きゆりは“ゆめ”をしりたいの!
きゆりちゃんは、好奇心おうせいな5才の女の子。知りたいことがい〜っぱい。
きゆりね、しりたいことがたくさんあるの。
どうして、セミさんはなくの?
どうして、お月さまのかたちはかわるの?
どうして、ねむるときゆめを見るの?
そうだね。どうしてだろうね。
ねぇ、きゆりちゃん。今日はなにを知りたいの?
きょうはね、きゆり、“ゆめ”がしりたいの!
ねむるとき見るのはゆめ? “かなえる”ってどういうこと? 分からない。きゆり、しりたいの!
「“ゆめ”ってなぁに?」
きゆりちゃんは“ゆめ”を知るため、旅に出ることにしました。
× × ×
まずは、キッチンでおりょうりをしている、ママのところにきました。きゆりちゃんはママにたずねます。
「ねぇママ。“ゆめ”ってなぁに?」
「なんだろうね? きゆりはなんだと思う?」
ママはきゆりちゃんにきき返しました。きゆりちゃんはう〜んとかんがえて、こたえます。
「見るものだとおもう! よるね、ベットでね、目をつむると見るんだよ?」
「それじゃあ、それが“ゆめ”なのかな?」
「でもね、おきたら、ゆめで見たこと、ぜんぜんおぼえてないの。どうしてだろう?」
“ゆめ”について、なぞはふかまるばかり。
つづいて、きゆりちゃんはペットのワンワンのところにきました。
「ねぇワンワン。“ゆめ”ってなぁに? どうしておきたらわすれてなくなっちゃうの?」
「ワンッ。ワンッ」
ワンワンはなにかを、きゆりちゃんにむかって言っています。
「ワンワン、おなかすいたの?」
「ワンッ。ワンワンッ」
きゆりちゃんが正しいようです。
やさしいきゆりちゃんは、ママからもらったドッグフードをワンワンにあげました。ワンワンはすごくうれしそうです。そして、すぐにたいらげてしまいました。
「はやくたべすぎだよ〜ワンワン。もうなくなっちゃったの?」
「ワンワンッ」
「あ、そっか!」
きゆりちゃんはなにかに気づいたようです。
「きゆりの“ゆめ”は、たべられちゃったからなくなったんだ!」
しかしふたたび、しりたいことがうかびます。きゆりちゃんの好奇心はとめられません。
「じゃあ、きゆりの“ゆめ”をたべてるのはだぁれ?」
きゆりちゃんの旅はつづきます。
きゆりちゃんは決めました。今日の夜、だれが、きゆりちゃんの“ゆめ”を食べるのか、見つけだそうと。
ベッドに入り、目をつむらないようにします。ワクワクします。だれがくるのかな。
でも、気づきました。
「目をつむらないと“ゆめ”が見れないんだった」
おっちょこちょいな一面もある、きゆりちゃんです。
目をつむると、ねむけがおそってきて、きゆりちゃんはすぐにねむってしまいました。
きゆりちゃんは“ゆめ”を見ました。
ゆめの中できゆりちゃんは「もの知りはかせ」になっています。それはとても、とても楽しいゆめです。
ゆめのさいごに、ゾウさんのような大きな長いハナをもつ、見たことないどうぶつさんが、きゆりちゃんの前にあらわれました。
「あなたはだぁれ?」
そのどうぶつさんは、こたえます。
「ぼくはバク。“ゆめ”が大こうぶつなのさ!」
「そうなのね! じゃああなたが、きゆりの“ゆめ”をたべてるんだ。……でも、今日のたのしいゆめはたべないでほしいな」
「ひつような“ゆめ”なら、ぼくは食べないさ。今日のそれはキミにとって、たいせつな、かなえたいとおもえる“ゆめ”なんだろう?」
「かなえたい?」
「“ゆめ”は自由なのさ。だれが、いつ、なにを見たってかまわない。いらないゆめは、ぼくがよろこんで食ってやるしさ」
ハハハッと笑い、バクさんはつづけます。
「だからゆめをたくさん見て、いつでもおいで。たのしいと思えたら“げんじつ”にしたらいい。それが、“ゆめをかなえる”ってことさ」
こたえが、見つかったようです。きゆりちゃんは、心がみたされたみたいに、いいえがおで言います。
「バクさん。ありがとうございます」
おしえてくれた人にはお礼を言おうね。これがママとのやくそくです。
今日も言えたね。えらいえらい。
きゆりちゃんは、バクさんにさよならを言いました。きゆりちゃんの旅は、いったんここでおわり。
バクさん、ゆめの中で、またあおうね。きゆりのゆめ、こんどまた、バクさんにたべさせてあげるね。
× × ×
「きゆり、朝だよ〜。おはよ!」
ママのやさしい声で、きゆりちゃんが目をさましたようです。
ねぼけまなこをこする、きゆりちゃん。きのうの夜のゆめは、おぼえています。
「そうだ。ママ、あのね!」
きゆりちゃんは、さくばん見たゆめについて、ママにはなします。ママは、やさしいえがおで、はなしをきいてくれました。
「きゆりちゃん、“ゆめ”ってなんだった?」
「“ゆめ”ってね、みんながじゆうに見られる、たのしいものなの! いやな“ゆめ”はバクさんがたべてくれるし、たいせつな“ゆめ”は“げんじつ”に、かなえてもいいんだよ!」
「じゃあ、きゆりのかなえたい“ゆめ”は、なぁに?」
「きゆりの“ゆめ”はね――」
“ゆめ”を語る、きゆりちゃんはかがやいています。きゆりちゃん、“ゆめ”を知れて、よかったね。
× × ×
きゆりちゃんは、好奇心おうせいな5才の女の子。まだまだ、知りたいことがい〜っぱい。
きゆりね、しりたいことがたくさんあるの。
どうして、とりさんは空をとぶの?
どうして、空のいろがかわるの?
どうして、お星さまはひかるの?
そうだね。どうしてだろうね。
ねぇ、きゆりちゃん。お次はなにを知りたいの?
〈あとがき〉
・お読みいただきありがとうございます。よろしければ、ブックマーク、評価、感想お待ちしています。