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そもそも私が異世界人だった  作者: 亘理朝夢
9/22

どうやら魔王の方らしいです

さて、異世界に来たのでとりあえずクラスチェンジします。

「仕方ない。貴女を穢すのは後にしましょう!」


娘を穢すとかいうなよかーちゃん、、、。

まぁ、義母なんだろうけどさ、、、何かストレートすぎて切ないわ。


とりあえず宿を出て、さっさと目的地に向かうことにした。


「とりあえず、クラスを確定させて、そこから穢して、それでもって、、、」


「そこから穢して、とかついでみたいに言わないでよ、、、」


私にとっては、32年守ってきたものを、そんな雑な感じで奪われたらトラウマになる気がする。

流石に、もう、愛した人がどうのとか、幻想に浸るほど若くないので、ある程度の諦めはついているのだが。

ようは、処女のままだと、誰にでも私の力を移せるから、命狙われ放題なので、せめてそれをなくそうという事なんだろうけど。


「あんたも、いろいろ細かいねぇ。かーちゃん、そんな育て方したかなぁ?」

「多分、本当の親に怒られる程度には育て方失敗してると思うけど。」

「え、どうしよう。帰るのやめる?」

よくまぁ、自分の愛娘をこんな雑な神官に託したものである。


「そもそも、ドワーフの女性は身持ちが固いんじゃ無いの?もう少し恥じらいとか無いわけ?」

なんか後輩が言ってたので聞いてみる。

「ああ、それ?それはね、結婚したら、浮気は厳禁。浮気は死罪。って決まってるから、そんな噂が流れるのかもね。」

「つまり、結婚してなければ、どうということはない、と?」

「簡単に言えばそうね。そういう意味では、あちらの世界では不思議かもしれないけど、このドワーフの国ではデキ婚が多いのよ。

結婚は、神に誓うもの。それを違えることは、死をもって償うべきもの。だから、一度結婚したら、離婚も禁止されてるわ。たとえ相手が死のうともね。」

そこまで極端なのか。でも、死んでもダメってやばくない?

「えー、、、未亡人とかどうするのさ。」

「じゃ無いと、浮気したくなったら、伴侶を殺す人が続出するし。」

まぁ、そうかぁ、、、

「でもまぁ、その辺は、色々あるから。また今度教えてあげる。」

そんな話をしているうちに、協会らしき場所についた。


「でかっ」

第一印象はそれ。

あまりのデカさにびびる。

「協会は力の象徴でもあるからねぇ」

のほほんとしながら、母は教会の中へと入る。

「こ、これは、カミーナ様。よくぞこんな辺境まで、、、」

出迎えたのは、なんか耳の生えたいわゆる獣人。

歳は相当とっているらしく、毛並みには白髪が混ざり、腰も多少曲がっているが、立派な神官服を着ていることから、そこそこの地位はあるのだろう。


「かーさん、知り合いなの?」

「ふっふっふっ。こう見えても、高位の神官だって言ったでしょー!」

なんか、偉そうな母。


あれ?


「なんか、少し若返ってない?」

母の顔から、シワが減っている。

髪の感じも、艶が多く見えたのだ。

魔法で若返ったりとかできるのかな??

と、思ったら、


「あんたもねー」


私も?

ここに着てから、鏡なんて見てないからわからないけど、言われてみれば多少肌の艶が良いような。

「向こうとの時間の進み方が違うから、多少補正されてるのよ。」

「へぇ、どの位?」

「うーん、はっきりはわからないけれど、向こうでの十年がこっちで五年くらいじゃ無いのかなぁ?」

まぁ、どの程度補正されるかは、よくわかってないのだけどね、と、母は首を傾げた。

30年近く向こうにいたのだから、こっちでは15年くらいたってることになるのかな?


良し。

32歳の行き遅れかと思ったけど、適齢期になれるかもしれないことに、小さくガッツポーズをしたのは内緒である。


「カミーナ様、こちらに」

案内された先、立派な祭壇が有った。

先に連絡が入っていたのか、準備は万端なようである。

「ありがとう。これなら完璧ね。さぁ、マリ。ここに立って。」

私は、促されるままに中央に立つ。

と、それと同時に。


カッ


私の周りで閃光が走り、同時に母が頭を抱えた。

老神父は、あからさまに狼狽える。


「そんな気はしてたのよね、、、。」


頭の中に響く声。


『クラスチェンジが完了しました。

あなたのクラスは、魔王です』


やっぱそっちか、、、

予想通りの展開です。

因みに、デキ婚の多いドワーフっていうのはうちの適当な設定ですので、ご了承下さい。

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