兎に角、服だ
どうするよ・・まー取り敢えず服だろう、
この状態はマズい、若い女性の前でこれは居心地が悪い。
「服があれば貸して頂けると・・
あ、私はタナカミノルと言います。」
立ち上がってお辞儀をした、いつもの癖ってやつだ。
しかし、倒れ込んで噛みつかれた傷を癒して貰ったのだ、
当然、跪いていた白人美少女の顔の高さにミノルの股間はあるのだ。
直ぐに気がついて股間を両手で隠した、
キチンとしたお辞儀をしたと言えなくもない!
小柄な白人美少女は綺麗な顔立ちをしている、
恥ずかしがるどころがガッツリ視ている、
それだけでなくみんな嘗め回すように見られてる気がする。
兎に角、服だ。
「私はサト・マキだ。
私が家族で一番大きいがそれでも無理だろう、
戦士の装備は調整が利くけど、先ずダメだろう」
背は高いしガッチリだ。
細マッチョと言う感じ、
イタリア系の日焼けし小麦色のヨーロッパ系、
イタリアのテニス選手で似た人が居た気がする、
美人だ、意志の強そうな顔つきをしてる。
装備は兜、鎧、小手、具足と完全武装、
装備は紐で調整の様だが、
身長は160cm程、女性では高い方だろうが、
180で太ったミノルではまず着れないだろ・・
「私はサト・ミキよ、よろしくね
服の予備持って無いよのね~」
武闘家、服装は中国の拳法着だから、
少し余裕があり布だが背はマキと同じで痩せている・・・
この子達は双子だ。
顔はそっくりだ。
体形が痩せているか、
筋肉質かが違ってる、
性格もマキは戦士らしく武骨で真面目な感じ、
ミキは武闘家で元気で活発明るい感じがする。
「サト・ユキです。
服は無いので村までいきましょう。
ラーテルが居る以上、逃げてくれたとはいえ危険です。」
身長150cm程アラブ系のグラマラス美小女、
巨乳がゆれてる、
凄い・・
弓使いだが邪魔そうなモノをもっている、
一番ヤバい、
朝だし、
全裸だし、
最近ご無沙汰出し。
「母のスズです」
「えーーーお母さんなんですか!」
一番若く見える。
白人の美少女、背は140cm程子供に見える、
「エルフですから」
と言って笑った。
エルフってなんだっけ???
あー指輪物語だ、
「ロードオブリング」映画見たわ。
美形の長命で・・・あ、耳が尖ってる、
顔と体形ばかりに目がいって気がつかなかった!
戦士職の二人は兜を被って、
魔法使いと狩人は髪が長く隠れていた。
「娘たちはまだ15歳で処女ですから手を出さないで下さいね」
「「「お母さん!!!」」」
娘たちは叫んだ。
「それを男の人に言う!」
「妹たちは15になったばかりですが、
私は後数日で16で大人です」
「おねーちゃんズルイなに大人アピールしてるのよ」
姉妹がワイワイ言い合ってる、
何か凄く違和感のある会話・・・
只、今、俺は全裸で立ってるんですけど・・・
それをどうみても喜んでみてる気がする、
嘗め回すように鑑賞してる??
普通の自分たち世界では、キモがられて笑われる対象だが、
これは・・・
村に連れて行ってくれる事になった。
お母さまにすぐ横でくっ付くほど近く、
廻りを娘が護衛・・・
これ本当に連行だよね。
これで人の多い場所に連れていかれたら、
どう考えても変質者捕まえました~~
だよね、ヤバい何とか服を!
裸足なので慎重に歩いてみたが、
『あれ、石と踏んでも全然痛くない』
普通に歩ける、いやそれ以上だ。
そう言えば格闘士って、
あ、【手技】【足技】がある、
これ0SPで使える、SPが何かわからんけど、
ゼロなら使い放題って事だろう、
手や足で攻撃する格闘技の技が出せるんだ、
空手の達人とか手足を鍛えて、
素手&素足で攻撃するから、
手足が強化されるんだ、
メタルスライムと殴って痛がってたら、
経験値稼げないもんな、
メタル懐かしいなーーー
「手技!」
叫んで、木を殴ってみた。
「ドッ!」と音を立てて木が大きく揺れた。
上から多くの果実が落ちてきた。
「いきなりなんだよ」
「びっくりしました」
「これはモーモの実ですね、そうか巨大すぎて気がつかなかった、
モーモの木だわ」
「ハハハ、手技って、そのまんまじゃん。
ハーハハハ、苦しい・ハ・ハァー」
武闘家ミキに大うけだった。
「口に出さなくても思えば出来るのよ、
勿論、気持ちがのるから口に出してもよいわ、
私は速く打ち込みたいから、気持ちがのった時、
「疾風拳」と叫ぶわ、
「ドラゴンブロー」とかドラゴンに向かって言う人もいるわ、
「究極ウルトラグレートスーパーデラックスミラクル無限拳」
と叫んでジャブを打った人もいるわ、
でも威力は同じよ、相手は笑ったらしいけど」
笑いながら教えてくれた。
ユキとスズは果実を拾うのに夢中だ、
「高く売れるわ」
「母さんやったね」
貧しい家であることが分かってしまった。
「足技もみせてほしい」
ミキはいった、ユキとスズも頷いてる、
もっと落として欲しいと事だ。
「イメージして心の中でその技を叫べ良いのよ」
キックは経験ない、
パンチも同じだ・・格闘技は学校の授業で柔道と剣道をしただけ、
小中高大と野球しかしてない、
野球に青春の全てをかけていた、
でも甲子園は出場できないどころか、
底辺の一二回戦レベルの学校で何とかレギュラー選手、
4番でも投手でもない、全てのポジションが出来る、
監督には使いやすい選手だった。
『スライディングは得意だったけど・・・
それで併殺崩しでもう一つの足を上げるのあったな、
そのイメージならできるかも』
距離を離してから木に向かって走った。
何年ぶりだ、ちょと不安、
しかし、体はしっかり覚えていた。
地面は芝生の様な草が生えてる、
それもこれを選択した要因だった、
地面は全く痛くない、
足全体太ももも含めて強化されてる。
スピードに乗って木の根元を蹴った、
凄い音がする、直ぐにもう一つの足を蹴り上げる、
今では禁止されてるスライディングだ、
もう一度大きな音がする。
「下段の飛び蹴りで二段蹴り!!」
ミキは驚き叫んだ。
「なんて技なんですか!」
興奮してる、格闘技好きなんだ~~
えーーと、併殺崩しのスライディングだから、
「ダブル、キル、ブロッキング、スライディング?」
そのまま英語(?)にして言ってみた。
「オーーカッコいいです。
ラーテルをヤッタ技も凄かった。
私達のレベルでラーテルは簡単に倒せません、
追い払って救出と思ったら簡単に倒してしまうから逃げてくれました、
しかも格闘技で!
魔法使いが必要な魔物ですあれは、
あの技は凄かった。
首を決めたまま寝技で体重をかけてネジ折る、
あの技の名前は?」
なんか目がキラキラしてる・・
あれは・・・痛くて、転がって、
噛みついてたから巻き込んで、
そんで、太ってしまって体重で潰して御免なさい???
「それは秘密で」
「は!奥義って奴ですね」
いえ、全然違います、真相を言いたくないだけです。
「ミキばっかりずるいぞ、これ見つけたんだけど」
と言って、マキは木の枝を渡してくれた。
「こん棒になるだろう、これだと護身にどうだろか」
それはバットの形に似ていた、
かなり長いがこの形状は俺はなじみだ。
振ってみた。
あーーしっくりくる、
バットのスイングはどれだけしただろうか・・・
「いいですね有難うございます」
「いい振りだよな、じゃ二人で頑張るか」
マキは木槌で木を叩いて振動を与えた、
同じ様にミノルもバットで木を打った。
「あー凄いですわお母さん、こんなにいっぱい」
「不幸なサト家にこんな幸運が~~
あ、二人とも木を折ってはダメよ手加減よ、
又、この場所で来年も取れるわ、お宝を見つけたのよ!!」
木は巨木で流石に折れないとは思ったが、
マキはミノルより大きな音を出して衝撃がある、
武器は大きいが力はミノルよりある感じだった。
もうこれ以上は落ちない処まで振動を与えて、
みんなで拾った、スズとユキがそのバックパックに詰め込んだ、
さっきのラーテルはマキがバックパックに入れて背負っていた。
「さ、行きましょうか」
ミノルはバットで股間を隠して歩いた、
手や石よりはましだが、
青春をかけた道具をこんな情けない事で利用する日がくるとは・・・
「し!」
狩人のユキが皆を制止させた、
先頭で歩いてる、
ハンターだから当然だ。
「ゴチソウ兎がいるわ」
「なんてラッキーな今夜はゴチソウね」
ゴチソウ兎はその名とおり美味しい肉で、
毛皮も高く売れて美味しい獲物なのだ。
普段はその素早い足で逃げるのだが、
稀に激怒して襲ってくる、
それが非常に危険で高速で突撃して飛び蹴りをする、
しかも的確に頭を狙ってくるので、
頭蓋骨を粉砕され即死する危険があるのだ。
「それじゃいつもの様に」
「オケ―」
「マキ頼むわね」
「ユキ姉が決めてくれれば楽だよ」
「狩人の腕の見せ所じゃん」
「みんな慎重に、滅多にないけど危険なんだから、
ミノルさんは私の横にいて、絶対に前に出ないで下さい」
「はい」
そう答えるしか無いだろう、
知識経験が無いから何が起るのか分からない。
マキが慎重に前に進んでいく、
それを確認してユキが木に登った、
その下に護衛するようにミキが待機した。
その場を動かずにスズとミノルは後の位置にいた。
当然、全員、ウサギを見える位置に陣取ってる。
緊張した表情のユキ、一呼吸おいて、矢を射た。
「外した、マッド(激怒)だ!ごめんなさい!」
兎は凄い速さでこちらにむかってる!
「マキ気をつけて!
ユキ落ちついても矢を射なさい!
ライト!」
杖から光の玉が出て、それが高速で兎に向かっていく、
先程見た眩しい光だ、
兎はそれを躱した、
光はそれを追尾する、
目の前を通り、目潰しを狙っている、
あーこれが有ったからラーテルは怯んで、
こちらの攻撃が決まったんだ。
ユキの二度目の矢も外れた、
マキに一直線に向かってる、
皆が緊張した。
最強の鳥と言われる存在に「ヒクイドリ」がいる、
オーストラリアに棲息するそれは60kgほどで飛べない鳥だ、
時速50kmで走れる脚力を持ち、
その脚力で全速で突っ込んでキックする、
三本の爪は12cmのナイフの様な鋭い形状で、
その威力は衝撃で人間の肋骨を粉砕し、
爪で切り裂き大量の出血をさせられる、
オーストラリア軍はジャングルに逃げん込んだ、
日本軍よりもヒクイドリに気つける様に通達を出したほど。
兎はマキに飛び掛かり蹴った。
マキは待ち構えて、自分の頭に木槌を出した。
そう盾で使ったのだ。
激怒して攻撃してくる、
そしてそれは頭を狙う、
冷静に他を攻撃に変えてくるは無いのだ、
速度を活かして躱せさせない、
対応できないのだから有効なのだ。
他の生物にはランダムでそれがあるは捕食を躊躇う要因になるが、
知能が高いに人間はそれは十分対応ができるのだ。
頭を絶対に狙うのだから頭を防げばよい、
戦士で鉄の兜のマキは普通でもそれなら死ぬ事は無い、
そして敵は目標を変えないのだから、
頭に防御の盾を差し出せば良いのだ。
このハンマーの横面積は広い、
これ程厚みがある固い木を衝撃は貫通は出来ない、
そして、この木はブキミーと言われる木で出来ていて、
それは【不快】特殊効果を持つのだ。
【不快】は精神攻撃で相手を気持ち悪くする。
耐えられない程の不快感を与える、
吐き気を催し嘔吐する、
当然、敵は戦闘攻撃を中断、
嘔吐だから呪文の詠唱も阻害、
全身の不快感で命中回避防御攻撃の減退を数ターン及ぼす、
地味に強力なバットステータスを与える、
この世界の武器はその効果を相手にあたえる、
それはランダムで衝撃によって相手に与えれるので、
その武器で受ければその効果を相手にランダムだが与える。
そして、それは成功した。
マキが慎重に対処すれば、
速度の付いた初撃が防がれる、
加速度が有るから威力がある、
次の攻撃なら至近距離で単なる飛び蹴りだ、
ヒクイドリもその速度をつけて遠くから走って蹴って来るから、
兵士に注意を与えていたのだ。
「おりゃー」
ミキは蹴りにいった、しかし、躱された、
「いただき!」
マキはハンマーを振り下ろしたが、躱された、
こちらに向かってくる、
「当たって」
ユキは矢を射たが外れた。
「お願い!」
スズは光の玉を操っているが、
兎に追いつかない、
みんな凄く焦ってるが、
兎は逃げようとしてる、
走って来るコースは一直線で、
自分の脇を抜けるコース、
この程度の速度なら、いけるだろ、
バットを構えた、
コースは外角低めボール球だ。
振りぬいた、
芯を捕えた感覚、
「「「「凄い」」」」
いや、野球のボールから比べれば、
あれ程大きければ当たらない方が可笑しい、
高校球児なら、アレが打てなければやめた方が良い。
兎はとったが、
フリチンでフルスイングして気持ちが良いと感じてる状況、
マズい、これになれると・大・変・な事になる気がする。
兎に角、服が欲しいのだ!
せめて、パンツを俺に~~