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第七話 敵襲

第七話です。


色々試行錯誤しながら書いてます。

書いたり読んだり学ぶことがたくさんあって楽しいです。


「あー、待つのって退屈だね、そう思わないクロイ?」頭の後ろで腕を組みのけぞるようにソファーの背もたれにもたれかかるシロイ。

「そうだな」一人掛けのソファーに深く腰掛けアームレストに頬杖をつきながらクロイが答える。

「ヴァレンティノとロマーノに影置いてくればよかった」遊び行けず留守番をしている子供のようにつまらなそうなシロイ。

「今からでも置いてこれるぞ」最適解のクロイ。

「いや、今回はやめておこう。どう動くかわからない方が楽しいからね。ワクワクするね」突然目を輝かせだすシロイ。

「そうだな」退屈なのか楽しいのかよくわからなかったがそう答えておいたクロイ。


そして夜が訪れる。

最初に気付いたのはクロイだった。カールゴンに付けている影からの反応。

「何か来たぞ、カールゴンの方だ」影に意識を集中させながら静かにクロイが言う。

「多分ヴァレンティノのとこだろうね、さすが動きが早いね。相手の戦力はどれぐらい?」昼間のワクワクがさらに増しているシロイ。

「近くに4人、1人は運転手だな、それと少し離れたところに1人、狙撃手だろう」クロイはガールゴンへの殺意を感じ取り索敵をしているようだ。

「よーし、じゃあ僕たちも行こうか。到着するまで倒しちゃだめだからね」遠足に出かける子供のようにはしゃぐシロイ。

「分かった」楽しそうなシロイを見るのをクロイは嫌いではない。


「ここでいいのか?」カールゴンの家の向かいにある建物の屋根に降り立つ2人。

「うん、カールゴンにはちょっと僕たちのありがたみを味わっておいてほしいからね。しばらく影でギリギリな感じでかわしといて」

これからどうやって遊ぼうかワクワクが止まらないシロイ。


そんなシロイとクロイをよそに闇に紛れカールゴンの家に3つの人影が入って行く。

3つの人影は裏口へまわると家の中へ難なく侵入する。全員の手にはサイレンサーを付けた銃が握られていた。

そして、迷いなく階段に向かい、1人が上の階を見上げ安全を確認すると手を振り、後ろの2人を先へと進めさせる。

音もなく階段を上がり廊下を素早く見渡し安全を確保する。経験を積んだプロの仕事だ。

そしてカールゴンの部屋の扉の両側に位置取り中の様子を伺う。

暫くじっとしていたが1人がドアのハンドルを握り、ゆっくり押し下げ扉を開いてゆく。

素早く部屋の中に入ると周囲の安全を確保し、部屋の奥にベットを見つけると銃を構え近づいてゆく。

ゆっくりと周囲を警戒しながら近づいてゆき、もう少しで顔が確認できるところまで辿り着こうとした時スッと黒い影が3人の前を横切った。

次の瞬間3人は自らの手に握られていたはずの銃がないことに気付く。

すぐに戦闘スタイルを格闘に切り替え一斉に影にとびかかる。

しかし彼らは思い知る、闇は影の世界を無限に広げてくれることを。

一斉にとびかかったはずがそこには何もいない。ハッとした瞬間背後から殺気を感じる。

3人ともそれぞれに振り向き防御の態勢をとる。しかしその時には目の前から影は消えていた。

そして再び背後からの殺気を感じ取る。が、間に合わない、一撃ずつ蹴りを受け、前のめりに転がり壁にぶつかり大きな音を立てて止まった。

その音でカールゴンが目を覚ます。

「なんだ? そこにるのは誰だ?」状況が分からず混乱するカールゴン。

一方、吹き飛ばされた3人の男達。

「なんだあいつは、どこに潜んでやがった?」体格のいいリーダーと思われる男が声に出す。

「部屋に入った時にはいなかったはずだ、3人ともが見落とすはずがねえ」先頭に立ち部屋に入ってきた斥候らしき男が続ける。

「殺るしかねえな」血の気の多そうな大柄な男が戦闘態勢を取り直し今にも飛びかかろうとしている。

次の瞬間、カールゴンの前、影の少し後ろに白と黒の人影が浮かび上がる。シロイとクロイだ。

「やあカールゴン、おはよう」振り向き、カールゴンに向かって微笑みかける天使のシロイ。

「まだか?」敵の始末の事しか頭にないクロイ。

「もうちょっと待ってね、クロイ。どう、カールゴン? 

僕たちのありがたみ感じてる?」敵に完全に背を向けカールゴンに話しかけるシロイ。

「感じてる感じてる、お前たちの事も裏切ってないだろ」必死の形相で訴えかけるカールゴン。シロイとクロイは相手の言葉遣いには無頓着なようだ。

「さて、じゃあ次は君達とおしゃべりしようか」クルリと振り返り3人の男たちに天使の微笑みで話しかけるシロイ。

「お前たちがアルカトラズだな、丁度いいここでまとめて始末してやる」リーダーの男が答える。

「依頼人の事とかしゃべってくれないかな? 無理にとは言わないけどね」シロイの言葉の終わりとともにクロイのスイッチが入る。

シロイの問いかけに答えることなく3人は一斉に動き出す。

手にはサバイバルナイフを持ち低い姿勢で標的に向かって迷いなく一直線に命を奪いに来る。

リーダーの男がシロイに、他の2人がクロイに。それぞれに死をもたらすために。



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