冒険者になろう
久しぶりに投稿します。
「あー、おしり痛い」
たどり着いたのは、小さな街だった。
最初にいた街よりも、質素な街並みに見える。
そんなことより、馬車に揺られるって、こんなに辛いのかと。
舗装された道路を車で走る世界に帰りたい。
「乙女が堂々とお尻とか言わないの。」
カミーナに指摘されるが、正直どうでもいい。ケツって言ってないだけマシだろ。
「まぁ、先輩なら、ケツって言わないだけマシですね。」
「育て方間違ったかしら」
2人は、そんなことを言いながら、どんどんと先へ進んでいく。なんか、強いなぁ、この2人。
カミーナはともかく、後輩だってこの世界に来るのは初めてなはずなのに。
「とりあえずギルドに行きましょう。」
どこの街にもギルドは必ずあるらしい。日本で言うところの役所みたいなもんか。訪問したら申請して、大まかな日程を報告したのち、滞在許可をもらう。
街の中心あたりに、少し大きな建物を見つけた。この辺りにしては大きいとはいえ、最初の街に比べて、相当小さい。
「こんな小さい町では、そんなに大きなギルドは必要ないのよ。」
そう言いながら、少し重い木の扉を開く。
中には、ボードと受付があり、受付の横に申し訳程度の販売スペースがあった。
受付嬢も、近所のおばちゃんといった感じで、ファンタジーのイメージの受付嬢とは違う。1人しかいないところを見ると、おばちゃんは店番も兼ねているようだ。
「あら、噂のカミーナさんかい?」
こちらを見つけると、おばちゃんはにこやかに手を振った。
「こんにちは。そんなに噂になっているなんて光栄です。」
「こんな田舎に、それほどの魔力を持ってる人なんてそうそういないからね。何より、連れてる人が桁外れだって話を聞いてるからさ。おや?2人?」
「途中で知り合いに会いましてね。」
さすがギルド。情報が早い。そんなことを思いながら、依頼ボードを見る。色々不思議なマジックアイテムがあると言うのに、ボードに紙を貼り付けると言うなんともアナログな。
「イノシシの駆除、ネズミ退治、ゴブリンの調査。薬草の納品。」
「こんな田舎ですからね、難易度の高い依頼なんてそうそうないんですよ。」
依頼を読み上げてみていると、おばちゃんは、笑って言った。
いいな、こういうの。ゲームで見たやつ。
「もしかしてあんた、やりたいの?」
カミーナは、不思議そうな顔をして言う。
だって、も面白そうじゃん、、、
「宜しかったら、冒険者登録とかしてみますか?」
「いいの!?」
「はい、15歳以上で希望があれば誰でも冒険者になることができるんですよ。」
受付のおばちゃんの説明に沿って書類を書き、渡す。なんか、どさくさに紛れて後輩も登録を始めた。
「クラス、、、魔王、、?」
おばちゃんが一瞬怪訝な顔をしたが、クラスは魔王なんだもん。
それでも、誕生日と名前を入れるだけで簡単に出来るらしく、カードを受け取ることができた。
誕生日はカミーナに聞いた、こっちの暦のものである。
「おお、21歳だって!」
「ええ?俺、17って出るんだけど。」
後輩は、誕生日の欄がわからず、空欄にしたのだが、勝手に表示されたらしい。じゃあ、書かなくても良かったんじゃ、、、と思うが。
「年齢詐称だなぁ」
「うるさいよ?」
こっちをまじまじと見る後輩。どうも、異世界補正で変なことになってるらしいが、そんなに問題ないと思う、多分。
「本当に魔王なんですねぇ。」
後輩とおばちゃんが覗き込んでくる。ちなみに後輩はと言えば、クラスの欄も空白。
「クラスは、クラスチェンジ後に勝手に表示されます。」
2人とも、ランクはF。
カードに表示されている情報は本当に簡潔で、名前とランクとクラスと年齢だけ。
「先に、コウハイくんのクラスチェンジしないといけないわね。」
「俺の名前、レオンハルトなんですけど。」
「ああ、そうだった、ごめんね?」
相変わらず、雑である。
「教会は、ここを出て右の道をまっすぐいけば、小高い丘にありますよ。」
「ありがとう。じゃあ、ついでにゴブリン退治でもしてこようかな。」
カミーナは、ボードから依頼書を一枚取り外し、自分のカードとともに受付に渡す。
「はい、こちらの依頼ですね。必要ランクはDですが、カミーナ様がAランクなので、問題ありません。」
カミーナ、Aなんだ、、、。
私たちも、促されて受け取ったばかりのカードを渡す。
さっさと手続きをし、カードを依頼書にかざすとカードに受注済みと表示された。
面白い、、、。
そんなわけで、冒険者になった魔王は、三人で教会に向かうのだった。
冒険者とか、依頼とか、本当に異世界っぽすぎてなんだか笑えてくる。後輩であるレオンハルトも、なんかものすごくワクワクしているようだ。
大丈夫なのかなぁ。
なかなか進まなくて、内容がまとまりません。
読みにくくて申し訳ないです。