第二会場
「魔力測定を終えましたので、次は知力試験です。会場は第二講堂ですのでお間違え無き様お願い致します。」
♢♢♢
「知力試験を開始致します。不正行為をした場合は知力試験をもう一度受けてもらいます。なお、再試験の場合には問題が変わっています。では、半刻で解いてもらいます。改めて、知力試験を開始致します。筆記具を持ちなさい。開始!」
簡単ね。これは、家庭教師から習ったわ。
あ……
問⑰
三大公爵家と五大侯爵家を答えなさい。
( )公爵家
( )公爵家
( )公爵家
( )侯爵家
( )侯爵家
( )侯爵家
( )侯爵家
( )侯爵家
各30点
解る訳無いじゃない!貴族のことは知らないわよ!貴族のことは王家が知っていれば良いじゃない!此処は空欄で良いわよね!
♢♢♢
「試験終了。筆記具を置きなさい。」
空白は問⑰だけね。あんな難しい問題出す学園が悪いわ。
「次は体力試験なのですが、別日に行います。今日はこれで授業が終わりになります。体力試験の説明は当日行われます。では、ごきげんよう。」
「あ、あの。メイナード伯爵令嬢ですよね。わ、私、アーサー辺境伯爵の娘。アーサー・カトリーヌと申します。辺境伯爵家同士仲良くしまs「はい。私はメイナード・マーガレットと申します。国の北を父が護ってていますの。」
『よろしくお願いしますわね。アーサー伯爵令嬢。私の手と足となりなさい。』
「はい。承知致しました。」
…やはり、違和感があるわ。この違和感はなんなのかしら。まぁ良いわ。
♢♢♢
「ただいま帰りました。お母様。お父様は何処にいるの?」
何処に行ったのかしら。
愛娘が帰ってきたのに……
「おかえりなさい。マット。旦那様は領地に向かわれたわ。国を護る盾ですもの。長く王都には滞在できないわ。」
「成程。そういう訳でいないのね。今日はお友達ができたの。」
「よかったわね。」
「アーサー辺境伯爵家のカトリーヌよ。少し対話能力に欠けているけれど、愛らしい子なの。これから、仲良くしたいと思っているわ。私はこれからアーサー辺境伯爵家の特産品を調べに図書室に行こうかと…」
お母様も理解して図書室に行かせてくれるわよね。お母様もいくら私を愛してるとはいえ図書室に行くことを止めたりしないわよね。
「そうなのね。いってらっしゃい。」
あ…気まぐれよね。気まぐれ。
「はい。」
♢♢♢
「へぇ。アーサー伯爵家は葡萄が生産されていてワインも美味しいのね。ワインは未成年だからまだ飲めないけど、葡萄のお菓子は良さそう。リタ。葡萄のお菓子って何があるの?三つぐらい挙げてくれないかしら。」
「葡萄はフィナンシェや、ムース、マカロンなどのスイーツが作れます。」
「葡萄と苺のマカロンを明日の放課後に間に合うように作って。そして、私の下校時にマカロンを持ってきてちょうだい。」
「承知致しました。お嬢様。味は葡萄と苺だけの二種類でよろしいでしょうか?」
「えぇ。葡萄はアーサー領産のものを使ってね。もちろんだけど苺はメイナード領産のものを使ってね。」
「はい。」
♢♢♢
「カトリーヌ。今日、お菓子を持ってきたの。リタ。」
「はい。お嬢様。」
「マカロンよ。葡萄味と苺味のマカロンなの。葡萄はアーサー領産のものを使わせてもらったわ。苺は勿論メイナード領産のものよ。」
「ありがとうございます。よく知っておられましたね。我が領が葡萄が名産なことを。」
やっぱり違和感がある…
「もらってちょうだい。じゃあね。」