表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/4

兎に角、服を 



メニュー画面を見ると【悪玉打ち】がついていた・・・


そうなんだよな~先生とか監督から言われ続けたんだけど、


「ボールに手をだすな!」


ってさ、

でも唯一のホームランは高めのクソボール、

会心の劇的サヨナラ打はデットボールの球だった。


俺は警戒してボールを投げてくる投手は得意だったけど、

どんどん真ん中投げる投手は三球三振だった・・


弱小のチームばかりだから、

強豪と当たるとそれで全く打てない選手だった。


そりゃそうだろう、甲子園を狙える強豪校が、

弱小高校の下位打線に何でボール球を投げる??


『打てるわけない』

『球数がもったいない』で、

どんどん真ん中投げられてなすすべなく引っ込む・・・


外角の低めのクソボールは昔から得意だったな~~

それがこんな処で役に立つとは・・・


でも、子犬(見た目)&ウサギでどう考えても、

動物虐待にしか見えない獲物。


『ドラ〇エ、ポケ〇ンだよな~モンスター可愛すぎ・・・』


これを股間を隠す為に使う訳にいけないだろ??


結局、バット(??)で隠して歩いているのだ。


兎はミキがバックパックに入れて持ってくれた。


先程のユキが獲物を発見した事で【狩人】の項目を確認した、

【鷹の目】【忍び足】【射撃】とあった。


【鷹の目】は遠くが見える技能、

【忍び足】は隠密技能で両方とも0SPだった。


【射撃】

遠距離武器の命中と威力が上がる技能で1SPが必要だった、

どの道、弓などを持って無いので使えない。


0SPで使い放題の【忍び足】をしてみた。


つま先立ちで歩ける、抜き足差し足の状態で音が出ない。


これは踵がつかないので歩幅が広くなり、

歩く速度が速くなる。


普通ならつま先立ちで疲れるのにそれも無い、

静かに歩けるし使い放題なら有効と思える。


【鷹の目】も使ったみた、

見た場所に集中するとそこがズームで大きくなる。


望遠鏡がいらないし、便利だこれ、

だから、ユキはゴチ兎を発見できたんだ~


「うん??」


「どうした?」


「白い変な馬がいます」


離れた林の中に白い馬なのだが長い一本の角があるのだ、

馬なのに角がある変な馬だ。


「わ、ほんとユニコーン!」


ユキは驚いているが声は潜めて皆に向かって言った。


「なんて、素晴らしい日なの、

これの為にあなた達を連れて巡回任務を受けていたのよ。


あなた達のモテないのが此処で初めて役に立つのよ!」


娘に何気に酷い事を言ってる気がするが・・・


「うん、お母さん頑張るわ」


「これが上手くいけば皆の弟子入りの費用は捻出できる」


「そうよ、私達の将来は拓けるのよ!」


娘たちも興奮してる。


訳が分からないミノルに皆は説明してくれた。


ユニコーンは遭遇が珍しい魔獣で警戒心が異常に強く、

人が近づく事はほぼ不可能なのだそうだ。


直ぐに転移で空間を飛び越えて逃げるので捕まえれない。


只、処女の清らかな女性には警戒せず近づいても逃げない、

そして、その角は超高額な薬の材料になり、

角は生えかわりをする物でカップの様に外れるのだそうだ。


つまり、処女が近づいて角を引き抜けば、

その角が手にできて大金がゲットできるの事だった。


「母さん言って無かったけど、実は先日、男の人と・」


「嘘、ユキあなた・・」


「ごめん、町で話しかけられてそれで・」


妹達は身を乗り出して聞いている。


「道を聞かれて会話をしたの、あれってナンパっていうの?」


いえ!断じて違います。


「そう・・ユキはユニコーンに近づかない様に」


アホか!この残念母親。


「そんな事を言ったら三人とも私と話をしてますよ」


4人とも口を開けて動きが止ってる・・・


「え、まー触って無いし清らかな事は間違いないのでは?」


「そうよ、触ってないわよね!!」


「「「ハイ」」」」


3人は手を広げて飛びのいてる、

俺はばい菌かーーー


マキは木槌をユキは弓を置いた。


武器を持っていては流石に逃げられるらしい。


ミキは格闘士だから武器は持っていない、

小手と具足が防具であると同時に武器と言える。


頭部と胸部の防具は念の為に必要と母は主張してる、

頭や胸は馬の脚力で蹴られると流石にマズいのは理解できた。


幾ら金が凄いとはいえ娘の命に代えれる訳が無い。


命の危険さえなければ、

大怪我でも魔法の回復があるのだから、

この機会を待っていたのだろう。


作戦は武装をせずに静かに3人で近づく、

逃げられたら作戦は失敗、

追いかけて追いつくはないそうだ。


上手く近ずけるとユニコーンは処女の股間の匂いを嗅いで確認する、


『・・・単なるスケベなんじゃん・・それ・・・』


で、

処女を認められるとタテガミを撫でれる、

それは幸運を呼ぶと言われているそうだ。


それでミキ、マキ、ユキの順で行って、

ユキがタテガミを撫でる時に二人で首を抑えて、

ミキが角を採る、格闘士で素手の攻撃力は強いので、

可能性は高い筈との事。


それで直ぐに暴れるから離れて、

スズがライトの魔法で牽制すれば、

警戒心が異常に強いから逃げる。


だから安全に高額な角をゲットできる!


・・・・


ミノルは

『そんなの上手くいくか??』

と考えてた。


ユニコーンの特性は知らないから、

近ずけるはそうなのだろうが、

馬の首を体の小さい女の子二人で押さえきれるとは思えない。


角をもぎ取るって、

その生えかわりの時期の鹿の様なものだろう、

運よくその時期だったらよいけど、

普通に丈夫な時期の方が多いだろ?


防具があっても顔とか危ないし、

首を振られ、落とされてたら、

地面に転んで踏まれたらヤバいだろ?


そうは思ったが、何分この世界の事は知らない、

RPGの世界で危ないって言い出したら変なのだろうか??


もしもの時の為に自分も回復が出来たら、

と考えた。


やっぱり、さっきの噛まれたときは痛かった、

痛いのは嫌だ。


メニューで回復魔法を見た、

【ヒール】【キュアコンデション】

を憶えていた。


【ヒール】体力を20%回復、

【キュアコンデション】は、

味方全員の病気、目潰し、眠り、恐怖、不快、快感を回復する。


え、病気直せるの!

凄いじゃん、

でも快感も回復って有難くないんじゃないの???


項目は見つめると点滅して説明が読めた。


良く観ると回復魔法は霞んでいて、

これは習得して無く、習得が可能だと気がついた、

横に1SPとでてるが・・・


SPって格闘士や狩人の技でもあったよな??


「SPっての何ですか?」

「特別な力よ」

スペシャル・パワーの略??って事、

そうするとMPはマジック・パワーだろう。


「そんな事も知らないの?」

そりゃ知らないよーー

俺、ゲームとかアニメ詳しくないもん!


〔詳しくても知らないだろうけどこの世界設定だから・・・〕


言語習得の時のSPはスキルポイントと表示されてたな・・・


「スキルポイントとは何ですか?」


「知らないわよ!」


「ミノルさん今、非常に大事な時ですから、

静かにお願いします。


私は聞いた事も無い言葉です」


怒られてしまった。


う~~ん、一人で考えるしかないか・・


同じで別の意味があるのは分かり辛いが、

これは略すとスペルの頭文字が同じだからか・・・?


そうなるとスキルポイントは特別で、

普通は表示にもつかない程の特殊例・・


多分そうだろう、言語、

その国の一般的なのを選ぶ時点で普通にその国の人では無い。


【秀才】特殊な力で見れば、戦士職は習得出来るが、

魔法職は覚えれるが習得にポイントがいるのでは?


スキルは技、技能と言う意味だから、ピッタリだ。


やってみようか。


お、イエス&ノーの表示出た。


ポッチと。


オー、色が変わった、

習得出来た、

あれ?


どう使う???


「魔法ってどう使うんですか?」


三人はすました顔で歩き出していた。


スズさんに睨まれた。


「詠唱するのよ」


怖い・・・


詠唱って何だっけ、あーー長いアブラカダブラとか、

意味が分からない言語をいうんだっけか、

えーーそんなの無理だよ、俺30間近なんだからさー、


新しい事覚えるの無理だよ、

「ホ〇ミ」とか「〇ラ」で良いじゃんか~~~


あ、短縮詠唱っての出た、

これって短くて済むって事だよね???


「短縮詠唱って・・・」


呟いてみた笑顔で・・怒られたくない。


「呪文名だけ言えば魔法が唱えれるの・・・そろそろミキが、

終わるまで静かに」


有難うございます。


それなら楽だろう、

ポチっと選択した。


火魔法使いも選択した。


【ライト】と【ファイヤーアロー】が有った、

ライトは先程、スズがした魔法だ。


ライト(1MP)  

灯りを灯して周囲を照らす。

出力を上げ、

継続時間を減らせば点火としても使える生活魔法。 


浮遊軌道を操作し相手の目を狙って飛ばせば、

複数の目潰し攻撃として使える


ファイヤーアロー(2MP)

火の矢を作って、相手に当てる単体攻撃魔法。

魔力で威力があがり、練度で命中が上がる


と説明文が読めた。


う~~ン、「ヒール」「ライト」は言いやすいけど、

「キュアコンデション」「ファイヤーアロー」

は言い間違えるかも?


と魔法使いとは思えないヌルイ事を考えていた。


ミキは認められてタテガミを撫でられた、

マキも今股間を嗅がれてる、

顔が赤い、

ユニコーン鼻の穴が思いっきり膨らんでるぞ!


マキも認められた。


二人とも美人なのに流石に15歳だと経験は無いか、


二人は緊張してる、


ユキの番だ、スズ母さんメッチ緊張してる、

確かに年上のお姉ちゃんで胸が有り、

美人だ、母親に言わずにつき合ったり、

その可能性を考えて、

先の話は出したのかも知れない、

そうだよな母親には正直に話せない話題だよ。


でも、家族の大問題だけにウソは言わない筈だ、

ユキは真面目な委員長タイプな雰囲気、

でも、俺は女の人見る目が無いもんな・・・・


ミノルの心配は杞憂に終わった。


ユキも股間を嗅ぎまくられてタテガミを撫でる権利をえた。


3人は一気に緊張した様子。


ミキは角に手を伸ばすと同時にユキとマキは首にしがみ付いた。


ミキは力を込めて抜こうとする、

駄目だ抜けない!


三人はしがみ付いたまま、

ユニコーンは狂った様に走り出した。


「ライト」

スズは叫んだ。


光の球が相手に向かっていく、

ユニコーンは右側に向かって走っていく、

光球は右にカーブして追いかける、

スズはそちらに向かって走る、

ユキ、マキは振り落とされてる、

ミキは必死にしがみ付いてる、

角を取りたいのだ!


だけど生え代え時期でないのだろう、

角は取れる気配はない。


このままではマズい。


角の頭の先にしがみ付いてるだけに振り落とされた場合、

高い位置から前に落ちる可能性がある、

馬は走ってるのだから踏み潰される、

スズもそれが分かってるから必死だ。


光球が追い付かない。


如何すれば???


これは二塁から一塁に戻るクロスプレイに似てる、

走者より、その戻る場所に投げれば・・・


「ファイヤーアロー!」


ミノルは叫んだ。


目の前に炎が現れて、

それがイメージ通り、

そのユニコーンが向かってる場所に飛んでいく、

しかし、ユニコーンは予想以上に速い、

火矢がイメージより遅いとも言えた。


それはユニコーンの尾に当たった。


驚き立ち上がる馬、

急停止で立ち上がるのだから、

流石にミキも振り落とされた。


しかし、直ぐに受け身で体を起こして、

馬は止まってるので逃げれた!

助かったのだ。


そして、手には小さいが角を持っていた。


五分の一程の先端がカップの様に外れて採れたのだった。


「ゲットだ!ぜーーっと」


暑苦しく叫んでる・・・


ユニコーンはスーと消えた、

空間を転移したのだろう、

掴まれてるからこれが出来なかったのだろうか?


臆病で警戒心が強くてこの能力があれば捕まえるは難しいだろう。


皆は大喜びでミキの処にあつまって騒いでる。


兎に角、よかった・・・・・


うん??


兎と角・・・が手に入ったよね???


イヤイヤ、欲しいの服だって!!


ウサギつのが欲しいんじゃないの!!!!


〈蘊蓄ネタ〉

兎に角は当て字であり、

仏教僧が「兎角亀毛」

(ウサギの角に亀の毛で現実にありない意味)

を音が似てるので漢字を当てただけで意味は無視してる、

「とにかく」その字を当てただけ(笑)

同じ意味の四文字熟語に「烏白馬角」

(白いカラスに角のある馬)

が有り同じ意味で現実にありえないで使われるが、

自然界の動物にはアルビノと言われる無色素症が存在するから、

白いカラスは実在する、

亀の毛も藻がついてそれに見える事はあり緑毛亀といわれる、

角のある馬も奇形で生まれた記録も残っている、

角のあるウサギはアメリカではUMAとして報告例はあるから、

四文字熟語としては現代では適切ではないかもしれない・・・



アフリカの部族でカップ状の角を股間に使うのを観た事あるけど、

バットとカップ角ではどっちが正解だろうか?


うん、どっちもダメですね!


角はミキが持つ事になった。


バックパックに入れる時に気がついた。


「その下の三つの結び目はなんですか?」


バックパックは下げ袋で上に大きな開閉口があり、

それを紐で結んで肩にかけて運ぶ。


これだと直ぐに地面に置きやすい。


その紐を下の紐などに結めば肩にかけて運びやすい、

その下の紐が左右のあればリックサックの様に紐を通して、

重い物でも運びやすいはわかるが、

もう一つの紐は真下についてるし、

紐だけで無く布も巻き込んで結んである、

私達の世界では見ない形だ。


「な、何をいってるですか、

普通、モノを運ぶバックとかこのデザインですよ」


「兜とか鎧、服の形だと魔石をつけて性能を上げれるのよ」


「皆のバックはメンテの魔石が付いてるから、

掃除しなくてもきれいだし長持ちするのよ」


「いま、服って言いましたよね???」


「「「「あーーー服!!!」」」


バックパックは紐をほどくと、

タートルネックTシャツに紐が付いた服だった。


紐は長く邪魔なので蝶々結びで垂れ下げた、

首にこれは蝶ネクタイに見えるなと思った。


やったーーーーー服だ!!!!!


これ程服が嬉しいと思った事は無い、

人は服を着るべきだ!


全裸は落ち着かない、

兎に角、服は最高だ!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ