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いねむりひめとおにいさま【プロット版】  作者: つこさん。
第二部

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居眠り姫と王女様・4

参照)シャファト家と在りし日の想い出・6




午後を少し回った頃、郵便配達員が運んできた一抱えの荷物を見て、シャファト家の侍女は目を丸くした。


受け取りの署名を求められて訝し気に中身は何なのか、と訊ねた侍女に、郵便配達員は「ドレスとのことです」と答えた。



その答えに、侍女はさらに目を見開いて戦慄いた。



そして署名もせずに身を翻すと、行儀も何もなく階段を駆け上がり、叫んで走った。



「お、おじょうさまーーー!!!届きました、『通信販売』です!!!ほんとに届きましたーーー!!!」



残された配達員は呆気にとられた。



****



「え、わ、わたくしが署名をするの?!」



玄関先まで急いでやってきたルドヴィカに、集まった家僕たちがどうぞどうぞと道を開け、やや疲れた顔の配達員が配達伝票を差し出してきた。



「ええ、受け取ってくださるならどなたでも」

「まあ、まあ、どうしましょう。

ラーラ、ペンを、ペンをちょうだい!」



多少動揺しながらルドヴィカはペンを受け取ると、ダ・コスタ商会の会頭にしたためる手紙と同じくらい丁寧に署名した。

荷物はヨーゼフからここぞとばかりに逃げてきたザシャが受け取り、ルドヴィカは配達員に心付けをするよう控えていたリーナスに命じた。

配達員は満面の笑顔で帰って行った。



「ルイーゼ、なにが届いたんだ?」

「『通信販売』ですわ、おじい様!」

階上から声をかけたヨーゼフに、ルドヴィカは得意顔で答えた。

「よく分からんが…それは家人総出で受け取るくらいのものなのか」

「ええ、ええ!はやく皆で中を確認しましょう!」


いそいそと階段を上がり、「皆いっしょに入れるお部屋は応接室かしら…」とルドヴィカは言った。

別に皆で見なくてもいいのに、とザシャは苦笑しながら後に続いた。



「…あ、開けますわよ?」



ヨーゼフとザシャやラーラの他に、職務を放ってきた家僕20名強に囲まれ、ルドヴィカは自分の肩幅より大きい包みに向かった。

シャファト家って平和だよなー、とザシャはしみじみ思った。



はさみでしばらく格闘した後、しおしおとルドヴィカがザシャにはさみを差し出してきた。

「はいよー」と受け取り、さくさくと開封していく。



出てきたのは丁寧に折りたたまれた薄紫のシフォンドレスだった。



「すてきー…」広げられたドレスに侍女の一人がため息と共に言った。



その声に弾かれたようにルドヴィカも「ええ、ええ、本当に素敵!」と言った。

「ザシャ、持ち上げて!」



胸の部分がドレープになっており、肩で蝶結びになり袖部分として流されている。

ウエストの切り替え部分で絞られた布は背後へと回され、それによって着たときにスカート後方部分に緩やかなプリーツが生じる仕組みだった。

全体的におとなし目な、すっきりとしたドレスだった。

なにこれすてき、雑誌の挿絵より俄然すてき。



「…お嬢様にはなんかまだ早くねぇ?」



ザシャは鼻頭にしわを寄せて言った。


「そんなことありません!」

むきになってルドヴィカは言った。

「なんかさー、これはもうちょい大人になってからだって」

「そんなことありませんっ、着られますっ」

「着れても似合うかどうかは別でしょー」

「ばかっ、ザシャのばかっ」

ルドヴィカはザシャをエイリークでぽんぽん殴った。


「サイズは…確かに大きいですね」

衣裳部屋担当侍女、アデーレが呟いた。



「お嬢様」アデーレは決然とした瞳でルドヴィカに向き直った。



「私、創作意欲が湧いて参りました。

こちらのドレス…私にお預け願えませんか?」



ルドヴィカは職務熱心な侍女の燃える心を読み取り、すぐさま頷いた。



「ええ、アデーレ。

すべてあなたに任せるわ」




アデーレ無双

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アンケートは終了しました。ありがとうございました!!!


結果は第二部「居眠り姫と王女様・1」の後書きです。



スピンオフ作品


わたしの素敵な王子様。[短編]


君の愛は美しかった[連載]



いただいたショートストーリー


●ルーシィさんの異世界単訪●本日の単訪先は!!『いねむりひめとおにいさま【プロット版】』だにゃ♪ 提供:アホなゴブリン('ω')

いただいたインスパイア作品


童話【居眠り姫と王子様】 作者:もふもふもん

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