チート転生したはずなのに何かがおかしい件
書きたいから書いた、正直ノリで書いたので稚拙な部分多々ありますが目をつぶって見ていただけるとありがたいです。
目を覚ますと、そこは白い世界だった。
……は?なんだここ?俺の家じゃないぞ。
「目が覚めたようだね」
声が聞こえた方を向くと、そこには俺と同い年か、少し年下ほどの天使のようなコスプレをしている少年がいた。
「誰がコスプレだ!…まあいい、簡潔に言おう。君は死んだ」
今何て言った?…俺が死んだ?バカじゃねえのか、俺はこうやって生きてるだろ、頭大丈夫かこいつ。
「初対面の人相手に頭大丈夫かって、随分と失礼だね君は」
そりゃいきなり死んだなんて言われたら…ってさっきから俺口に出してたか?
「そりゃ僕は神様だからね。心の声なんていくらでも聞けるさ」
やっぱりこいつ頭おかしいわ、自分の事神様とか言って、中二病って年でもないだろうに…
「……君は死んだ、そして君には、チート能力を与えて異世界転生をさせてあげるよ、まだ生きたいだろう?」
無視しやがったこの自称神様。てかチート転生とかラノベかよ。
「まあさっさと能力決めてくれないかな、好きな能力言ってよ、大抵のものなら与えられるからさ」
正直いまいち状況が理解できない。チート能力を考えろって言われたってどんな世界かわからないと意味ないだろ。
「それもそうだね、いいことに気が付いた、神様ポイント1点をあげよう。まあライトノベルとかでよくある剣と魔法の世界だよ」
それなら一択だ、その世界の中でのステータスをカンストしてくれ、HPとかMPとかの。
「全能力値MAXでいいんだね?後で変えてくれって言われても変えられないけど本当にいいんだね?」
しつこいなこいつ、とりあえずステータスカンストしてたら怖いもんなしだろ。
「わかった、じゃあ最後に一つ、何か質問ある?」
俺の死因ってなんなんだ?
「勿論居眠り運転のトラックに轢かれて死亡だよ、それじゃあバイバイ」
自称神様のその言葉を聞いた瞬間、目の前が暗くなっていった。
気が付いたら、薄暗い森の中だった。てか死因がトラックって、ラノベかよ。
「なんでこんなところに転生させるんだ、もっと安全な場所とかもあるだろ。そういやほんとに力はカンストしてんのか?」
チート能力をくれるとは言ってたが、本当にそんな力貰ってんのか?いつもと変わらないような気がするんだがなあ…
「とりあえずこんな森さっさと抜けないとな」
そう思い、歩き出そうとした直前に、悲鳴のようなものが聞こえた。これはまさか…最初のイベントか!?
声のする方に走っていくと、二人の子供のような影と、それを取り囲むように大人のような影が見える。しかし様子がおかしい、周りの大人が全く動いていない。
(なんであいつらは動かないんだ?盗賊かなにかかと思ったんだが、違ったか?)
不審に思い、さらに近づいてみると、そこには血だまりがあった。周りの盗賊のような人は、動かないのではなく、死んでいるようだった。
(…なんで死んでんだ、あいつら…それより子供は大丈夫か!?あいつらが死んでるんだったらもしや…)
異世界転生して最初に見るのが死体とはついてない…そう思いながらも、先ほど見えた子供たちの様子を確認しようとして、子供たちがいるであろう方向に顔を向けた。
そこには人間の少女と、角の生えた悪魔のような見た目の少女?がおり、悪魔のような少女?が人間の少女に近づいている様子だった。
(あの悪魔みたいなのがやったのか?だったらあの女の子が危ない!)
俺はとっさに悪魔のような少女を殴り飛ばした。そのままその悪魔はバラバラになりながら吹っ飛んでいき、見えなくなった
(…えっ今の俺がやったのか!?これがステータスカンストかよ!最強じゃねえか!)
この状況に驚きながらも、助けた少女の安否を確認するのが先だと思い、少女のほうに向き直った。
「怪我はないか?お嬢ちゃん」
少し格好つけてしまったが、まあいい。この女の子も怖かっただろう。
助けた少女はやはり怖かったのか、泣きわめきながら走って行ってしまった。走りながら何か言っていたようだったが聞き取れなかった。ありがとうとでも言っていたんだろう。
それから俺は色々なところを巡った。行く先々でモンスターに出会ったが、チート能力のおかげか、難なく倒すことが出来た。
この世界のモンスターは知能が高いのか言葉を話すようだが、モンスター語か何かなのか、言葉が理解できなかった。
ただ騎士のような甲冑を付けた軍団に襲われたのはびっくりしたな、なんで俺を狙うのか聞いても答えないからモンスターかと思ったが人間だったし。まあ多分装備を固めた盗賊団のようなものなんだろう。
また俺を襲ってきたやつがいたから、同じようになんで俺を狙うのか聞いた。
「おい!なんで俺を襲うんだ!俺がなんかしたのか!?」
そいつは俺の言葉を聞くと納得がいったような顔をして、こう言ってきた。
「お前もまたそういうタイプの転生者か、神様の説明をちゃんと聞かなかったのか?」
初めて話が通じる人間が現れたが、こいつは何を言っているんだ?
「神様ってあの自分の事神様って言ってる中学生のことか?説明なら聞いたんだが」
俺がそう言った時、そいつはあきれたような顔をして、そのまま剣をこちらに向けて来た。
「説明をちゃんと聞いたんならなんでここまで人を殺して回っているんだ?人を殺したいから転生してきたのか?」
何を言ってるんだこいつは。
「何か勘違いしてないか?俺は人を殺したことなんてないぞ?誰かと間違ってるんじゃないのか?」
今言った通り、俺は今まで人を殺したことなんてないし、殺したいとも思ってない。こいつが俺を誰と勘違いしてるかはわからないが
「勘違いなんてしていない、お前が人を殺しているという報告は何件もある。帝国の騎士団を壊滅させたという報告だって来ている。言い逃れはできないぞ。もう一度だけ聞く、お前は人を殺したいから殺しているのか?」
何言ってんだ…?騎士団を壊滅?この間の騎士みたいな軍団の事か?あれが騎士な訳あるか、騎士なら俺の話に全く反応しないなんてことないだろ。ただただ雄たけび上げてるだけだったぞ。
「だから勘違いだろ!?騎士団を壊滅なんてさせてないぞ俺は!騎士みたいな奴らが襲ってきたから倒しはしたが、あいつら俺の話すら無視してただただ叫んでるだけだったぞ1」
なんなんだこいつ、話が通じると思ったら全く人の話を聞かないし、どこまで決めつけて話せば気が済むんだ。まさかこいつ…転生者のふりをしたモンスターか!?だとするなら倒しても問題はないだろう。
「話を無視とは…本当にお前はバカなのか?ここは異世界であり、日本ではないんだぞ?そんな場所で日本語が通じるとでも思ってるのか?それに、魔族を何十人も殺されて、魔族からの人族への不信感も高まってきているんだ。そんな奴がこれ以上生きていても国民の不安を煽るだけだろう、お前は今ここで殺してやる」
は?日本語が通じない?魔族?じゃあここにきて最初に倒した悪魔は悪魔じゃないのか?
「待ってくれ!そんなこと知らなかったんだ!頼む!罪なら償うから殺さないでくれ!せっかくチート能力を貰ったんだ!こんなところで死ねるわけないだろ!」
(そういや俺のステータスはカンストしてるんだよな?ならこいつくらい倒せるんじゃないのか?)
「罪を償えないほどにお前は罪を重ねてるんだよ、頼むから国のために死んでくれ」
(やらなかったら俺は死ぬ、ならあがくしかねぇだろうが!)
俺はそう決心し、そいつに向かって腕を振りかぶった。
「はぁ…それ、対策してないわけないだろ…やっぱりお前、バカだな」
その言葉が俺の聞いた最後の言葉だった。そいつの剣が振られたのが見えたのと同時に、俺の視界は黒く染まっていった。
設定
世界観…魔法が存在する、異世界であるが、定番である魔物は存在しない。
文明、技術は中世終わり~近世のヨーロッパのあたりであるが、魔法の発達により、現代の科学で起こす事象は、殆ど魔法で実現されている。
世界に存在する種族…世界には、大きく分けて人族、魔族、妖精族の三つの種族が存在する。
また、人族と魔族は共に友好関係が築かれているが妖精族は警戒して森の奥でひっそりと暮らしている。
人族の王、魔族の王、妖精族の王の3人とその側近達で5年に一回、会議が開かれるが、基本どの王も好戦的では無いため、会議とは名ばかりのただの飲み会となっている。
妖精族はどちらの種族とも友好的ではなく、普段は森の奥でひっそりと暮らしている。
主人公が転生した森もこの森である。
妖精族の住む国の周りには結界が貼ってあるため、主人公は気づくことはなかった。
人族とは…魔力は少ないが、その分体力面では他の種族よりも優位である。人間がこの種族に入る。
魔族とは…魔力を多く持つ種族で、体力、敏捷力には欠けるが、魔法使いとしての素質は高い。また、人族とは違い、角や尻尾などが生えている場合が多い。鬼族、竜族、霊族などがこの種族。
妖精族とは…魔力は全く持たないが、他の種族は出来ない、植物との対話が出来る。また、他の種族を警戒する理由として、昔その力の弱さから、他の種族に滅ぼされかけた時代があり、その頃の記憶から、警戒をしている。
しかし、滅ぼそうとしていたのは悪魔であり、他の種族は関係ないということは知られていない。