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世界は愛おしい!  作者: 終マ2
1章 曙の道
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5話 少女はえろえろしい!

「話をまとめますと、まず神里さんは細心の注意を払ってお風呂に入り、明里ちゃんはイヤホンを着けてて気付けなかった……ですね?」

 大川さんは迷うことなく言葉を続ける。

「明里ちゃんが完全に悪いです」

「で、でででででも!こいつ、見たし!(・・・・)み、見せられたし!(・・・・・・・)

 柚伏さんは頬を赤く染めながら声を荒げて反論する。しかし、大川さんは声のトーンを変えずに

「自業自得ですよ。それに、被害者は神里さんの方です。しっかりとノックをして、入ったのにシャンプーを投げられて、その…見られたんですから」

 大川さんがこちらを向きすぐに目を逸らし、赤面する。


 そう、あのあと大川さんは騒ぎを嗅ぎつけてお風呂場に来たのだ。そして大川さんはそびえ立つ塔を見たらしい。それに、その時後ろには八潮さんがいたらしい。


 つまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 今すぐにでも居間を出て死にたい。


「と、とにかく、明里ちゃんはもうお風呂でイヤホンを着けない!いいですね?」

「………わかっ…た……」

 でも、と柚伏さんが続ける。

「アタシの部屋に入ったらぶった切る(・・・・・)から」

 そう言い残して、居間から出て階段を駆け上った。

 

「とりあえず……お風呂に入って来たらどうですか?」

 そうですね…と言葉を残して、風呂場に向かった。


-・・・ ・・--・ ・- -・・・ ・・--・ ・-・-・


 あのあと、何も問題なく風呂を使うことができ、寝る準備をしている。

 もう歯は磨いたので、あとは布団を敷き、寝るだけ。


 のはずだったんだが、アルバムやら懐かしいもので散らかっていて片付けなければならない。

 昼に荷解きしたはずなんだがな。不思議なこともあったものだ。


 とりあえず布団の領地だけは確保しよう。


 俺はアルバムやらをダンボールの上に置き、布団を敷く。


「それにしても、紐で電気消すの婆ちゃんち以外したことないな」

 懐かしいな……昔は妹と泊まったけな。


 でも、今は婆ちゃんたちは……


 家売ってお洒落なマンションに引っ越しちゃったからな。

 俺もあのマンションに引っ越したいな。トラブル少なさそうだし、あそこ。


 俺は紐を3回引っ張り電気を消す。この動作も懐かしいな。


 暗闇の中歩いて布団に潜る。


 婆ちゃんたち元気かな?ここの生活に慣れたら行ってみようかな……………








 




  ガタンゴトンガタンゴトン

 体が揺らされ、ふと目を開ける。


 目の前には青い海とゴミがチラホラと転がっている砂浜が広がっていた。

 席から立つと裸足だということに気づく。指の間に砂が入り、温かい。

 右足を前に出す。

 す

     っ

   転

  ん

    だ


 ゴンっ!と頭を打つ。

 打ったところから血が出る。

 カランコロンと鉄バットが転がる。

 血が冷たいコンクリートに滴る。

 あたりを見渡すと薄暗い工場にいた。

 上を向くと


 パッと明かりがつく。

 光源を手で隠し、目を細める。

 反射的に顔を下げると、おびただしい数の2色のサイリウムライトが輝いていた。

 うぉぉおおおお!!

 と観客が沸く。

 後ろから歌声と足音が聞こえる。

 振り向くと


 机、椅子が並べられ、奥には1つロッカーがある。見慣れない教室だ。

 廊下の方から足音が聞こえ、ふとそちらに視線を移す。

 何もいない。

 扉を開けて、屋上に向かう。

 階段を上り、ドアを開けると、夕焼けの空が広がり、その下に少女が立っていた。


 地につくまで伸びた長い黒髪、紺色の瞳は丸くて大きく可愛らしい。身長は俺より頭1.5つ分低い。小5くらいの見た目だ。

 彼女は手すりに捕まり黄昏れている。

 風が吹き、髪がなびく。

 少女がこちらに気づき振り向いた。

 ほんの数秒見つめ合う。

「久しぶりだな」

 口を開いたのは俺だった。

 少女が誰かはわからない。でも、タメ口するぐらいには仲が深い。そんな気がする。

 少女は目を丸め、驚いた表情をする。

「……まさか、喋るとはな」

 少女は手すりから手を離し、こちらに数歩歩み寄せる。それでもまだ数メートルくらいは距離はある。

 少女の表情から驚きが消え、目つきが鋭くなる。

「この調子じゃと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それにしても…と少女は言葉を続ける。

「お主の頭の中じゃというのにお主の記憶にない景色まで出てくるとはな……()()()()()()()()()()

 少女はゆっくり歩み寄り、俺の胸に手を添える。

「汝なら()()()()()()()()()()()()()()()。期待しているぞ、司よ」

「任せとけ。俺が()()()()()()()()!」

 少女は胸から手を離し、俺に飛びかかり首の後ろに腕をまわして俺を前のめりにする。少女の顔と俺の顔は目と鼻の先にある。

「気に入ったぞ。その言葉、信じよう」

 ふと唇に温かい感触。表面がザラザラとした湿ったもので口を強引に開けさせられる。

 少女の唾液が俺の口に流れ、俺の唾液が少女に奪われていく。


 数分、少女のされるがままにされたあと、唇の感触が消えた。


「これで、妾たちは運命共同体(・・・・・)じゃ」

 少女の鼻からゆっくりと血が出てくる。

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