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世界は愛おしい!  作者: 終マ2
2章 復讐の道
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22話 勝利は楽しい!

 俺は椅子を蓮井に向かって投げる。もちろん、蓮井はすんなりと避ける。

 また俺は椅子を投げて、距離を取る。また蓮井は避けて、距離を詰めてくる。

 またまた俺は椅子を投げて距離を取る。またまた蓮井は避けて距離を詰めてくる。

 またまたまた俺は椅子を「やかましい!!!」


 蓮井は後ろポケットに手を入れて、炎を投げる。


 俺は炎を避けて、その勢いで教室から出る。

 廊下を走り……




 いない……

 廊下には誰の姿も見えない。

 クソ!またまかれた!


 どこに行きやがった!?

 辺りを見渡…

カランカラン

 隣の教室から何か音がした。

 俺は音の発生源に近づく。


 そうだ。あの短時間で消えることなんてあり得ない。隣の教室に移動して身を隠してるんだろ?でも甘かったな。

 俺は扉を開け…………






 水が入ったバケツを背後から掛ける。

「なっ…!!」

 蓮井はすぐに距離を取る。

「これでもう火は出せないだろ」

「てめぇどうやって……」


 俺が蓮井の背後にいたのにはちょっとした小細工をしたからだ。

 教室から出た俺はすぐに飛び降りた。そして手すりに捕まり、蓮井からは手しかできないようにしたのである。しかし注意深く辺りを見られるとバレてしまう可能性があったので、隣の教室に空のバケツとスマホを紐で繋げ、スマホを落ちるか落ちないか位きわどい椅子の少し斜角のある端に置く。バケツは机に置く。大川がスマホに電話をかけると、バイブレーションの振動でスマホは落ちて、紐に引っ張られてバケツが落ちて音を立てる。


 そしてその音に釣られた蓮井の背後で、俺はよじ登って、あらかじめ用意していた水が入ったバケツをぶっ掛ける。水を掛ける理由は蓮井の異能力(アビリティ)が関係している。


 彼が火を投げるとき、手が黒くなっていた。あれは推測に過ぎないが炭だ。火を投げるには有機物が必要になる。そう思った俺はその炭をどこにしまっているのか探るため、威嚇をして火を投げるように誘導した。そのとき彼は後ろポケットに手を回したあとに火を投げたことから、そこにあるのだと確信してそこに目掛けて水をかけたのだ。

 もとから後ろポケットに炭を仕組んでいるのではないかと思っていた。だって、前ポケットは黒ずんでいなかったし、膨らみもなかった。しかし確信もなかった。

 もしあのときに火を投げていなかったら確信が持てないまま水をかけていただろう。結果的には予想も合っていたから問題はなかっただろうが。


 しかし、ここまで事が上手くいくとは清々しいな。


 まあこれで蓮井は炭が濡れたことで火は投げられない。

 推測上、蓮井の異能力(アビリティ)は〚温度を上げる〛ことで火を生み出すものではない。だから、空気中の物質だけじゃ火が出せないだろう。


 焔の錬金術師ごっこはもうできやしない。


「惜しかったな。もうあんたの火は使えないぞ」

 蓮井はゆっくりと振り返り、素敵な笑みを現す。

「みつけた」

 蓮井は俺に飛び掛かる。

 その勢いは凄まじく、背中に手すりの金属の冷たさが伝わる。足の地面についていた感覚はなくなり、足だけなら飛んでるかのようだ。


「一緒に落ちようよ」

 俺は胸ぐらを掴み、体に力を入れて手すりから落ちる。

 2階分の高さから落ちる感覚は、一瞬の落下感だけだった。


 頭や首に強い衝撃が来る。頭蓋骨は割れて、首が折れる感覚だ。

 蓮井は背中から落ちて悶えている。どこか骨折しただろう。


 意識を失いかけるが、妙にサッパリした意識のまま立ち上がる。

「俺たちの勝ちだ。残念だったな」

「…ま、まだだ………アイツ(・・・)がお前を……!」

 蓮井は言いかけて気を失う。


「大丈夫ですか!?」

 大川が俺に心配しながら階段から駆け下りてくる。

「大川、お前がいなければこの戦い、勝てなかったかもしれない…」

 だから


「俺の女にならないか」

 顎に手を添えて、顔を近づける。

 そして………


「すみません。それはちょっと」

 身体が後ろに引っ張られて無理やり距離を取らされる。後ろには誰もいないので大川の異能力(アビリティ)だろう。

「恥ずかしいのか?子猫ちゃん?」

「それよりもお2人から話を訊きましょう」

 大川は背を向けて蓮井の方へ行ってしまう。少し蓮井の様子を見てからスマホを取り出して誰かに電話を掛ける。

「宮黒さんですか?詳細は省きますが、2人が気絶してしまってどうすればいいでしょうか」


「そんなの連れて行くに決まってるだろ」


 それはスマホから出た音ではなかった。上の方から聞こえたもの。


 俺と大川が上を向くと、白山を担いでスマホを耳に当てている宮黒がいた。

「ずっと見てたのか?悪趣味だな」

「万が一お前らが負けたときに隠れてたんだよ」

 宮黒が廊下から華麗に落ちて、俺たちの目の前までやって来る。

 そしてそのまま白山を床に横たわらせて、2人の手足を縛る。


「神里、血を飲ましてやれ」

「俺の血は高いぞ」

「さっさとしろ」

 ふん。癪だがこいつの言う通りにしよう。


 俺は指の腹を噛みちぎって、2人に血を飲ませる。

 すると2人は目を覚ました。手足が動かせなくて困惑している様子だ。


 さあ、こっからは聞き込みだ。






 隠れていたときの宮黒の様子

「あんなに暴れやがって…後始末が面倒くせぇんだぞ……するのは僕じゃないが」

 と文句をブツブツ言っていたとさ。

 ちなみに、記憶を消すことができる能力者がいるのでその人に頼んだ。

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