは?」


「あら、おかわりが欲しいの?もぉ、仕方がないわね…。」


「お、お嬢様、可愛い所作で殴ろうとしないでください…!!」


「こほんっっ!

 ……百仁華お嬢様、ご主人様がいらっしゃいました。お通ししてもよろしいですか?」


「ええ、もちろん構わないわ。」


「っちょ、え゛」

 紀之守が何か言ってるけど、気にしなぁい気にしない。


「おはよう、百仁華。体調は大丈夫かい?今日は始業式だからな。」


「おはようございます、お父様。ええ、もうすっかり元気よ。学校に行くのが楽しみだわ!」


「はは、それは良かった。無理だけはしないように。

 それから………、?どうした紀之守。お前も体調が悪いのか??」


(まぁ、お父様ったら。紀之守に気づくのが少し遅いわ、初めに気づかなくちゃ。

 ふふ、紀之守も可哀想にね…、私たち氷刃家の人間に気に入られてしまったなんて。)


 なんてことを考えていることなどおくびにも出さず、紀之守の声を遮って代わりに答えてやる。


「ふふ、きっと私が元気になって嬉しいのだと思いますわ。」

「な………あ゛っ……!?」


 もちろん、お父様の前だから、紀之守を心配する《《フリ》》も忘れない。

(見えないように紀之守の手の甲をつねるのも忘れない。)


「そうかそうか。やっぱりお前たちは仲がいいなぁ。いいことだ。

 さ、もうすぐ出発の時間だ。進学式に遅れないようにな。」


「もちろんですわ、お父様。ではまた後ほど。」


「あぁ。」


 お父様が踵を返して私の部屋を出ていく。パタン、とお父様の秘書である館風一颯(たちかぜいっさ)が扉を閉めるのを見届けた後、


「ゴハッ」


「うう…お、お嬢様、ゴリラですか?力強すぎでしょう……。」


「あら、クビにされたいのならハッキリ言ってくれる?お父様に進言して差し上げるわ。」


「すんませんでした!お嬢様のだぁぁい好きなル・コワン・ドゥイエのショートケーキワンホール、ご主人様に内緒で買ってきますから!」


「………まぁ、許してやらんこともないわ?」


「よっしゃチョロ!お嬢様ってやっぱ単純…しかも食い意地張ってる………。」


「聞こえてるわ、ワンホール追加。」


「うああああああああああああああああああああああ!!」





 紀之守回収隊の皆さんが来て、無事、紀之守は回収されていった。





 ___________あぁ、そういえば 

 _________________倒れていた私を運んできてくれたのはいったい、誰だったのかしら…?





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