俺たちゃ子供なんで保護者の許可が必要なんだ
「なに!?とうとう見つかったのか、我は半分諦めていたいぞ!!」
突然家に押しかけといて覇王の城主である男性…エッセを攻撃した幼馴染2人に詰め寄った。
「ええ、間違いないわ」
自信があるのか胸をはるミラジーノに驚きの顔から笑顔に変わるエッセ。
「では、これで人間が魔界に入り込むつまらない対策会議に時間を裂けなくてもよくなる」
エッセに頷くハイゼットもエッセに続く。
「そして俺は人間が召喚した度にでる被害者がなくなり書類が減る!」
最後にミラジーノも。
「私も地獄に来る人間が減る!」
三人は同時ガッツポーズを決めた。
世界は三つに分かれていた、人間たちと様々なエルフを始め妖精や精霊の住む世界サファリ。
人間とエルフが信仰している神が住み善人だけが死後に行ける天界アルファード。
魔族の住処でもあり地獄が存在し力に溺れ堕ちる者どもを魅了してやまない魔界ソニカ。
もっとも恐れそして人間が魅了される魔界の覇王が城の廊下で魔王ハイゼットと覇王エッセが不良座りをして冥王ミラジーノはお尻を床に付けずに自分の膝を抱えて三人ともお互いに顔をつき合わせ作戦会議中。
「んで、まずは俺たちの親に許可を得るべきじゃないのか?」
目だけでエッセとミラジーノを見て発言するハイゼット。
「同感だが魔界を隔離するとなると我らが人間に関わることとなる…天界の神にも報告が必要だ」
続いてはエッセの言葉にミラジーノも頷く。
「うん、そうね。私のパパは大丈夫とは思うけど」
ハイゼットは自分の膝を叩き立ち上がる。
「よっしゃ!まずは自分の親に許可を貰うぞ、その後は……行きたくねぇーけど天界だ」
悲しいかな自分たちは魔王と覇王と冥王であろうがまだ子供の立場だった、魔界全体的なことになると保護者の許可が要る。
ここで彼らの立場を改めて説明しよう、まずはハイゼット、魔王で魔界の政治の長であり魔界の暮らしを守っている。
ずっとハイゼットを悩ませているのは人間が魔力を欲しいために魔族を召喚するので、魔族にとっては強制的に人間界に連れて行かれる誘拐事件の問題が多発して頭を悩ませていた。
ほとんどの善良なる魔族の住民は人間に力を渡すのは嫌がるが魔界に帰してくれないので泣き泣き力を与えているのが現状、魔族にとっては誘拐された上に恐喝にあたる、その後始末にどれだけの時間と手間をとられるか是非とも人間に知ってもらいたい。
ハイゼットの親は魔神、魔界を覆う魔力を一定に安定に調節している魔界の三神の1人でハイゼットの母親だ。
次にミラジーノ彼女は人間界で咎を背負った人間の魂が行き着く先、地獄を管理している。彼女の仕事は罪人をどの期間地獄で罪を償わせるか、どの罰を与えるのかを選ぶ裁判長の役目を担っていた。
ミラジーノもまた人間が無知ゆえに魔族との契約を無理やり結ぶので彼らは死後にどんな善行を行おうとも地獄へ落とされる、一度契約を魔族と結ぶとそれだけで人間の魂は魔族よりになってしまうのだ。
それでなくても悪人は人間に多いのだこれ以上増やしてくれるな。と悩んでいる。
こちらも親は神である。性別は父親で地獄の支配と守護している魔界三神の1人である死神。別名を娘溺愛の駄目父親。
最後にエッセ、彼は三人の幼馴染の中では一番の年長者。ざっと二万年は生きている。エッセは覇王。主に魔界の軍事を担当して万が一にも他の勢力からの魔界侵略を防ぐために存在していた。普段は人間界と魔界の境目を守り人間が入り込んでこないように見張っているが、あの手この手で入り込もうとする人間にはほとほと困っている。
彼も親は三神の1人で父親の破壊神だ。人間界の終末に、人間界に降り立ち全てを無に帰すのが役目だった。その後天界が破壊神の壊した世界を再生させて天地創造しなおす、早く言えばお掃除係みたいなもの。
三者三通りに共通して人間のちょっかいに頭を痛めている、ならばいっそ魔界と人間の住む世界を隔離しちゃおう計画を以前から企てていたのだが、それには特別な人間の力が必要という悲しい結論にいたりその特別な人間が生まれるまでひたすら耐えていた。
しかしやっとの思いで感知能力の高いミラジーノが特別な人間を探し出したのだ。
ハイゼットは逸る気持ちを抑えきれず、瞬間移動を普通は母親の城の玄関ではなくて寝室へ直接向かった。
***
沢山のカーテンが部屋に垂れ部屋を飾る中央に大きなベットがあるそこに母親は寝ていた、母親は魔界の魔力を調節する際に眠りにつく。
母親の仕事を邪魔しない様にベットに腰をかけて終わるのを待つ。
ちなみに彼らの親は1人だけ、魔界の神は1人で子供を作りその子が王となって、次の神となる。それまでゆっくりと魔界の神は子供に魔力を注ぎ次の神に相応しくなったら引退をして老後の人生をエンジョイできる。
ただハイゼットの母親は自分が魔界の神になるまでに人間の終焉と再生を6度も見届けたという、のだからハイゼットが魔神になるのはまだまだ先であろう。
ぼ~と空を見つめ母親が目覚めるのを待っていたハイゼットの後ろからそっと白い手がさし伸ばされ、彼の髪を掬った。
「もっと妾に近こう寄れ」
「お母上様、お邪魔して申し訳有りません」
「構わぬ」
後ろを向けば目を覚ました自分の母親が微笑みを湛えながらいた。母親もハイゼット同様に頭に角を持っている。
ベットに座りながら向き合い、何度みても自分の母親ながら美しい人だとハイゼットは感じた。外見は年を知らない乙女にも見えて自分は母親以上に美しい人を知らない。
髪も眼の色も息子であるハイゼットと同じなのに、魔力の高さから惹かれるのだと以前母親から教えてもらったがいずれ自分もそうなるのだと思うと少し躊躇う。
「お母上様、お話が…」
「存じておる、魔界を隔離するために魔石を封印するのであろう?」
「お話が早い、その通りです。ミラジーノからの報告で封印に耐えうる魂を持った子供が生まれました。その子供を勇者として旅をさせて魔石をゆくゆくは封じさせます」
魔神である母親は面白そうに笑う。
「して、どのように?」
魔族が直接人間に助言を自らしてはいけない。それは天界の役目である上に、人間にとって魔界=地獄という畏怖を損なってはいけないからだ。地獄は恐ろしい所と思わせないと悪人にならない様に踏みとどまらせる為の抑止力にはならない。
「それはご覧になってのお楽しみです、それよりもお母上様」
「うむ、好きにするがよいわ。その件に関しては全権おぬしに委ねようぞ」
よし!反対はされるとは思っていなかったがあっさり全権を貰えたのは儲けた。やっぱあれだ、お母上様は退屈していたのだろう。
ハイゼットを抱き寄せようとした魔神はふと部屋の隅へ視線を向けた。
そこには立体映像で魔神の部屋に立っているエッセ、ハイゼットと視線が合うと。
≪お構いなく、続きをどうぞ≫
いい笑顔で答えた。
「いつから…いた?」
顔を赤くしてベットのクッションの一つをエッセが作った立体映像にぶつける、当然ただの映像なのでクッションはと通り透けてクッションは床に落ちた。
≪お前がベットに座った頃だ、こちらの親父殿の許可は頂いた報告しにきたが親子水入らずを邪魔してはならないと思ってな。いや~いいものを見た。百合の姉妹に見えたぞ、ごちそうさま美味しかったです≫
てめぇ…先ほどの仕返しといわんばかりに揶揄かうエッセに舌打ちをした。
≪も~エッちゃんどいてハイちゃんと僕もお話した~い≫
エッセの背後から舌足らずな少年声がする、しかも声変わりもしていない声で。
≪やっほ~ハイちゃん久しぶり~魔神もお久~≫
立体映像のサークルにエッセを押しのけ5~6歳の少年が割り込んできて俺たちに手を振る、立体映像を作るには足元で光る魔法のサークルの中に入らないと自分の姿が映らない。
あの少年はエッセの父親、誰がなんと言おうとも破壊神だった。
今回はちょっと説明が多いので余り面白い展開ではありませんね、次からはギャグしかありません。本当にシリアス展開なんか全く予定していないのもどうかと思いますが。




