第九話 マッドサイエンティスト
「いやーあの食堂の飯旨かったな。特に裏メニューの大人様ランチ。あれはヤバいな。」
「口にあったようで良かったよ。さてじゃあ端末取りに開発部長のところに行くぞ。」
「開発部長ってどんなやつなんだ?」
「名前は松田 紬、祝福者で使える異能は設計図と工匠の二つで大の特異武器マニアだ。」
特異武器とは付与の異能を持った者によって作られた武器の総称。特異武器は世界に20個しかなくアニマルタイプ以外の異能が付与されていることが特徴。また、武器全てが二つ名に認定されている。
「そういえば、お前の銃はユニークだったよな?むやみに見せると分解されるぞ~」
「蝋翼銃のことか?それなら心配ないこいつは柔軟な奴だからな。」
「……?ふーん あ、着いたぞここが開発部だ。」
「アハハハ!!!人体実験サイコー!ハハハ!」
「……なんか頭イってる奴いないか?」
「ん?あーネジが飛んだだけだろ。気にすんな。入るぞ~紬」
「いや、するだろ!」
「おーいそこの助手くん あいつ今日は何本飛んでるんだ?」
「あ、緋縅さん!今日は奇跡的に一本です!閉め直すのをお手伝いしてもらっていいですか?」
「いいよー。あー、環そこのマイナスドライバーを取ってくれその後にあのイカれ野郎を抑えててくれ。」
「わ、分かった。」
「あー?誰だ君は~放せ!モルモットに志願でもしに来たのカー?」
「そんなわけあるか!よし抑えたぞここからどうするだ?」
「頭をこっちに向けろ。閉め直す!」
「ええ!?何でネジとマイナスドライバーを頭に突っ込んでるんだ!」
「え?さっきから言ってるじゃん頭のネジ飛んでるから閉め直すって。」
「……物理的にネジが飛んでんの!?」
「え?うん」
「いやー助かったよ。緋縅くん。 あっもしかして君が端末を取りに来た新人くんかな?これからよろしく」
「あ、ああ、よろしく。そんなことよりアンタ頭にネジ入られて平気なのか?」
「全然平気だよ。私は左脳と海馬以外はほぼ機械で出来てるからね。そんなことより君があのイカロスを所持していると耳にしたんだが本当かい!?」
「あぁ一応。 てかその図鑑みたいなの何?」
「これは特異武器図鑑だ。私が作ったんだよすごいでしょう。」
「そのイカロスってのはそんなに興奮するほどすごいものなのか?」
「えー!?知らないの!?蝋翼銃は銃が熱がある場所では銃の形を変えることができるっていうすごい銃だよ!あ、はいこれ君の端末と転送ブレス」
「へぇー便利~」
「なぁ、この端末って具体的に何が出来るんだ?転送ブレスの機能は名前からだいたい分かるけど。」
「ふふん、説明してあげよう。その転送ブレスにはマーカーシステムが搭載されていて武器やスーツが転送することができる。ちなみに音声認識機能付きだから両手が塞がっていても転送は可能だよ。そしてその端末は通常の機能の他に専用車両のリミッター解除キーにもなってるんだ。そしてなんと緊急時にはEMPを使えるんだ!」
「いつ使うんだよ。EMPなんて」
「さぁ?気分でつけたから。」
「さて、じゃあそろそろ行くか」
「えー!?もう行っちゃうのー?」
「この後訓練があんだよ。じゃあな」
「訓練?」
「あぁ特別戦闘訓練だ」
「よし!じゃあ早速やるか。」
「まてまてまて、いきなりすぎるだろ!てかなんでやるんだよ。」
「ランク承認試験があるからだけど?言ってなかったっけ?」
「聞いてねぇよ!てかランクってなんだ?」
「ん、あぁ普警じゃ階級っていうんだっけ?うちではランクっていってな序列と強さを示すんだ。ランクはEからSの6段階に分かれててそれぞれの強さは
Eランク 一般人より少し強い
Dランク 格闘技や柔道等の武道経験者くらい強い
Cランク 特殊装備が使いこなせる
Bランク 特殊装備を完全に使いこなし、異能が使える
Aランク 異能の基礎を完全に使いこなし、応用ができる。
Sランク 二つ名を得るか二つ名持ちと対等に戦える。
……で、高ランクになるほど受ける任務の危険度が上がる仕組みだ。まぁ環はまだ所属試験しか受けてないから、今のところDランクで新人以下だけど試験受けるのやめる?」
「あぁん!?私が新人以下だと…上等だ!その試験受けてやる。」
「決まりだな、じゃあ早速実践訓練といこうか。」
「よぉし!ぶっ飛ばしてやる!」