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3分クッキング

「ちょっと勇者。 このニポンには、3分クッキングなるものが存在るらしいわよ」

「はぁ? 3分で料理が出来上がるわけがないだろ。 冗談は程々にしてくれよ魔法使いちゃん」

「それが本当なの。 しかも、それが毎日テレビ放送されているわ」

「……テレビで、だと?」

「えぇ……驚きよね」

「行くらこのニポンの技術と言えど、3分はさすがに誇張しすぎなのでは……?」

「そこで、とりあえずテレビ録画をしてみたわ」

「よくやった」

「勇者に褒められるとは……悪い気はしないわね……!」

「いや頬赤らめなくていいから。 そういうのいいから」

「里芋の煮っころがしがテーマらしいわよ」

「あっ、俺は置いていかれるのね……って、なんだと? 里芋の煮っころがしを3分で?」

「このニポンには、百聞は一見にしかずという言葉があるわ。 何はともあれ、見るわよ」

「おう……」






「なんか、思ってたのと違うわ……」

「そうだな……。 なんか、めっちゃ準備してたな……」

「このニポンには、知らぬが仏という言葉もあるらしいわ」

「さすがニポンだ……俺たちのこの難しい心境を上手く表現する言葉があるとは」

「……勇者」

「なんだ」

「私、てっきり3分で里芋の煮っころがし作れるものだと思ってたから、材料を買ってきてしまったわ……!」

「馬鹿野郎……! もう今十二時だぞ……!」

「しかも、3分クッキングを見たせいで、お腹が空いてしまったわ……!」

「チクショウそれを言うなよ……! 言われたら俺まで腹が減る……」

「……作る?」

「夜食にんな豪勢なもん作れるか! 今月も結構カツカツなんだよ……!」

「じゃあ……カップラーメン?」

「そうだな……それが一番だ」

「じゃ、私お湯沸かしとくわね……」

「あぁ……でもお前、夜のカップラーメンは太るぞ」

「私、太らない体質だから」

「お前いつか痛い目見るよ」


ニポンはまだまだ、奥が深い……




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