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そもそも私が異世界人だった  作者: 亘理朝夢
15/22

修行をしよう2

性別取れちゃった。

まさか、性別が取り外せるとは思わなかった。


「あああ、びっくりした、、、」


ペタペタと、小さな胸を触りながらカミーナは涙目になったいる。

驚きすぎて、すぐはめ直した。

するとすぐに再び光に包まれ、元に戻ったのである。


「因みに、下はどうなってたの?」

「女の子のアレだけがなかった、、、」


36で、女の子というのもどうかと思うが、まぁいいや。

男になったわけではなく、完全に無性になったらしい。


「これ、他の人から男を外してはめてみたらどうなるんだろう」

「私以外で実験してください、、、」


カミーナは、ショックだったのか、かなり弱気になっている。まぁ、そりゃそうか。

ちなみに、自分を見ることはできなかった。そういうもんなのかな?


次にスライムを見てみると、


魔導スライム、合成生物(キメラ)、水色、いばりんぼ、お喋りと、書かれていた。

性別のところは表示されてすらなかった。

性別がないせいかな。

ちなみに、水色が取り外せたんだけど、外すと無色透明になったのが面白かった。


「何するンだよー!ぼくのステキないろがー!」


怒ってるのを無視して、隅っこに生えている花にも同じくキーワードのスキルを使う。


ヒメシャル草、状態:開花、栄養状態:良好、花色:黄

スライムも、花も、色の部分だけが触るとグラグラしていた。つまりは、取れるということ。


「よしよし。この、黄色を外して、、、」

「え、ちょっト、何してルの!?」


スライムの水色部分と入れ替えてみたのだ。

すると、両方が光につつまれ、スライムが黄色に、花が水色になった。因みに、スライムが黄色くなった影響か、空の部分と壁も黄色くなった。キモい。


「ああああ!もどシてぇぇ!!」


表情はあまりわからないが、どうやら泣いてそうなので、戻した。すると、また薄く発光したのち、元に戻る。


「ビ、ビックリシター」


カタコトになるスライムに、テヘペロと、謝る。


「ごめんごめん、、、。もうしないから。」

「ボクで実験した人とか初めてダよ!万が一があったら困るから、もうやめてねネ!」

「しかし、すごいですね、興味深い。」


カミーナは、色が変わった空や壁と、花を見比べて首をかしげる。


「このスライムは分身なので、ダメージを受けて消滅しても、本体には影響がないはずなんですが、今のスキルは、本体側にまで影響を及ぼしていました。今は、性別や色ぐらいしか触れないみたいですが、これが何か変わっていくのか、それとも、触れる範囲が決まっているだけなのか、もっと試してみたくなりますね。私以外で。」

「ボクも嫌だヨ!」


確かに、毒状態とかを強制的に他人に移すとか出来ると、それはそれで使えそうな気もする。

まぁ、どっちにせよ1人と一匹に拒否されたので、今回の実験では見送ろう。


「あ、あと、魅了は?アレってなんか便利そうじゃん!」

「ああ、魅了(チャーム)、ね、、、アレは、単体では使いにくいスキルなのよねぇ」


何ですと?オトコを落としまくって、うまく生き抜けたら、もう、勇者も何も怖くないと思ったのに。


「異性にしか効かないとか、そんなの?」

「ううん。自分に心を動かした相手にしか効かないのよ。」

「へ?何それ。じゃあ、少しでも私にときめかせてからじゃないと使えないってこと?」


うんうん、と、カミーナは大きくうなづく。


「基本的にはサキュバスが持ってるスキルなんだけどね。アレは、幻覚と同時に使うから意味があるんであって、あんたのその外見に、、、その、、、うーん。」

「母代わりでなければ殴ってるわ」

「あ、あははは。ま、まぁ、そんな感じで、単体で持ってても使いづらいのよね。なので、最低限の幻術か何かをおぼえてからにしましょう。」


うー、、、知ってれば、あの時に幻術系のスキルもらったのになぁ。残念。

まぁ、今更悩んでもしょうがない。


「よーし。じゃあ、あとは双剣無双ね。これは、、、私も、最低限剣を使えるとはいえ、達人の域でもないんで、何ともいえないんですが。」


腰から、短めの剣をすらっと抜き、私の方に向かって構える。

私も、ゲームで見たような姿勢で双剣を構えてみた。でもなぁ。なんかしっくりこないんだよなぁ。

双剣無双。

無双というからには、並ぶものがいないほどに双剣が強いってことじゃないのかなぁ。


ん?待てよ?

()()()()?これってもしかして、、、


「かーちゃん、ちょっと、剣をもう一本持ってみてくれる?」

「へ?こう、ですか?」


カミーナは、ローブの中に持っていたさらに小さい短剣を持ち、歪ながら両手に剣を持つ状態になる。

すると。


『敵を確認。スキルを発動します。』


頭に響く声と同時に、自分でも信じられない速度でカミーナの手の剣を弾き飛ばしていた。


「え、、、?」


何が起きたかわかっていないカミーナに対し、私の体と手は、流れ込んでくるスローモーションの通りに、信じられないくらい綺麗な動きで反対側の手の剣も叩き落とすと、そのまま肘でカミーナの背中を打ち、その場に倒したのだった。


「あああ、ごめんかーちゃん!」


慌ててスキルを解除し、カミーナを起こす。


「い、、、いててて。なるほど、双剣無双とは、双剣相手に無敵、というスキルですか。」

「私のスキル、使いづらさがすごいです、かーちゃん。」

「うーん。スキルは育つし、何か追加で得ることもあるし、ちょっと練習しながら様子を見ましょう。」


因みに、スキルが発動した後に、相手が片手の剣を地面に捨てても発動したままだったし、片手剣の状態から、反対の手でもう一本剣を取り出した時点で発動した。

二本の剣を使ったという状態を、双剣としてみなしてるのかしら。難しすぎる。


「まぁ、収穫がなかったけではありませんし、今日はこのくらいにしておきましょう。」


2人であれこれ試した後、どういう仕組みがわからないが、スライムの中が暗くなってきたので、今日の修行は終了したのだった。


使えるスキルがなさすぎて辛い。

こんなに弱そうな魔王は、ピンチではなかろうか。

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