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プロローグ 幼馴染トリプルの企み

 豪華な装飾品で飾り付けられた窓の上には光を放つシャンデリア。床には真紅の絨毯に机は漆黒の艶やかな金であしらったどれも最高級の品を集めた公務室に1人の二十歳を過ぎた青年が足を行儀悪く机にのせて椅子に深く座っていた。


 青年は背中の真ん中ほどまでのストレートなやや紫めいた黒髪に、耳の後ろ辺りから米神まで頭の形に添って生えている赤い角を持ち。顔は端整であり濃い紫の眼の色をした少し中性的な美男子、体も鍛えてあり細身ではあるが理想的に筋肉もついてある。


 身長も180センチの長身で足が長い、男性が人生を謳歌する要素の一つである女性を引寄せる魅力を十分に兼ね備えているのだが、青年の表情はとても暗い。


 「あああああ~~~退屈!!!」


 広い部屋には彼いがいに誰も存在せず、積みあがった書類の山を虚ろな眼差しで無視をしてシャンデリアの方に視線を固定したまま先ほどから同じ台詞を繰り返し叫んでいた。


 「退屈、窮屈、面倒、ああああ~~もう嫌だ!!死にてぇ!!」

 

 悲しいかな自分はそう簡単に死ねる身分ではない、何たって魔界の三分の一支配をしている魔神の1人息子の魔王なのだから。


 彼の名前はハイゼット。苗字は要らない、魔王として生れ落ちてからハイゼットの名前は彼にしか許されない。迷惑にも彼が生まれる前からハイゼットの名前を持つものは改名しなければならない。


 そんなやんごとなきご身分のハイゼットは現在退屈の真っ盛り、毎日毎日いっこうに減らない報告書を前にダラダラ公務をこなす日々に辟易していた。


 しかも報告書の中でダントツ面倒な問題は全て人間関係。


 「ちくしょうーー!!何で人間は魔族を召喚したがるんだ!!」


 八つ当たりに積みあがった書類を蹴ると、重力に従い書類は床に散乱しちゃった。


 うお!やっべ鬼畜秘書に見つかったら小言言われる。


 1人虚しく立ち上がり、散乱した書類を「よっこらせ」っと呟きながら拾う。人払いをしたので手伝ってくれる人はいない、ついでに魔の王だがどこぞの人間の王様のように他人に尻まで拭かせる傲慢さはハイゼットにはない。だから1人で事故処理をすませ、わざわざ他人を呼んでまで拾わせない。


 ため息をついてしゃがみ込み一枚一枚書類を拾っていると、純金で作られた扉がバンっと勢いよく開く。誰だと思いハイゼットが顔を上げると金髪の美少女が立っていた。


 「よ~ミラジーノか…なんか用か?」

 「何よ幼馴染が来てやったんだから歓迎しなさい」


 ミラジーノと呼ばれた美少女は両手を腰に当てて威張る。誰も呼んでネェよと心で呟くが決して口には出さない。


 「アンタ魔王なのに随分地味な仕事ね」

 「書類拾いは俺の仕事じゃありません、ちょっと蹴ったらぶちまけた…ってお前は暇そうでいいな冥王さまよう」

 

 そう彼女は冥王、魔王に並び魔界で三分の一のもう一人の支配者である。親は死神、彼女も一人っ子。ハイゼットの前に現れた少女の名はミラジーノという、ハイゼット同様に同名は無い。


 そして服の趣味はピンク系の明るい色彩かつフリルの多いゴスロリを好む、ちなみにハイゼットは黒色の服と革製のブーツを好んできている。


 ミラジーノは魔界にある人間たちが生前に罪を犯した者が行く地獄を統括する冥王でありハイゼットの幼馴染、外見は18歳ほどで肩ほどの長さの金髪の髪がシャンデリアの光に反射して輝く。顔は幼さを残した丸い青い眼が特徴で綺麗よりも可愛いとの印象を与えた。 


 白く瑞々しい肌をしている美少女の身長は小柄で140センチほどしかないがまだ彼女は成長している途中だから将来は美女に変貌するであろう。ハイゼットは頭に角があるが彼女にはリボンをつけた爬虫類に似た尻尾がスカートから覗かせていた。


 魔族は体のどこかに魔力の源となる場所がある、ハイゼットは角、目の前の少女は尻尾。そこを触られるととても困るので魔族同士では接触を避けるのがマナーだ。

 

 「それよりも見つけたのよ!!」

 

 嬉しそうにミラジーノは飛び上がり尻尾をブンブン振って喜ぶ、ハイゼットは「はっ?」と眉を顰めて聞き返す。

 

 「は?じゃないわよ!!ついに見つかったのよ!!魔石の封印に耐えられる人間が!!」

 「うっそ!!!」


 しゃがんでいたハイゼットは跳びあがって立ち上がった。


 「これで人間の住む世界と魔界を隔離できるわ!!」

 「マジかよ!!ブラボー!!」


 ハイゼットは両手を広げ、ミラジーノはハイゼットに抱きつき2人は抱き合って喜びを分かち合う、ノリはまるで女子高校生だった。


 「さっそくエッセにも知らせましょう」

 「おうよ!」


 一通り喜びを分かち合うと瞬間移動の魔法を二人が発動して公務室から姿を消す。




 王宮の廊下を1人の男性が歩く、古いが王宮なので素晴らしい廊下の飾り彫りや所々に飾る装飾品にも興味なく背中から赤黒い羽を生やした男性が面倒な顔で歩いていた。


 魔界は常に雷鳴が響き薄暗い世界を思い浮かべるだろうが、そんなの夢話だ。一部を除き魔界にだって太陽はサンサンと日を恵み雨が降る日もあり人間の世界より魔力が溢れている以外はそれほど変わらない。


 外見は二十歳後半、成熟した大人の美丈夫だ。髪はウェーブした赤色が強いオレンジ色で髪を1つに纏めポニーテールにしていた。長さはポニーテールがやっと出来るほどのセミロング。

 

 男の外見も一目を引くが一番の印象は二メートル近い長身、服はレザー系の胸が露出したデザインで他はしっかりと指先まで隠すように手袋と新品のブーツを忌々しそうに歩きながら感触を確かめていた。


 体つきはハイゼットよりも戦士の様に鍛え上げられ逞しい風貌をしているが先ほどからずっと不機嫌な顔をしている。


 「おーい……!」


 ん?と男性は立ち止まり声のした方向が後ろだった為に立ち止まり振り返った。


 すると背後から突然ミラジーノが男性に向かって後頭部に廻し蹴りを繰り出したが間一髪、男性は上半身を下にしゃがませて避けた。


 「甘いぜミラジーノ!」

 「ちいっ!」


 美少女が汚く舌打ちをしてもいいのだろうか、とにかく避けた男性は笑ってやろうかと上半身を元に戻して顔を上げた瞬間見えたのは自分に向かってエルボーをくらわせる一秒前のハイゼットの姿だった。


 「ぐえ!!」


 見事にエルボーが決まる。えずく男性の後ろでハイタッチをしているミラジーノとハイゼット。


 「きっ貴様ら…何の真似だ」


 そりゃ当然怒るわな、加害者2人は手と手を取り合って。


 「えー?こわーい」

 「やーだぁーマジになっているぜ、大人になれよ」

 

 なんて返ってくる始末、この困った二人は男性の幼馴染だった。喉を撫でながらいつもよりテンションの高い2人を怪訝そうに見て。


 「なんだ何か面白いことでも合ったのか?」


 退屈な毎日に刺激を求めているのは自分も同じなので嬉しそうに問う。

 

 「「もちろん!!エッセ!!」」


 2人は意気の合ったシンクロ率で返答した。その2人の顔を見てエッセといわれた男性。覇王である彼も心が弾む。


息抜きで書いた小説ですのでこの小説は他のよりは更新は遅めです。

忘れた頃に見に来てください、更新されているかも知れません。

あと名前の由来は分かる人は分かると思います。(笑)

余談ですがハイゼットのモデルはゲームのテイルゥ オブ ウェスペリアの主人公ユーリです。私はゲームをやってませんが魔王コス(?)ユーリを見せてもらった時に思いついた話なので性格も違いのですが外見は彼をイメージしています。

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